プロジェクトのスタート――プロジェクトの裏に見え隠れする国分寺の思惑/【小説】CMS導入奮闘記#7
コラムプロジェクト管理の重要性
CMS導入プロジェクトにおいて、企業担当者の負荷は小さくない。CMSの選定や業者選定をしている際には、なかなかわからないが、実際に大変なのはプロジェクトがスタートしてからである。
担当者の方におすすめしたいのは、プロジェクトが始まる前に「プロジェクト管理」を少しでも学ぶことだ。プロジェクト管理は、制作側だけに有効なスキルではなく、発注をする側にとっても重要なスキルと考え方だ。
多くの制作会社は独自のプロジェクト管理手法を持っているケースがあるが、それに合わせる必要はない。おすすめするのは、世界標準のプロジェクト管理手法である「PMBOK(ピンボック)」の学習だ。
PMBOKは、米国の非営利団体であるPMI(Project Management Institute)が策定する、「A Guide to the Project Management Body of Knowledge(プロジェクト管理知識体系)」の略。4年に一度改定する書籍にまとめられ、事実上プロジェクト管理の標準として世界中で受け入れられている。
PMBOKでは、プロジェクト管理を「スコープ(作業範囲)」「時間」「コスト」「品質」「人的資源」「コミュニケーション」「リスク」「調達」「統合管理」の9つの知識エリアに分け、それらは「立ち上げ」「計画」「実行」「監視とコントロール」「終結」という5つに分類して管理する。
CMS導入は簡単ではない。RFPによって決定されたスコープ、潤沢な予算とスケジュール、最適なCMSの選定、これらの前提条件が揃っていても経験とプロジェクト能力が足りなければCMS導入は失敗する。制作会社のプロジェクト管理能力が足りなかったとしてもプロジェクトが失敗して困るのは企業担当者も同じだ。プロジェクト管理の能力が制作側、企業側双方にきちんと備わっていれば、CMS導入のプロジェクトは成功にかなり近づくだろう。
PMIはPMBOKに準拠した国際的な認定制度「PMP(Project Management Professional)」を展開しており、日本でもPMP取得者が年々増加している。我こそはと思う方はぜひ勉強をしてみるといいだろう。
参考書籍:『Webプロジェクトマネジメント標準』
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