【これ解ける?】2の3乗の4乗って2の何乗?|意外と忘れている指数の計算
「指数関数的には~」ってどういう意味?
SNSでバズった情報って指数関数的に拡散されていくよね。
シスーカンスー的とかってよく聞く言葉ですけど、それって何なんですか?
指数の計算は、前回学習したよね。指数関数的というのは、指数の計算のように増えていくことなんだ。例えば、2の2乗は4、3乗は8、…10乗は1024と、どんどん増えていくよね。
なんかすごく増える感じ。
ところで、2の3乗の4乗って2の何乗でしょうか。
だいぶジョウジョウしてますね。
このままの勢いで上場しちゃいそうだよね。じゃ、考えておいてね。
あ、教えてはいただけないんですね……。
昔から、算数も数学も苦手なアユムは、希望が叶ってマーケティング部門に異動してきました。Web担で見るような「すごいマーケターになりたい!」と胸を躍らせていたが、配属後、理想と現実のギャップに苛まれることに。データ、数字、%、小数。うわぁーん、どうしたら、数字に強くなれるのでしょうか……。
そこに現れたのが、大人向け数学教室「大人塾」を運営し、数学苦手な社会人に対して指導をしているアジアゾウをこよなく愛するモリさん。
この記事を読むべき人: 指数法則を理解したい方・思い出したい方
この記事を読む対象: 前回の指数法則のページを理解した方
この記事を読む必要がない人:指数法則を理解している方
この記事でわかること:指数法則の拡張
2の3乗の4乗は2の何乗?
モリさん、2の3乗の4乗って2の何乗ですか?
累乗の累乗ですね。数式にするとどんな感じですか?
(23)4 ですか?
はい。まずは、外の4乗の部分をバラしましょう。(23)を4回かけてください。
(23)(23)(23)(23) です。
ひとつの()内には2が3つ (2×2×2)ということがわかりますね。ということは、 (23)4 には、2が全部でいくつありますか。
3×4=12ですね。
はい。ということは、 (23)4 =2(3x4)=212 のようになります。これを文字であらわすと(am)n=a(m×n)となります。これは指数法則の一つです。
文字になると、ちょっと難しく感じますね…。
そうですね。これも具体的な数字に置き換えながら覚えていきましょう。
そして、2の3乗の4乗は2の12乗となり、計算すると 4096 です。
「指数関数的」をグラフにすると……
ところで、指数関数的な増加ってどんな感じなんでしょう。
アユムさんのために2の累乗をグラフにしました。横軸(𝒳軸)が2をかけた個数、縦軸(𝒴軸)が求められた数値です。
おおー。増えてますね。
ゾウなんです!そして、3の累乗もグラフに加えました。
2が霞むほどにすごくすごく増えてますね。
そうなんです。指数関数的とは、このようにある値(𝒳)にあわせて変化する量(𝒴)が大きく変化する状態をあらわします。等比級数的、加速度的などとも言いますね。ちなみに、このグラフは 𝒴=a𝒳 (a>1)なので𝒳が増えると𝒴の値も一気に増えていきますが、𝒳が減ると𝒴の値は 指数関数的に減っていきます。
なるほど。指数関数的という表現に出くわしたときは、ものすごい大きな変化が起きていると受け取ればいいんですね。
まあ、そういう解釈でよいでしょう。
その他の指数法則
ほかに覚えておいた方がいい基本的な指数法則はありますか?
(ab)n=an bn
???
(2×3)2=22×32になるという関係です。
覚えなくちゃいけませんか?
いえいえ。 たとえば2×3=6ですよね。(2×3)2=62=22×32ですね。なので、(ab)n=an×bn ということになります。
その「なので」が、ちょっとビビるんですよねー。
同様に、 (a/b)n=an/bnです。
さらりと同様に、とか言わないでください。動揺します。
(a/b)n=an/bnのように文字であらわされていますが、初めは文字だとややこしく感じるでしょう。そういう時は一度、具体的な数字で考えると理解が早くなりますよ。例えば(2/3)2=4/9=22/32ですね。数学の法則は、具体的な数字で考えてから文字式に戻すと、より深く理解できますよ。
ところでExcelでは、指数をどう計算するのですか?
Excelでは、POWER関数を用いるか、「^」(累乗の記号)で計算します。
2の4乗は、POWER関数であれば、以下のように引数を設定します。
累乗の記号(^)を用いるときは、以下のような数式とします。
Excelの「1.23E+05」の表示
Excelを使っていると、たまに「E+」みたいなのが出ますよね。あれも指数なんです。
えっ。セルの幅が「狭E」(せまいー)といってるんだと思ってました。
その通り。この表示は、列幅に対して数値が大きすぎるときに生じるのです。
たとえば、
「1E+05」は1×105=1×10×10×10×10×10=100000
「1E-05」は 1×(1/10)5=1×1/10×1/10×1/10×1/10×1/10=0.00001
を意味します。
1.23E+05は、1.23×105ということですか。
そのとーりです!
基本情報技術者の問題に挑戦
少しは指数と仲良くなれた気がします。そういえば前回、先輩に「スマートフォンの128GBとか256GBが指数に関係ある」と言われたのですが、これってなんだったんですか?
GB(ギガバイト)は情報量の単位です。スマートフォンやパソコンのストレージ容量、メモリ容量などを表す際に使われます。
なんで指数と関係があるのですか?
コンピュータなどの機械は電気なので、ONかOFFかしかなく、それぞれ1か0で表されます。これが2進数です。
ONとOFFしかないって、人間味がありますね。
人間味?2進数についての説明はいずれしますが、2進数システムは2の累乗で表現できます。
なるほど。
ONまたはOFFの情報は、ビット(Bit)という単位であらわし、コンピュータでは8ビットをひとつの大きさとしています。このとき、ONとOFFの2択が8個あるので、8ビットで表せる情報は、28(=256)通りです。
ということはスマホの128GBのBはビットのことですか?
実は少し違います。コンピュータの世界では、情報量を表す単位として「ビット(Bit)」と「バイト(Byte)」という2つの単位を使います。ビットはON/OFFの1つの情報を表す最小単位で、バイトはそのビットを8個まとめた単位なんです。つまり、8ビット = 1バイトという関係になります。
へぇ、なんで8個にまとめるんですか?
実は、アルファベット1文字を表現するのに8ビット必要なんです。だから、8ビットを1つの単位としてまとめて「バイト」と呼ぶようになりました。スマホやパソコンの容量を表す「GB」の「B」は、この「バイト」のBなんです。
なるほど! 1バイトでアルファベット1文字が表せるんですね。
そうです。さて、それでは、4バイトの情報量はいくつでしょうか?
4バイトは4×8=32ビットなので、232です。
正解です!指数法則を使って、(28)4=232と考えることもできますよ。
なるほど、情報量って指数なんですね。だから、指数の計算はIT業界でも必要だってことなんですね。
基本情報技術者の試験でも、ちょろっと出るんですよ。
平成28年度秋期 問4
32ビットで表現できるビットパターンの個数は24ビットで表現できる個数の何倍か
ビビットしちゃいますね。ビットパターンの個数が情報量のことだと思うので、それぞれの情報量は、32ビットが232。で、24ビットが224。
32ビットが24ビットの何倍かという話なので……。
そうか、分数にすればいいんですね。基準となる、もとになる量が24ビットなので、232/224 これを計算すると 232-24=28 えーっとこれを計算すると…
28=44だと考えると少し計算が楽になりますね。
?
2×2×2×2×2×2×2×2 を考えて、2×2の塊で括ると、4が4つになりますよね。
確かに。となると、4×4×4×4=256ですね。つまり256倍! なんかすごいですね。
指数をうまく扱えるようになって、先輩にシースーをおごってもらいましょう!
はいっ!
ポイント
- 指数法則
(am)n=a(m×n)
例:(23)4=2(3×4)
掛け算 (ab)n=an bn
例:(2×3)4=24×34
割り算 (a/b)n=an/bn
例:(2/3)4=24/34
- 指数関数的、等比級数的という言葉は、いずれもものすごい大きな変化が起きているということ。
- ExcelのE±〇〇は10の累乗を表す。たとえば「1E+05」は、1×105を表す。
今日の問題をおさらい
Q1. 2の3乗の4乗は?
(23)4=2(3×4)=212=4096
答え:4096
Q2. 基本情報技術者 試験問題
32ビットで表現できるビットパターンの個数は24ビットで表現できる個数の何倍か
32ビット=232、24ビット=224より
232÷224
=2(32-24)
=28
=256
答え:256倍
ソーシャルもやってます!