『レンズの基礎知識』の連載開始。設計エンジニア向けに、光学の基礎からレンズについて詳しく解説《PDF無料配布中》
株式会社イプロス
ものづくり&まちづくりのBtoB情報サイト「Tech Note」を運営する株式会社イプロス(本社:東京都港区)は、『レンズの基礎知識』の連載を開始いたしました。本連載では、レンズの基礎を全6回にわたって解説します。
![著者:株式会社オプト・イーカレッジ 代表取締役 河合 滋 著者:株式会社オプト・イーカレッジ 代表取締役 河合 滋](https://webtan.impress.co.jp/sites/default/files/images/blank.gif)
第1回:光の基礎
レンズは光の進む方向を曲げる光学部品です。光を集めたり、発散させたりすることができます。光は波であると同時に粒子としての性質もあり、この粒子が移動した軌跡を光線と考えることができます。こうした光の性質によって物体の像を結ぶことができるレンズは、さまざまな光学機器の中で使われています。第1回は、レンズを知るための前提知識として、光の性質と色について解説します。
【もくじ】
1. 光とは
2. 光の直進性
3. 反射と屈折
4. 色
1. 光とは
・電磁波
光は、電磁波と呼ばれる横波の一つです。周期的に変動する波は三角関数で表現できます。例えば、一方向に伝わる電磁波の位置z、時刻tにおける電界の大きさE(z,t)は、以下のように表すことができます。
![](https://webtan.impress.co.jp/sites/default/files/images/blank.gif)
上式で、λは波長、Tは周期、kは波数、ωは角振動数(角周波数)を示し、波長は波の一周期の長さ、周期は波の1回の振動時間を表します。また、周期の逆数1/Tを振動数(周波数)νと呼びます。
電界の大きさの変化は、2つの視点から捉えることができます。一つは、波が空間的に位置を変えるという視点です。もう一つは、ある場所に着目し、その点において波が時間的に変化するという視点です。また光の速度cは、振動数(周波数)νと、波長λの積、すなわち、c=νλで表されます。
一般の電磁波における電界の変化は、より複雑です。ただし、全ての周期関数は、振幅と周期の異なる無数の三角関数の和で表現できることが知られています(フーリエ級数)。このように、単純な三角関数の議論を一般の周期関数に拡張できることから、光の基本的な伝搬は三角関数で表現できます(図1)。
![図1:波のパラメータ 図1:波のパラメータ](https://webtan.impress.co.jp/sites/default/files/images/blank.gif)
・光と電波の違い
電波も光と同じ電磁波です。波長の長い電磁波が電波、短い電磁波が光です。周波数でいえば、電波の周波数は低く、光は高くなります。その境は、波長0.1~1mm(周波数300GHz~3THz)にあります(図2)。
![図2:電磁波 図2:電磁波](https://webtan.impress.co.jp/sites/default/files/images/blank.gif)
光は電波に比べて回折しにくいため、直進性が高くなります。電波も波長が短くなるに従って直進性を増し、物質を透過しにくくなるなど、光に似た性質を持つようになります。
私たちに最も身近な光は可視光です。人に見える光の波長の範囲には個人差があり、厳密に定義できないものの、通常、波長380~780nmの範囲を可視光とします。この範囲の光は、ほとんどの人が見ることができます。可視光は、波長の短い方から、紫、藍(あい)、青、緑、黄、橙(だいだい)、赤と変化します(虹の7色)。また、赤色よりも波長の長い光を赤外光(赤外線)、紫色よりも波長の短い光を紫外光(紫外線)と呼びます。可視光の範囲を外れると、急に色が消えるわけではなく、徐々に暗くなって見えなくなります。
2. 光の直進性
光が真っすぐ進むということは、当たり前と思うかもしれません。しかし、この理由を説明できるでしょうか? ピンホールカメラは、光が真っすぐ進むことを証明する一つの例です。
・ピンホールカメラ
カメラはスマートフォンに搭載されるようになり、非常に身近な光学機器となりました。通常のカメラは、レンズによってできる像を撮像素子(あるいはフィルム)に記録します。しかし、レンズを使わなくても、カメラの機能を実現することができます。
像を形成するには光を集める必要があり、凸レンズにはそのような機能があります。しかし、光を集めずに像を作ることもできます。図3に示すように、ついたてに小さな穴を開けます。ついたての左側に物体を置き、物体から出る光をついたての裏側から観測します。
![図3:ピンホールカメラ 図3:ピンホールカメラ](https://webtan.impress.co.jp/sites/default/files/images/blank.gif)
物体の一番上の部分から出る光は四方八方に拡散し、そのほんの一部が小さな穴に入ります。小さな穴に入った光は、ついたての裏側では、物体の上の部分と小さな穴を結ぶ一筋の光になって進みます。このような光を光線と呼びます。同じように、物体の各部分から出た光も光線になって進みます。これらの光線を全て集めると物体の情報が再現され、像ができます。これが、ピンホールカメラの原理です。続きは、(https://www.ipros.jp/popup/download/catalog/?objectExpression=2-1540270&sourceObjectId=1540270&sourceObjectType=2&hub=131+prt)からダウンロードください
Tech Note について
Tech Note(テックノート)は、ものづくり・都市まちづくりに関わる方のためのBtoB情報サイトです。業務に役立つ技術資料から、息抜き用のコラムまで、お昼休みに楽しく読んでもらえる記事を日々公開しています。
URL : https://www.ipros.jp/technote/
株式会社イプロス について
日本最大級のBtoBデータベースサイト「イプロスものづくり」「イプロス都市まちづくり」「イプロス医薬食品技術」や、アジア向け製造業マッチングサイト「TECH DIRECTORY Asia」の企画・開発・運営を行っています。
※2019年11月5日(火)にサイト名の変更、サイトリニューアルをしています。
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第1回:光の基礎
レンズは光の進む方向を曲げる光学部品です。光を集めたり、発散させたりすることができます。光は波であると同時に粒子としての性質もあり、この粒子が移動した軌跡を光線と考えることができます。こうした光の性質によって物体の像を結ぶことができるレンズは、さまざまな光学機器の中で使われています。第1回は、レンズを知るための前提知識として、光の性質と色について解説します。
【もくじ】
1. 光とは
2. 光の直進性
3. 反射と屈折
4. 色
1. 光とは
・電磁波
光は、電磁波と呼ばれる横波の一つです。周期的に変動する波は三角関数で表現できます。例えば、一方向に伝わる電磁波の位置z、時刻tにおける電界の大きさE(z,t)は、以下のように表すことができます。
![](https://webtan.impress.co.jp/sites/default/files/images/blank.gif)
上式で、λは波長、Tは周期、kは波数、ωは角振動数(角周波数)を示し、波長は波の一周期の長さ、周期は波の1回の振動時間を表します。また、周期の逆数1/Tを振動数(周波数)νと呼びます。
電界の大きさの変化は、2つの視点から捉えることができます。一つは、波が空間的に位置を変えるという視点です。もう一つは、ある場所に着目し、その点において波が時間的に変化するという視点です。また光の速度cは、振動数(周波数)νと、波長λの積、すなわち、c=νλで表されます。
一般の電磁波における電界の変化は、より複雑です。ただし、全ての周期関数は、振幅と周期の異なる無数の三角関数の和で表現できることが知られています(フーリエ級数)。このように、単純な三角関数の議論を一般の周期関数に拡張できることから、光の基本的な伝搬は三角関数で表現できます(図1)。
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・光と電波の違い
電波も光と同じ電磁波です。波長の長い電磁波が電波、短い電磁波が光です。周波数でいえば、電波の周波数は低く、光は高くなります。その境は、波長0.1~1mm(周波数300GHz~3THz)にあります(図2)。
![図2:電磁波 図2:電磁波](https://webtan.impress.co.jp/sites/default/files/images/blank.gif)
光は電波に比べて回折しにくいため、直進性が高くなります。電波も波長が短くなるに従って直進性を増し、物質を透過しにくくなるなど、光に似た性質を持つようになります。
私たちに最も身近な光は可視光です。人に見える光の波長の範囲には個人差があり、厳密に定義できないものの、通常、波長380~780nmの範囲を可視光とします。この範囲の光は、ほとんどの人が見ることができます。可視光は、波長の短い方から、紫、藍(あい)、青、緑、黄、橙(だいだい)、赤と変化します(虹の7色)。また、赤色よりも波長の長い光を赤外光(赤外線)、紫色よりも波長の短い光を紫外光(紫外線)と呼びます。可視光の範囲を外れると、急に色が消えるわけではなく、徐々に暗くなって見えなくなります。
2. 光の直進性
光が真っすぐ進むということは、当たり前と思うかもしれません。しかし、この理由を説明できるでしょうか? ピンホールカメラは、光が真っすぐ進むことを証明する一つの例です。
・ピンホールカメラ
カメラはスマートフォンに搭載されるようになり、非常に身近な光学機器となりました。通常のカメラは、レンズによってできる像を撮像素子(あるいはフィルム)に記録します。しかし、レンズを使わなくても、カメラの機能を実現することができます。
像を形成するには光を集める必要があり、凸レンズにはそのような機能があります。しかし、光を集めずに像を作ることもできます。図3に示すように、ついたてに小さな穴を開けます。ついたての左側に物体を置き、物体から出る光をついたての裏側から観測します。
![図3:ピンホールカメラ 図3:ピンホールカメラ](https://webtan.impress.co.jp/sites/default/files/images/blank.gif)
物体の一番上の部分から出る光は四方八方に拡散し、そのほんの一部が小さな穴に入ります。小さな穴に入った光は、ついたての裏側では、物体の上の部分と小さな穴を結ぶ一筋の光になって進みます。このような光を光線と呼びます。同じように、物体の各部分から出た光も光線になって進みます。これらの光線を全て集めると物体の情報が再現され、像ができます。これが、ピンホールカメラの原理です。続きは、(https://www.ipros.jp/popup/download/catalog/?objectExpression=2-1540270&sourceObjectId=1540270&sourceObjectType=2&hub=131+prt)からダウンロードください
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※2019年11月5日(火)にサイト名の変更、サイトリニューアルをしています。
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