SEOのやりすぎにはご用心
ぼくがSEO業界に入りたての数年間に訪れたサイトのうち半数は、フォーラムやEメールを通じて知り合った業界仲間がやっていたサイトだった。でも、そうしたサイトの多くは、今ならきっと「最適化のやりすぎ」と言われそうなものだった。そうしたサイトにはだいたい、次のような特徴があった。
- すべてのページのtitle要素には、これでもかとキーワードの数々が詰め込まれている
- URLは、長ったらしく、キーワードだらけでごちゃごちゃしている
- ページには、訪問者に対する配慮のまったくない「SEO化」されたコンテンツが満載
- 良質な「人の手による」リンクは1つとしてない被リンクの数々
SEOの担い手としての僕らの仕事は、人々に(検索エンジンの検索クエリを通じて)見たいと思わせるすごい物を作り、それを最適な方法でマーケティングできれば最高だ。でも(「SEO」と呼ぶことさえおこがましい最低のクズは論外としても)こんなひどいものもある。
この類の「SEO」と業界のベストプラクティスとの間には測り知れないほどのギャップが存在している。にもかかわらず、個々の提案や変更は非常に微妙なものなので、ちょっとやりすぎてしまうことが多いのも、驚くことではない。SEOを始めるにあたっては、どのみち次のような経過をたどるはずだ。
第1週検索が凄まじいトラフィックを生むという分析結果に気づき、キーワードを増やすことで、metaタグの最適化に着手する(だって、SEOとはそういうものだと聞いたから)。
第2週そうした変更ではまったく効果がなかったと気付き、SEOについての情報を仕入れ始める。
第3週いくつかの(おそらく最良のものとは限らない)SEOリソースを自分流に解釈して、重要だと耳にしたタグに自分のキーワードをたっぷり埋め込んだり、サイト内リンクもキーワードで満たされるように手を加えたり、すべてのページ上の考えられる限りのタグと場所にさらにキーワードを配置したりなどして「最適化」を始めるが、たぶんそれだけにとどまらず、検索順位トップ10ページの平均キーワード密度に相当するくらいの、呆れた基準を目指してさらなる最適化に取り掛かる。
第4週検索順位がいくらか上昇するのを目にして、自分に都合のいい部分だけに目が向いてしまい、「この戦略はうまくいったので繰り返すべきだ」と自分自身に言い聞かせてしまう。
第5週~第20週SEOに悩み苦しんだ挙句やがて諦めてしまうか、多くの、あるいは大半のページがペナルティの対象となるものの、ほんの一部で順位が維持されるような、どれも粗悪なリンク処理のせいで、ずるずると端っこに追いやられていく。
このパターン(あるいは類似の変化形)は、たまたまSEOの世界に飛び込んでしまった人々から聞いた話の9割方に当てはまる。
でも正直なところ、こういう人々を責めるのは酷だ。検索エンジンは、興味をそそりはするけれど十分満足とはいえない程度の情報しかウェブマスターに提供していない。検索順位の上位にいるサイトやページでは、実際かなりスパム的なSEO戦略を採用していることも多いので、競合相手の成功(といってもたぶん一時的なものに過ぎないだろうけれど)を分析することでSEOを学ぼうとしても難しくなっている。
ソーシャルもやってます!