【計算できる?】「-5の2乗」「(-5)の2乗」はいくつ?|意外と忘れている指数の計算
指数って?
今日のお昼は回転ずしだったんだー!
いいですね! シースーランチ。あっそういえば、指数といえば、以前基準となる値を100とおいて、いろいろ比べるって学びましたね。
よく覚えているね!ところで、指数には2つ意味があるんだ。
握りずしと巻きずし?
そうではなくて、以前に学んだ「基準値を考える」ために使う指数と、「ある数を何度かけあわせるかを示すための、その数の右肩に示す数字」としての指数だ。
右肩…目玉おやじみたいな?
まあそうとも見えるかも。後者の指数は、IT業界では欠かせない知識だからね。よくイチニッパとかニゴロとかいうでしょう。
聞いたことないですよ?
128GBとか、256GBとかさ。
あー、スマートフォンの容量とかに出てくる数字ですね。
128は、2の7乗だね。こういうところでも、指数の知識は必要なんだよ。
立つんだ……。
ジョー……。ジョーじゃなくて「乗」、指数について、勉強しておいてね。じゃあね。
えー、そんな無責任だジョー…….。
昔から、算数も数学も苦手なアユムは、希望が叶ってマーケティング部門に異動してきました。Web担で見るような「すごいマーケターになりたい!」と胸を躍らせていたが、配属後、理想と現実のギャップに苛まれることに。データ、数字、%、小数。うわぁーん、どうしたら、数字に強くなれるのでしょうか……。
そこに現れたのが、大人向け数学教室「大人塾」を運営し、数学苦手な社会人に対して指導をしているアジアゾウをこよなく愛するモリさん。
この記事を読むべき人:指数計算をすっかり忘れている方
この記事を読む必要がない人:指数計算を覚えている方
この記事でわかること:指数の意味と基本的な計算方法
基本的な指数の計算と落とし穴
モリさーん、指数の計算について教えてください。
指数の計算? n乗(じょう)ってやつですか?
そうそう、気分上場↑↑みたいなやつです。
なるほど、では今日はさらりと指数を学びましょう。まず、指数とは、同じ数を何回かけ合わせたかをあらわす数ですね。
この時点で難しい。
たとえば、「2の3乗」というのは、2を3回かけ合わせる計算のことです。つまり、2×2×2=8となります。これを指数を使って書くと23と表現します。
ここで、8を「2の累乗」、3を「指数」と呼びます。
なるほど。では、3の3乗は3×3×3=27となるわけですね。
シンプルですね。3を3回足す式は、かけ算にすることで 3+3+3=3×3=9 のように、短くあらわせます。似たように、累乗は同じ数のかけ算を 3×3×3=33=27と、短くあらわすことができます。
慣れたら、楽そうですね。
ところが、シンプルな中にも2点注意が必要なところがあります。
なんでしょうか?
まず注意が必要なのは符号です。(-5)2 =25になります。これは、通常のマイナスの数値の計算と同じですね。(-5)×(-5)=25ですからね。
では、-5を3乗するとどうなりますか?
(-5)×(-5)×(-5)=-125です。
マイナスのn乗のときは、nが偶数だったらプラスで、奇数だったらマイナスってこういう意味だったんですね。
はい。そして、(-5)2 と-52も答えが違います。ここにも注意してくださいね。
え? なんでですか?
()で括られている場合は (-5)2 =(-5)×(-5) なんですが、-52のときは、-(5×5)=-25 という式になるんですね。
うわあ、これ、よく見ないと絶対間違えるやつです。気を付けます!
指数の約束
22×23は2の何乗でしょう?
えー。えっと、なんだか高校の時に公式を覚えたような……。
一度バラしましょう。
なんだか物騒ですね。えっと、2の2乗は2×2、2の3乗は2×2×2、それをかけるので、2×2×2×2×2、つまり5乗ですか?
すばらしい。その通りです。つまり、22×23=2(2+3)となるんですね。
足すんですね。
なので、公式っぽく書くと。am×an=a(m+n)となります。これを指数法則といいます。
うわあああああ。これですよ。このよくわからない文字が出てきて、数学をあきらめたんです。
練習です。22×23×32×35×36=?
ええ、2と3が混じっているじゃないですか。
そのようなときは分離して書きます。
ということは、2と3で分離して、25×313 ということですか?
ザッツライト! すばらしいですね。
割り算の指数法則
それでは次は、割り算の指数法則について確認します。
はーい。
25÷23?
実際に出されるとどうしようかと思っちゃいますね。どうしましょう。バラしますか。
バラしましょう。で、割り算は分数であらわせるんでしたよね。
そうか。となると、2×2×2×2×2/2×2×2 それぞれ約分して、22が残りますね。
つまり、それを法則化すると?
分子と分母で同じ数分だけなくなるので…… 25/23ってことは、指数同士を引くんですか?
すばらしい。つまり、am÷an=a(m-n)とあらわせるんですね。これが割り算の指数法則です
分数の形とかで考えると、納得できるんですが、文字になっちゃうと頭に入らなくなります……。
覚えようとするから、頭が拒否するんですよ。覚えるんじゃない、感じるんだ。
いや、全然わからないですけど、まあ、分数の形を思い出せばいいってことですね。
負の指数
次は、負の指数です。たとえば、先ほどの割り算で23÷25だったらどうしましょう。
あ、引いたら-2になってしまいますね。うーん。2乗するとか?
いいえ。いま、適当に答えましたね? マイナスって出てきたら2乗とかって適当に覚えてますね。
はい……。
23÷25 の結果となる 2-2 のように、マイナスが出てもいいのです。この2-2は、2のマイナス2乗と読みます。そして、このような指数を、負の指数といいます。
ふふふ。
さて、それはどういう数でしょうか。
えーと、バラします。バラせばいいですよね。 2×2×2/2×2×2×2×2=1/22ですね。
その通りです。なので、2-2と出てきたら、分数の形になるのです。つまり、a(-m)=1/am となります。
そうかー。なるほどー。明日まで覚えてられるかなー。
無理やり覚えようとせず、理屈を意識しておいてください~。でも、今日のように自分で考えて答えを導き出せたら、きっと理解も深まりますよ。
指数が0の場合
では、指数が0のときはどうしましょう。たとえば、20はどうなりますか?
0は、1個もないってことですよね。20ってかいてあるのに、2が1個もない。
では、22÷22で考えましょうか。指数法則を使って計算すると、20になりますね。あるいは、22÷22を分数の形にしてみてください。
バラすと2×2/2×2だから、それぞれ約分して…1ですね。
はい、つまり、20=1なのです。
ほうほうなるほど。
負の指数や0の指数は、最初は不思議に感じるかもしれません。でも、実際に計算を分解してみると、意味がわかりますよね。
覚えなくても、理屈がわかればいいんですよねー。ありがとうございます。今夜は家で手巻きずしを食べます。楽しみだー。
ポイント
- 指数は「その数を何回かけたか」を表す数字。
例:24=2×2×2×2=16 - 0以外の数の0乗は1になる。
例:30=1- 指数が負のときは分数を活用する。
例:2(-3)=1/2×2×2=1/8
- 指数が負のときは分数を活用する。
- 指数法則
掛け算 am×an=a(m+n)
例:27×29=2(7+9)=216
割り算 am÷an=a(m-n)
例:27÷23=2(7-3)=24=16
今日の問題をおさらい
Q1. 指数法則(掛け算)
「(-5)2 」「-52」はいくつ?
(-5)2=(-5)×(-5)=25
-52=-(5×5)=-25
答え:(-5)2 =25、-52=‐25
Q2. 指数法則(掛け算)
22×23=?
22×23
=2×2×2×2×2
=25
=32
答え:32
Q3. 指数法則(掛け算)
22×23×32×35×36=?
指数法則を使うと
22×23×32×35×36
=2(2+3)×3(2+5+6)
=25×313
答え:25×313
Q4. 指数法則(割り算)
25÷23=?
25÷23
=2×2×2×2×2/2×2×2
=2×2
=22=4
答え:4
Q5. 指数法則(割り算)
23÷25=?
23÷25
=2×2×2/2×2×2×2×2
=1/2×2
=2(-2)
=1/4
答え:1/4
ソーシャルもやってます!