昔はドメイン名というと一般的な単語のドメイン名が高額で取引されたしていたが、最近は検索エンジンの普及によりそういったことも少なくなった。
と思われているが、日本ではそれほどではないが、実は海外ではドメイン名の取引はいまだ熱心にされている。実際、2008年4月には「pizza.com」が260万ドルという高額で取引されている。
それはさておき、今回はドメイン名についてWeb担当者が知っておくと得することを紹介しよう。
(1).co.jpは1社1ドメイン名しかとれない
これは常識に近いが、日本の企業を表す.co.jpドメイン名は、日本国内で登記している会社や信用組合、有限責任事業組合、企業組合、投資事業有限責任組合だけが登録でき、1組織1ドメイン名しか持てない。だから、.co.jpドメイン名をもっているということは、少なくとも登記している企業が運営しているサイトであることを表す。
(2)登記前でも.co.jpは取得して運用し始められる
あまり知られていないが、登記前でも.co.jpドメイン名を「仮登録」して運用できる。つまり、事前にドメイン名を決めて仮登録しておけば、登記した日から(実際にはその前から)本番のドメイン名でサイトを作ったりメールをやりとりしたりできるのだ。
(3)更新し忘れには更新チェッカーが便利
通常はドメイン名の期限が近くなるとレジストラ(指定事業者)からメールで連絡が来るはずだが、うっかりと見逃したり、メールの宛先になっている人が退社したりということもある。Site Alert(サイトアラート)というサービスは、サーバーがダウンしていないかのチェックと一緒に、ドメイン名とSSLサーバー証明書の期限切れもチェックして定期的にメールで送ってくれて便利だ。
(4)ドメイン名を自動更新してくれる場合も
通常は期限を決めてドメイン名を登録するのだが、レジストラ(指定事業者)によっては、自動更新にしてくれる場合もある。ドメイン名をたくさんもっている場合は、自動更新にしてもらうのも手だろう。
(5)サブドメイン名を使えば1つのSSL証明書で済ませられる
ブラウザとサーバーの間の通信を暗号化するためのSSL証明書は、本来ならばドメイン名1つに対して1枚必要だ。たとえば、ドメイン名がimpress.co.jpでもウェブサーバーが
www.impress.co.jp
www.watch.impress.co.jp
internet.watch.impress.co.jp
www.forest.impress.co.jp
の4つあれば、4枚のSSL証明書が必要になる。
しかし、ワイルドカードSSLサーバー証明書というものを使うと、サブドメイン名がいくつあっても1枚のSSL証明書で済む。ただし、すべての証明書ベンダーがワイルドカード証明書を扱っているわけではなく、また携帯電話の対応も完全ではないので、利用に注意が必要だ。
→ http://jp.globalsign.com/service/ssl/option/wildcard.html
(6)新しいドメイン名はとりあえず1ページ作っておくと良い
検索エンジンは、よほどのことがない限り、新しいドメイン名のページは半年ほど検索結果の上位に来ないように処理している。そのため、早めにドメイン名を取得し、とりあえず1ページ公開しておくのがSEOを考えるうえで重要だ。そうすれば、ペナルティ期間を短縮できる。そのページには、予定しているサイトの内容がわかる何らかのテキストを含めておくのが大切で、また、ページにほかからリンクを張ったり検索エンジンに登録したりしてインデックスさせておく必要がある。
個人的には、(2)と(6)は、意外と知られていないポイントなのではないかと思うのだが、みなさんご存じだっただろうか。
この記事は、メールマガジン「Web担ウィークリー」やINTERNET Watchの「週刊 Web担当者フォーラム通信」に掲載されたコラムをWeb担サイト上に再掲したものです。
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