[特集] 好感度上昇で人が集まる! 評判管理の技術SMO実践テクニック
検索エンジンを凌ぐ流入元になるソーシャルメディア
訪問者を増やすための最も効果的な方法はSEO、検索連動型広告の活用といったSEMです。今日では検索エンジンが、インターネットのナビゲーターとして広く利用され続けており、SEM抜きに訪問者を増やすのは、困難な状況です。
しかしその一方で、これまでに述べた通り、ソーシャルメディアという新たな流入元が誕生し、存在感を急速に高めています。
筆者が把握しているWebサイトでも、通常は検索エンジンが最大の流入元になっていますが、ある期間においてソーシャルメディアからの流入が、全体の40パーセント程度まで上昇するケースがあります。著名ブロガーに記事が取り上げられ、トラックバックされたとき。あるいは、はてなブックマークの「最近の人気エントリー」に掲載されたときに、ソーシャルメディアからの訪問者数が急増するのです。ソーシャルメディアの中でユーザーからの注目を集めると、そのトラフィック誘導力は、ときとして検索エンジンを凌ぐことすらあるのです。
Webマーケティングは「コンテンツ回帰」が鮮明に
このソーシャルメディアからのトラフィック誘導力を最適化するのがSMOです。ソーシャルメディアの影響力がますます強まる中、今後、Webサイト運営者にとって、SMOが無視できない課題となっていくのは間違いありません。SMOの手法は、
- ソーシャルメディアへ情報を効率的に流通させること
- ソーシャルメディアからの誘導を最大限に引き出すこと
の2つに大別できます。
具体的なアプローチは後述しますが、これらを行うための基本戦略としてはまず、ユーザーに受け入れられるWebサイトの運営スタンスを確立することが大切です。単純に言えば、ユーザーが面白い、あるいは有益だと感じてくれるようなコンテンツを提供することが、SMOの原点だといえます。
Webサイト運営者が、いくらSMOをしたいと思っても、ユーザーにとって価値がない情報は、見向きもされないのが実情です。まずはコンテンツの中身に工夫を凝らした上で、前述の1と2を満たすための技術的アプローチを行う必要があります。
検索エンジンが現在のように高機能でなかった時代には、良質なコンテンツを公開することこそが、訪問者を増加させる最も効果的な方法でした。しかし、検索技術が進化し、検索エンジンがインターネットの入り口として多くの人に利用されるようになると、善し悪しはともかく、コンテンツ以上にSEMがトラフィックを得る手段として注目を集める状況になりました。ところが現在では、ソーシャルメディアの爆発的普及により、再びコンテンツの中身が、トラフィック誘導において大きな影響力を持ち始めています。Webマーケティングの世界では今、「コンテンツ回帰現象」が起こり始めているのです。
検索結果の上位にマイナス情報が表示されることを防ぐ
とはいえ、いくらユーザーにとって価値があると思えるコンテンツを提供したとしても、すべてのユーザーがプラスの評価をしてくれるとは限りません。場合によっては、マイナス面が強調されることもあるでしょう。こうした事態もあらかじめ想定し、対応のガイドラインを策定しておくことも、SMOの前提になります。対応如何によっては、ソーシャルメディアからの総バッシング(いわゆる「炎上」)に発展し、検索結果で自社の情報を検索すると、個人ブログなどのマイナス情報ばかりが上位に表示されるということにもなりかねないからです。このような事態に陥ると、企業や商品のブランド力低下を招くのは確実です。
ガイドラインの基本は、何か問題が起きた際、企業としてすばやく情報を開示する姿勢を整えることです。3章で紹介した任天堂のように、日頃からSEO対策を施した上に、自社製品に不具合があっても真摯に公開するなど、インターネットの全ユーザーが潜在顧客だという立場に立ち、よりリアルのビジネスに近い形で、全社的な顧客対応のガイドラインを作っておくことが重要です。
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SMO実践テクニック
好感度上昇で人が集まる! 評判管理の技術
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