「EC4タイプ理論のタイプ診断ツール」で店のタイプを正しく把握する | 売れるネットショップの法則9
商品ジャンルだけではタイプ分けできない
まったく同じ商品を扱っていたとしても、店舗コンセプトによってまったく違う店になる場合もある。EC4タイプ理論はあくまで「成功と失敗のパターン」を示すものなので、慣れてきたら、適宜応用を利かせて判断してほしい。
この章で紹介してきた「EC4タイプ理論」は、複雑なネットショップの運営を分かりやすく説明するために、商品ジャンルを例に挙げながらタイプ分類を説明しているが、厳密には、商品ジャンルだけでは単純に分類できない。
例えば同じ家電販売でも、ヤマダ電機とジャパネットたかたとアップルストアではかなり違う。同様に「日本酒の蔵元による直営店」と「ディスカウント酒屋(有名ブランド品が中心)」、「単品通販のやずや」と「総合的な品揃えのファンケル」、パソコンでも「ソニースタイルのようなメーカーによる自社商品の直販サイト」「安売りの家電量販店」「ニッチな自作パーツ専門店」ではまったく違う。取扱商品だけで、所属タイプを安易に理解しないよう注意してほしい。
さらに、1つのタイプにはっきり当てはまるとも限らない。例えば「サッカー専門店」はニッチタイプ寄りだが、実はアディダスなど人気ブランド商品の知名度が高く、価格競争も激しいため、有名ブランドタイプの側面も持つ。
無料診断ツールで、自店舗のタイプを知る
以上のような問題があるので、本書の読者のために「タイプ診断ツール」を用意した。自分がどこのタイプに所属するか分からないときは、タイプ診断ツールで確認してみよう。
設問に答えて、自分に当てはまるかどうかを入力すると、最終的にどのタイプが最も当てはまるか、次にどれに当てはまるかが表示される。知人にネットショップ運営者がいれば、互いの結果を見せ合うのも面白いだろう。異業種から学べるヒントも多いものだ。
次の章からは3大施策の「集客」「接客」「追客」を順番に説明していく。これまでの説明してきた「店舗タイプごとの特徴」を踏まえて、自分の店舗にとってどれを優先すべきか、どうアレンジして実践すべきか、よく考え、周りと話し合いながら読み進めてほしい。
「タイプ診断ツール」の使い方
まず、ネットショップ販促情報サイト「ECユニオン」で会員登録を行う(無料)。無料診断コーナーで36個の質問に答えると、EC4タイプ理論に基づいた診断結果が表示される。
ネットショップの勉強会などで、店長同士が会話する風景をよく目にします。そのときに双方の話す内容を聞いてみると、会話が噛み合っていないことが多いのです。例えば食品を扱う店の店長が「メルマガによる集客効果が高い」という話をすると、それを聞いた仏具店の店長が「自分のところではメルマガなど出したことがない」と言って驚くといった具合です。
食品は「時間限定!」や「テレビで大人気!」といった内容で衝動買いさせるのが有効で、人気商品ともなれば即完売することもあります。しかし、仏壇を売るのに「残りあと1台」といった見出しを付けたところで、アパレルショップのバーゲンのようには売れません。むしろお盆などのイベントと絡めて、盆提灯などと一緒に提案するのが有効でしょう。
他のジャンルの商品を扱う店の人と話すときは、まず互いのジャンル特性について語ってみてください。「ウチのジャンルでは今○○するのが流行ってるみたいですが、×○ジャンルでは最近どうですか?」といった具合です。そうすると、自分の知らない世界の販促手法が身に付きますよ。(坂本)
- 売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
- 坂本悟史 (@CommerceDesign)
川村トモエ (@cd_kawamura) 著 - ISBN: 978-4-8443-2837-7
- 発行: インプレスジャパン
- 電子書籍版はBookGateアプリでダウンロード購入可能。iPad/iPhoneにBookGateアプリをインストールしたら、アプリを起動して、「ストア」の「本一覧」→「出版社」→「インプレスジャパン」から。
- 筆者の所属するコマースデザイン株式会社のページ
※この記事は、書籍『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。
ネットショップでモノが売れない、なぜ?
資金力ではありません。やり方が違うんです。
「商品タイプ別」のネットショップ開業・運営ノウハウとは?
例えば、剣道用品のような「ニッチ商品」と、無名の自社ブランド商品、価格競争の激しい有名メーカー品では、有効な「売り方」はまったく違います。
本書では、取扱商品を4タイプに分類し、各タイプの強みを生かした集客・ページ接客・リピート促進手法を紹介します。
【自分の店の強み】を知れば、混乱していた頭もすっきりし、優先順位が明確になり、それまで空回りだった歯車も噛み合います。
事実、多くのネットショップ店長からそんなコメントを頂いています。
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