ブランディングを成功させるWeb担当者の仕事(という名の社内調整)
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気がついたらいきなり四面楚歌のWeb担当者
「そうだブランディングだ!」と思いついたとしても、BtoB企業の場合これをやれば大丈夫という定番の施策が無いのが困り者です。
ブランディングに関する理論としては、デービッド・A.アーカーの「ブランド・エクイティ戦略」などが有名です。ブランドの構造や、その効能をロジカルに説明してくれるので、理論としてはよく理解できますし、その内容の本質は色褪せないものだと思います。
ただし、その書籍が発行されたのは1994年。現代とはユーザーも環境も異なります。
そして、マスプロダクト・マス流通・マスコミュニケーションが基盤となっている前提で展開されているため、現代のBtoB企業に応用していくにはかなりの努力が必要です。
一方、BtoB企業の場合はブランディングがふさわしくないのでは?という、意見が出てくることもありますが、いくらニッチでもビジネスを進めていく上で「ブランド」は大変重要です。
例えば、顧客獲得コストが下がると考えてみたら、イメージしやすいと思います。しかも昨今ではブランディングにおいてWebサイトが果たす役割はどんどん大きくなっています。
個人でもさまざまな体験を持つことがある「ブランド」については、みなさんの社内にも一家言ある方々がたくさんいらっしゃると思います。いろんなことに気をつけながらブランディングを進めないと、Web担当者はいきなり四面楚歌になりかねません。
そこで今回は、社内の強敵たちを味方に変えてWebサイトを使ったブランディングを進めていくポイント解説します。
ブランディングの壁に立ちはだかる四天王
ここでは、Webでブランディングを進めようとすると決まって現れる社内の猛者たちのことを「ブランディング四天王」と呼ぶことにします。
見た目がイチバン!「デザイン大魔王」
「ブランドとは何か」と、Googleで調べたりすると「他と区別するためのシンボルマークや名称・商標、あるいはデザイン」といった内容の解説記事が多数ヒットします。それは嘘ではないしブランドを構成する要素としてとても重要で「わかりやすい」ものです。
ただ、「わかりやすさ」を重視するあまり、「見た目以外を軽視する」やっかいなキャラクターを生み出すことがあります。
背景動画を見せるためにカッコ良くデザインされたローディングアニメーションなどはビジュアルの訴求が重要な施策でない限り、ブランディングへの寄与度はかなり低い要素です。
そこで、この「デザイン大魔王」の気配を感じたら、大好物である「デザイン」という言葉を巧みに使って
「見た目だけじゃなく、ユーザーの体験をデザインしましょう」
と、前向きに意識の軌道修正をはかりましょう。
例えば、見た目のデザインだけでなく、サイトにアクセスできる経路やコンタクトをとりたいと思った時のためのフォームなどをきちんと整備すると良いでしょう。
Webにおけるブランディングでは「見た目+ユーザー体験のデザイン」が重要、と納得してもらえれば、きっと強い味方になってくれるはずです。
「ユーザー体験のデザイン」については、こちらの記事もご覧ください。
ユーザーそっちのけ!「USP鬼将軍」
見た目へのこだわりと同様に自社製品やサービスのUSP(Unique Selling Proposition)をここぞとばかりに前面に押し出したがる四天王もいます。
差別化戦略とか競争優位性など戦略論の表層をなめると、ついつい自分たちのセールスポイントをアピールしたくなってしまうのはよくわかります。
しかし、Webの場合「閉じるボタン」ひとつ、あるいは隣のタブに移動するだけで立ち去ることができてしまうという切ないメディアなのです。
あくまで主権はユーザーの手の中にあるため、USPよりもユーザーのベネフィットを優先して表現する必要があります。
こういうWebコミュニケーションの特性をすっ飛ばして、USP訴求にこだわるUSP鬼将軍には、
「『伝えた』よりも『伝わった』が大事だと思うんです。」
と、指摘してあげましょう。
「このページ、離脱率が異様に高いようです」と、客観的な数字で示してあげるとよいでしょう。
自分が一人のユーザーとしてどうか?個人的な体験(例えば、自動車保険を選ぶ時とか、リフォーム業者を選ぶ時など)に照らしてみればイメージは掴めると思います。自分もユーザーであり、自分たちの向こう側にはユーザーがいることに気がついたら、押しの強さを逆方向にかつ有効に使ってくれるようになるに違いありません。
▼続きは下記にてご覧いただけます。
ブランディングを成功させるWeb担当者の仕事(という名の社内調整)(2/3)
https://getting-better.jp/branding-for-webmaster-190926/2/
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