居酒屋明日のモバイルほろ酔い語り

AjaxとFlash Liteでどう変わる? “10年目のケータイUI”のこれから- 明日のモバイルほろ酔い語り

今回のテーマは「iモード誕生10周年」

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居酒屋明日のモバイルほろ酔い語り

ここは、東京下町のとある居酒屋。板だけ載せた酒瓶ケースの上に、ずらりと焼鳥やもつ煮を並べ、路上で立ち飲みが基本の店だ。気さくなおかみさんが、手作りの肴を振る舞ってくれ、深夜までずっと賑わっている。

そんな気取らない店に、IT系勤務のホットなやつらが夜な夜なつどって業界の噂話に花を咲かせ、ときには激高しときには愚痴をこぼし、ときには成功を喜び合う……。店内では、聞き逃せないような最新情報、そしてモバイルの未来に関わるような貴重なアイデアが飛び交っているのだ。

今日も、おもしろそうな会話が耳に飛び込んできたようだ。

文、写真:清水亮(ユビキタスエンターテインメント)

今回のテーマは「iモード誕生10周年」。古くから知ってる業界の仲間が集まって、ケータイのUIについてカンカンガクガクあるいはワイワイガヤガヤと語り合いました。

登場人物

筆者

筆者=ケータイ公式サイトを多数開発した経験を経てユビキタスエンターテインメント(UEI)を設立。先日発表されたZEKE CMS 4.0、およびOdette Solutionでは、ケータイAjax、Flash Liteに対応したケータイサイトの構築と運用をサポートしている。
Y氏=ケータイ業界10年選手。ゲームメーカー、着メロサイトのプロデューサーを経て、現在はテレビ局のケータイ事業部勤務という異色の経歴の持ち主。
K氏=こちらもケータイ業界10年選手。やはりゲームメーカー出身でその後、端末メーカーを経て現在はケータイ電話キャリアに勤務。話題の中心的存在。

AjaxとFlash Liteでどう変わる?
“10年目のケータイUI”のこれから

■iモードが生まれて10周年になりました

居酒屋明日のモバイルほろ酔い語り「海鮮炭火七輪焼 夢や」
筆者

「いやあ今日はみなさん、そうそうたる顔ぶれにお集まりいただきまして…」

Y氏「ほんとそうだよ。なんで呼ばれてんのかわかんないけど(笑)」

K氏「え、飲み会じゃないの?」

筆者

「いや、飲み会ですよ。飲みながら10年間を振り返ろうとね…」

Y氏「そんなこと言ってまたどっかのネタにする気だよこの人」

K氏「じゃ今日は清水君の驕りってこと? そういうこと?」

筆者

「えーっ…(原稿料でここの払い、賄えるかなあ…)」

Y氏「あ、困ってる困ってる」

K氏「清水君ももうシャチョーさんなんだからさあ、もっと大きく構えないと」

Y氏「じゃ、今日は清水サンのオゴリで」

筆者

「えー、わかりましたよ。今日は僕が持ちますよ」

Y氏「よっしゃ。10年おつかれさま!」

K氏「カンパーイ!」

■ケータイ業界人のキャリアパス

筆者

「いやー、今日はこの10年を振り返ろうっていう主旨なんですけど」

Y氏「10年っていえばさ、iモード10周年記念パーティ、凄く楽しみにしてたのに、直前でインフルエンザのため中止って、あれはないよね」

K氏「ほんとだよ。僕、いま違うキャリアに勤めてるけど、二次会だけ勝手にとりまとめちゃったよ」

筆者

「Kさん偉いですよね」

Y氏「Kさんもだけど、CP(コンテンツプロバイダ)出身でキャリア行った人、結構多いよね」

K氏「いや、そうかな? 意外と少ないと思うけど。Yさんも清水さんも別に行きたきゃ行けるけど、給料安いから行かないわけでしょ?」

筆者

「いや、さすがにそんなことは…」

Y氏「ま、ぶっちゃけ給料は安そうですよね」

K氏「ほんとだよ。メーカーに居た頃なんか…。ま、そんなこと言ってもしょうがないからなー」

筆者

「まあでもキャリアさんとしても、古くからやっているところはそもそもインターネットとかが普及するずっと前からあるわけですから、たいていの人はコンテンツとか言われてもピンと来ないでしょうね」

Y氏「そうそう。だからCP出身の人っていうのは重宝されるんだと思うよ」

K氏「そんなことないよー。まあポケベルとかの時代からあるような会社は、偉い人がそもそもネットとかコンテンツとかわかってなくて苦労するっていう話は聞くけどね」

筆者

「僕もなんか地方巡業とかいろいろやったなあ」

Y氏「やったねやったね。みんなでツアー組んでね。北は北海道から南は九州まで」

K氏「特にJavaとか出てきたあたりなんか、キャリアのなかでもわかってない人のほうが多かったからね」

筆者

「キャリアの各地方支社に出向いてJavaによってケータイがどう進化するか、説明する仕事はかなりやりましたね。金にならなかったけど」

Y氏「何言ってんの? それで地方とパイプを作ってヨロシクやってたじゃん」

K氏「まあ、あの頃はみんなゲリラ的になんでもやってたよね」

■モノクロ2値と文字だけでどこまでUIを作り込めるか

筆者

「まあJavaがケータイに乗ったのが2001年の1月だから、2000年あたりですね。そういうことしてたのは」

Y氏「Javaが乗る前のほうがおもしろかったよね」

K氏「うん。おれも実はそう思ってた。なんにもできないのが逆に良いんだよね」

筆者

「99年の一番最初のときってのは、モノクロ2値で、文字もほとんど出せなかったから、そこでなにかゲームを作るというのは、とてつもない難問でしたね」

Y氏「みんな頑張ってたよね。クイズとか釣りとか」

K氏「某恋愛シミュレーションゲームを丸ごと移植した人が居たよね。モノクロ二値なのに、完璧に動いてる」

筆者

「あれはよくできてましたね」

Y氏「ま、パケ死確実でしたけどね」

K氏「パケ死! 懐かしい

筆者

「あの頃はパケット課金だから画像とか載せると遅いだけじゃなくて無駄に通信費がかかってユーザーに迷惑をかけてしまってたんですよね」

Y氏「だから画像も5回に1回しか表示しないとか、最初の1回だけは表示してあとは文字だけで想像してもらうとか」

K氏「そうそう。今思うとすごく不毛なんだけど、アノ頃は大事だったね」

筆者

アクセスキーはあの頃から大事でしたね

K氏「ユーザーがいかにストレスを感じずにゲームに熱中できるかって凄く真剣に考えてたな」

Y氏「Kさんが作った奴だと思うけど、クイズゲームで回答ボタンを押すと読み込みがかかって、次のページ行くと答え合わせ、で“次へ”ってボタンを押すと実はそれがページ内リンクになってて即座に次の問題が表示されるようになってたんだよね」

筆者

「そうそう、あれは“ヤラレタ”と思った」

K氏「魚が釣れるとバイブが震える奴もあったじゃん」

Y氏「アプリがないからメールの着信でバイブを起動してんだよね」

筆者

「まあそういうのもありました」

Y氏「とにかく、アノ頃はみんなそういう、涙ぐましい工夫というか努力と根性で頭ひねってたよね」

K氏「毎日そんな感じで、あの頃が一番楽しかったな。どっかの人が毎日、新聞を更新するから真似する会社も出てくるし」

筆者

「どこの誰ですかねえ」

Y氏「おまえだろ。あのせいでうちも新聞書くとかいって無駄に仕事増えて大変だったんだからな」

K氏「そうだ。責任とれ。よし、ボトル入れよう。シャンパン」

筆者

「えーっ」

用語集
Ajax / CP / CSS / Flash Lite / HTML / Java / JavaScript / SEO / SaaS / Web 2.0 / Webブラウザ / iPhone / キャリア / クロール / ケータイ / ダウンロード / マーケティング / モバイル / リンク / 携帯電話

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