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検索エンジンはSERPの質を高めたいならソーシャルメディアのエントリーを減らすべき?

検索エンジンは、検索結果ページ(SERP)に、ソーシャルブックマークやソーシャルメディアを表示するべきなのだろうか、それとも、ソーシャルメディアのページはSERPでは上位に表示せず、その先の本物のページを上位に表示するべきなのだろうか。

どちらが、検索エンジンにとってやりやすい仕組みで、どちらがユーザーの検索体験を向上するのだろうか。

米国ではDiggが、日本でははてなブックマークやnewsingなどが、強力なソーシャルメディアとして存在する。こういったサイトの検索エンジンでの扱いについて、リンクベイトの側面から考えてみた。

※Web担編注

Diggは米国で大人気のソーシャルニュースのサービス。日本でいうとnewsingなどに相当する。はてなブックマークのようなソーシャルブックマークに近いものでもある。

これまでに、ちょっとしたウェブサイトをDiggでものすごい人気サイトに仕立て上げたことがある人なら、この記事は身に覚えのある話かもしれないわね。あるサイトがDiggで大人気になってから何か月も経って(私の場合は7か月だったわ)、Diggからの参照が先細りになってほとんどなくなりそうなのに、それでも一定のペースでDigg経由でサイトに来る人がいるの。サイトソーシャルメディアからトラフィックを得るのは見慣れちゃっていると、こういう状況について深く考えることはあまりないわよね。

でも、ある時ふと思ったの。この人たちは、「果てしなきアーカイブ」とも呼ぶべきDiggの迷宮の中から、どうやってこのサイトを見つけ出していたんだろうかと。こんなアーカイブページの深い場所から、みんなは一体どうやって私が仕掛けたリンクベイトを探し出したんだろう? アーカイブページの内容なんて絶えず変化してるのに。読み込むのに時間がかかる273ページものアーカイブを、本当にクリックしながらたどって私がdiggしたサイトを見つけ、さらにその上、リンクをクリックしてくれたのかしら?

実際のところ、Diggのアーカイブを経由してきたトラフィックの大半が、本当にDiggの中で見つけ出してやってきたものだとは思えないのよね。まず検索エンジンからスタートしたって人が多いはずだわ。

私は最初この点について、全部Googleのせいにしていた。いくつかの検索フレーズで、Diggのページが必ず検索結果の上位に入っていたからよ。検索結果表示ページ(SERP)にDiggのエントリーが表示されるなんて、実際のウェブサイトが表示されるのとは大違いだと思うわ。だって、あるページを探したかったのに、そのページじゃなくてDiggのエントリーが表示されたらがっかりでしょ? 他人を傷つけるようなコメントや卑猥なダジャレ、ひどい誤解なんかをいろんな人が書き込んでいて、嫌な思いをすることもあるわ。でも、すぐれたリンクベイトに関連する特定のフレーズで検索するとき、検索エンジンがDiggのページだけを表示してくれたら、おそらく最高に幸せを感じるでしょうね。

Googleの検索結果には、今でもDiggのページが顔を出すけど、前よりもましになってると思うわ。かつてのGoogleは、SERPがDiggだらけでひどいものだったの。検索する側にとっては大した問題じゃないけど(さっきは文句たらたらだったのにね)、サイトに労力を注いで、ソーシャルメディアで人気を博したウェブマスターや作者にしてみれば、Diggのせいで検索結果の上位から追い出されるなんて堪らないわよね。単純に構造が異なるせいで、Diggのアーカイブは、Redditよりも頻繁にインデックス化とランク評価を受けるみたい。だから、SERPでRedditのエントリーを見かけることが少ないのよ。

でも、問題はYahoo!。私がYahoo!を使っている時間はまださほど長くないけど(今3大検索エンジンを同じくらいの割合で利用するよう鋭意努力中。そうすれば優秀なSEOになれると思うから)、私の仕掛けた、あるリンクベイトのページが、Yahoo!では上位に来てないの。Diggのエントリーの方はこんな上位に入っているのに。Yahoo!ったら何やってんのかしら? 車のバックミラーやサイドミラーに映ったおもしろそうなものの画像を見たい人にとっては、余計なリンクが1つ増えただけよ。

それに比べて今のGoogleでは、私のページのURLがちゃんと上位に出てくるわ。古いDiggのエントリーは、もう誰も見る必要なしってことがわかってるみたいにね。

MicrosoftのLive.comでは、Diggにも私のサイトにも心を動かされなかったみたい。おかしな言い方かもしれないけど、それならそれでいいんじゃないかと思ってる。だって、私のくだらない写真を登録したDiggのエントリーが検索結果の上位に入ってるのを見るよりは、まったく入ってないほうがマシだと思う。

余談だけど、やろうと思えばこのリンクベイトにはずっとたくさんのリンクを、もっと積極的に集めることもできたのよ。でも、この実験に関しては、特にこのベイトの持つアマチュア的な「遊び心」という側面が大事だったの。Diggが持っている影響力やオーソリティを考えると、リンク構築のための取り組みなんて全然しなかったのに、GoogleがDiggのエントリーよりも元記事のページを今でも重要視しているのはすごいわ。

そうそう、そのページを投稿するのに使用していたDiggのアカウントは、もう削除しちゃったことも言っておかなきゃ。おかしなDiggユーザーたちが私のことを名前で呼び始めたから、そろそろ商売用に作っておいた別アカウントの1つを使い始める頃合いかしらね。

だれかこの変化に気づいた人がほかにいるかどうかはわからないけど、2~3か月前と比べると、Googleの検索にDiggのエントリーが表示されることは、確かに少なくなっているわ。いろんなアクセス解析の結果を見ても、Diggの大昔の人気エントリーのアーカイブページからのリファラーの数がものすごく減っていることからも、間違いなさそうよ。それに代わってちょっぴり増えたのが、リンクベイトに関連したキーワードでやってくるGoogleからのトラフィック。きっと、GoogleからDiggの方に飛んでいった人は、私のサイトには来ないことが多いんでしょうね。

これではっきりしたのは、インターネットに対する見方やユーザーが検索するときに何を求めているかという理解に関して、Googleがすばらしく良くなったことだと思う。

小規模なリンクベイトに合致するロングテール検索を行うユーザーがいるとして、そこに返す検索結果を作るには、Diggをクロールしてそのアーカイブを表示する方がよっぽど簡単なはず。でも、「簡単にできること」と「やる価値があること」は一致しないのが普通よね。それに、さっきも言ったけど、Diggのエントリーなんて「余計なリンク」なのよ。でも、最高の検索エンジンでいるってことは、結局のところ、最良の検索結果を提供するということだわ。

トラフィックがSERPを通じてまた戻ってくるにせよ、他のウェブサイトにとどまるにせよ、Google(あるいは他の検索エンジン)がこういった余計なリンクをなくすことができれば、ユーザーは検索体験が改善したと実感できるはず。そうすれば、私のコンテンツも引き続きDiggのエントリーより上位の検索順位をキープできて、私はリンクベイト屋としてハッピーになれるってわけ。

用語集
SEO / SERP / アクセス解析 / インデックス / クロール / ソーシャルメディア / リンク / リンクベイト / 検索エンジン / 検索品質
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