RIAシステム 構築ガイド Essential
RIAコンソーシアムが発行する、RIAの普及促進や開発に関するガイドライン『RIAシステム 構築ガイド』の2007年版である『RIAシステム 構築ガイド Essential 2007』をWeb担向けに特別にオンラインで公開するコーナー。
今までにないスキルセットを束ねて進む
一般にRIAプロジェクトは難しいとはよく言われます。その理由は従来プロジェクト以上に、 RIAプロジェクトが「総合的プロジェクト」に近いからだと思われます。従来型を「ハードウェアとソフトウェアの詳細仕様に長けた開発者で進められるもの」と考えると、RIA型の場合、そこに「仕様書の存在しない人間」という要素が加わります。技術動向やプログラミング・スキル以上に、「人間」の動作に対する造詣の深さが求められるのです。
人間の「感情」や「感覚」や「クセ」を正しく想定し、それらを見据えながら、目的とする動作に導く「設計」をし、「実装」していく必要がRIAプロジェクトにはあります。そこには様々なスキルが求められることになります。もしかしたら、音楽が有効な実装手段かもしれないですし、心地良く動くボタンやアニメーションが鍵となる場合もあります。それはつまり、「音楽を熟知している開発者」や「アニメーション制作に長けた開発者」が、データベース開発者と一緒にプロジェクトを過ごすことを意味します。
システム開発の歴史は、理論や合理性が最重要視されて来たのだと思いますが、そこに「感性」という主観的ともいえる評価軸が加わることになります。ようやくシステム開発のプロセスが一般的に固まってきた状況で、この新しい軸は明らかに「異物」です。異物が混じると何かしら衝突が起こります。RIAプロジェクトは、実装などの技術面だけでなく、様々な問題を抱えながら進みがちになります。
そして、そうした混乱は開発サイドだけではなく、クライアント(発注)サイドにも存在します。ユーザーを惹きつける仕掛けを、企画書や仕様書から想像して発注をかけることになります。それは非常に高度なスキルですし、誤解や思い込みも高い頻度で入り込みます。
更に、ユーザーの気持ちまでを想定すると、開発者自身も「作ってみないと分からない」という部分が発生します。つまり、ある程度の試行錯誤がどうしても発生し、その試作の精度もある程度求められる(=コストがかかる)ことも多々あります。
RIAプロジェクトのマネージメントは、こうした様々な課題を解決しつつ、プロジェクト全体を進めていかなければなりません。
近年よく「体験(XP:Experience)」という言葉が使われますが、ユーザーに心地良い体験をして頂くには、生半可な体制では叶いません。技術面だけではなく、「感性」まで配慮できる開発体制(自社だけでできない場合はパートナー)作りが必須となっています。
この記事は、RIAコンソーシアムが発行した『RIAシステム 構築ガイド Essential 2007』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです。※掲載されている内容は2007年5月発行時点のデータに基づいています。
RIAコンソーシアムの活動記録とも言える本ガイドは、RIAの普及促進、開発に関するガイドライン、課題解決などについて、マネージメント、ユーザーインタフェース、テクノロジーの3つの視点からみた、それぞれのテーマについてまとめています。
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