サイト内検索ログを重要視する、これだけの理由+成果につなげる実践5ステップ
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この投稿は、A List Apart に掲載された、 Avinash Kaushik さんによる 「サイト内検索の分析~カンタンで効果的、人生が変わる!」 から抜粋・翻訳したものです。
こんにちは、株式会社ECナビUIO戦略室の榎本です。
サイト訪問者の目的を知ることは、アクセスログを解析する私たちにとって、最高の喜びですよね!今回は、サイト内検索ログの解析について勉強します。簡単に取得できて、理解しやすくて、そしてソッコーで行動に移せるデータです。
なぜ「サイト内検索」を分析するのか
本題に入る前に、なぜ「サイト内検索」なのか?をおさらいしておきましょう。
ユーザー行動が変わった
むかしむかし、古き良き時代、人々はサイトの左、上、あるいは右に据え付けられたナビゲーションを使っていました。しかし、2つのウェブサイトがこのやり方を根本的に変えてしまいました。ひとつはAmazon。とてつもなく幅広いものを扱うため、ナビゲーションは複雑。人々は訪問するなりキーワード検索するようになりました。もうひとつはGoogle。彼らが、「ほしいものを入力し、検索ボタンを押す」という行動を人々に植えつけましたとさっ!
そして今、ウェブサイトを訪れる人々は、私たちが丹精込めて作り上げたナビゲーションを見事にスルーし、一目散に検索ボックスを目指します。主要ナビゲーションといえるほど増加したサイト内検索のログデータを理解することは、とても重要なのです。
サイト内検索が教えてくれる、忘れられた最重要指標
もしかしてまだ納得してない?そんなあなたのために、もうひとつ、サイト内検索を分析するとてもとても重要な理由を挙げましょう。
あなたがもっている、全ての検索とクリックのデータ(それがGoogle Analyticsであろうと、SiteCatalystやRTmetricsであろうと・・・)は、1つの重要な指標を欠いています。それは、「顧客の意図」(Customer intent)です。すべてのクリック、訪問ページ、そして離脱を知っていても、「なぜ」人々がサイトを訪れたのかはわからないでしょう(検索エンジン流入のリファラを除いては)。例えば、アクセスログ解析ツールで「PVトップ10のページ」を見ることはできるでしょう。でも、訪問者が「何を見たかった」のか?をどうやったら知ることができるでしょうか?
サイト内検索データは忘れられた指標、「意図」を含んでいます。サイト内検索キーワードは、訪問者が「何を求めていて」、「何故訪問したのか」が、しかも「彼ら自身の言葉で」記録されているのです。これってすごくないですか!?
サイト訪問者の意図を理解できれば、
- あなたのWebサイトに彼らが求めるコンテンツがあるのか?
- もしあれば、彼らはそれを見つけられているのか?
を知ることができます。
ユーザー心理の読み方
どのアクセスログ解析ツールを使っていようと、サイト内検索を分析するのは簡単です。最近のJavaScriptによるデータ取得方式のツールのほとんどがサイト内検索データを取得しレポートしてくれます。通常、管理者設定から検索ワードを含むURLパラメータを設定できるようになっています。
例えば私のブログOccam’s Razorで”engagement metrics”と検索したとしたら、検索結果ページのURLはこうなります:http://www.kaushik
.net/avinash/index.php?s=engagement+metrics&submit=Search.
URLを見てみると、パラメータ”s”が検索キーワードをしめしています(s=engagement+metrics というところ)。あなたのサイトはおそらく違うでしょうから、一度サイト内検索をしてパラメータを見てみましょう。それを見つけたら、そのパラメータをアクセスログ解析ツールにセットし、サイト内検索データを取得できるようにしましょう。
さあ、最高の定量データを分析する準備が整いました!
ステップ1:サイト内検索の利用状況を把握しよう
ほとんどの人が、サイト内検索の利用者数を低く見積もりすぎています。最初のステップは簡単です。数を取得しましょう!
以下にGoogle Analyticsでの例を示しますが、他のツールでも同様です。
「サイト検索のサマリー」(画像リンク)では、毎日何%の訪問者がサイト内検索を利用しているのかを教えてくれます。
サイト内検索の利用割合は、サイトの種類によりまちまちです。5%以上であれば、そのサイトにとって検索が一番使われているナビゲーションということです。私たちの例では、平均18.57%でした。
次に、ユーザーが何を探しているのかを知りましょう。
アクセスログのうち、ユーザー心理を知ることができるレポートはほとんどありませんが、このシンプルなレポートが教えてくれます。ここから新たな気付きや疑問が生まれます。
- ユーザーがキャンペーンのことをこんなに気にしていたなんて!
- キャンセルについてトップに記載しているのに、なぜ「キャンセル」が8番目に多いキーワードなんだ?
- 「クオリティスコア」についてサイト上で一切言及していないけど、ユーザーは求めているようだ。
さらに詳細に分析を進めてみましょう。
ステップ2:どこで検索し、次にどうしているのか?
私たちはトップページに心血を注いでいますが、悲しいことに、実際には検索エンジン経由(あるいはEmailキャンペーンやTwitter経由)で直接内部ページにランディングする訪問者が増える一方です。
このようなユーザーの変化に対し、ある疑問がうかびます:私たちのサイトは、どのような第一印象をもたれるのだろうか?
これに応えるには、「検索開始ページ」レポート(画像リンク)を見ることです。その名のとおり、このレポートはユーザーがサイト内検索を使ったページをリストアップしてくれます。
この情報で、ページコンテンツが機能しているかどうかがわかります。もし機能していれば、ユーザーはサイト内検索をする必要はありません。
上の図を御覧ください。「answer.py」というページは、ユーザーの質問に対する回答ページです。これがリストの2番目にきているということは、ユーザーはがっかりして検索することにした、ということです。でも今、私たちはそれを知ることができました。
次のステップは、どのページで検索が始められて、何を探しているかを確かめ、コンテンツを正しく改善する方法を明らかにしましょう。
次のレポート、「到達ページ」は私が大好きなレポートです。あるキーワードについて、人々がどこで検索を開始し、どこで離脱したのかがわかります。別の言い方をすれば、検索したあとにどこを見たのか?がわかるということです。
例えば”new campain”と検索したら、すぐに検索結果ページからほかに移動すると思ってるかもしれませんが、違いますよ!
このレポートは、ユーザー行動について深い洞察を与えてくれます。左側の枠の中には検索開始ページが、真ん中には検索キーワードが、そして右の枠内にはどこで離脱したかがわかります。
上のスクリーンショットをもとにすると、ユーザーはsearch.pyから検索開始し、検索結果ページを見て、24.05%の確率で正しいページにたどり着いていることがわかります。残りの75.95%の人々には何が起こっているのでしょうか!?ユーザー意図を理解ようと努め、検索エンジンをチューニングしましょう。例えば、正しいページへのリンクが3番目の順位で出るようであれば、必ず1位に表示されるように。
このレポートでは、検索結果の品質がよくわかりますね。ほかのキーワードもみてみましょう。
ステップ3:サイト内検索クオリティを検索する
まず、私が大好きな指標「直帰率」について簡単に説明させて下さい。
誰かがサイトを訪問し、一瞥し、そして離脱する。この現象(「来た。吐き気がした。去った。」)はあなたのアクセスログ解析ツールでいう「直帰率」として記録されており、訪問数(=セッション数)のうち、1ページしか見なかったものの割合を示します。
直帰率は流入元サイト(Google, ダイレクトメール, mixi, 等) があなたのページに送るトラフィックのクオリティを測るのに適しています。またランディングページのクオリティを知るのにも使えます。もしダメなランディングページであれば、人々は直帰してしまうでしょう。だから、直帰率が高ければ、何か問題があるということです。
Google Analyticsの「% 検索結果の離脱」は、サイト内検索クオリティを測るのに適した指標です。これはサイト内検索の検索結果ページを見るなり、サイトから離脱してしまった訪問者の割合です。
検索結果の離脱%が高いキーワードに注目しましょう。この図の例(画像リンク)では、”ad”と検索した343人のうち71.43%の人が、検索結果を見たらサイトから離脱してしまったことを意味しています。これは問題ですね。これらのキーワードについて、検索エンジンをチューニングしましょう。
もうひとつの検索結果クオリティを知るための指標は、「検索深度」です。私たちは一番上位に、もっとも適した結果が表示されるもの、と有名な検索エンジンに訓練されています。だから私たちは検索結果の1位にもっとも関連性の高いものがあると考え、クリックする傾向があります。
検索深度のレポート(画像リンク)は、キーワードごとに、訪問者が検索結果を何ページ目まで見たのか、がわかります。
キーワード”gears”について考えてみましょう。平均検索深度は1.92ページビューです。2ページ、それぞれ30~40リンクの中から、探したことになりますが、これは多すぎます。実際に検索結果をみて、修正しましょう。
ステップ4:セグメント、セグメント、セグメント!
分析において、「セグメンテーション」は、データを小さく分割する(セグメントする)ことであり、訪問者の属性、流入元、結果によって人々の行動を理解します。例えば、全ての訪問者をみるだけではなく、検索エンジンからきた訪問者、ダイレクトメールからきた訪問者を分けてから見る、ということです。
もし、本当に価値ある洞察をサイト内検索分析から得たいのであれば、狂ったようにセグメントする必要があります。
この図はちょっとイケてる感じのセグメントを使おうとしているところです。GoogleやYahooといった外部の検索エンジンから、どんなキーワードが訪問者をサイトに導いているのか?ということです。
セグメンテーションは顧客の意図や検索行動を理解する助けになります。なぜなら彼らが私のサイトに来る前に、何を探していたのかを知ることができるからです。
次のレポートはより直接的なサイト内検索の利用状況です。離脱、再検索、そして新たな指標、
「検索後の時間」(画像リンク)です。
ほとんどのサイト内検索レポートでは、サイト内検索による滞在時間の増加を計算することができます。例えばコンテンツを提供しているサイトであれば、サイト内検索が適切な検索結果を返し、そして訪問者がより長く滞在しているか?ということです。
上のスクリーンショットでは、Googleからの訪問者はサイト内検索後に1分22秒滞在しているのに対し、Bingからきた訪問者は51秒滞在しています。コンテンツサイト(asahi.com や Yahoo!知恵袋のような)にとって、これはとても重要な情報です。なぜなら訪問者により長くサイトで過ごしてもらい、より多くの広告を見てもらう必要があるからです。
ステップ5:成果
上司が気にするのはここですよね。
「利用状況」レポート(画像リンク)を見てみましょう。ここでは成果(目標)データをみたいので、「目標セット」タブをクリックして下さい。
「コンバージョン」という用語はショッピングサイトに関するものだと思われがちです。しかしながら、アクセスログ解析ではどんなタイプであれ、Webサイトにとって最も好ましいユーザーのアクション指標のことを指します。例えば、下のレポートはブログの場合で、問い合わせの送信、RSS購読、その他、をコンバージョンとしています。
このWebサイトではサイト内検索をしなかった訪問は22.71%コンバージョンしたのに対して、検索した訪問の36.28%がコンバージョンしています!
サイト内検索の改善につぎ込んだ時間とお金に対する効果を見るためのよい方法はあるのでしょうか?
例えばネットショップであれば、サイト内検索を使った訪問者の売上推移か、注文単価の増減を見ればよいでしょう。
コンバージョンで測定することほど大切なことはありません。私たちはしばしば簡単な指標に目を奪われがちで、サイト内検索が売上に与える影響を忘れてしまいます。でも、上司(またはクライアント)の支持を得たいなら、最終の結果を測定すべきです。
以上が、5つのシンプルかつ総合的に、サイト内検索を理解する方法です。あなたは顧客の意図を理解できるようになり、顧客はほしいものをすぐに見つけられるようになり、あなたの会社の業績は向上!みんなが幸せになりましたとさ!Good Luck!
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