Kloutスコア：あなたのソーシャルメディア上の影響力がわかる決定版指標

TwitterやFacebookなどのアカウントの、ソーシャルメディア上の影響力を示す指標「Kloutスコア」

福田浩至（ループス・コミュニケーションズ） 2011/5/24 8:00 マーケティング／広告 | 解説／ノウハウ

孫さん、ガチャピン、レディー・ガガ、だれが一番影響力がある？

唐突ですが、クイズです。孫正義さんと、ガチャピンと、レディー・ガガの3人、ソーシャルメディア上で影響力が強いのはだれでしょうか？

その答は簡単ではないのですが、ソーシャルメディア上で影響力を示す1つの指標として、Kloutスコア（クラウトスコア）があります。各アカウントを見てみると、次のようになります。各画面の左上に表示されている大きな数字が、そのアカウントのスコアです。

※いずれも2011年5月18日編集部調べ

孫正義さん ―― 87点
ガチャピン ―― 79点
レディー・ガガ ―― 93点

この記事では、TwitterやFacebookなどのアカウントの、ソーシャルメディア上の影響力をアカウントごとに示す指標「Kloutスコア」について解説します。

重要性を増す個人のインフルエンス（影響）力

震災のときに、こんな記事がありました。

「『福島の子どもたちを助けて！』とTwitterでつぶやいてください」福島県の小学校教員の訴え

インターネット新聞の日刊ベリタに4月27日付けで掲載されたこの記事は、ツイッター上で5月18日までに約6000件のバイラル（上記のURLを含むツイート）を発生させました（Topsyにて調査）。その記事内容に共感した方々がTwitterでURLをツイートしていったのですが、ソフトバンクの孫社長もその一人です。

この記事のことを、他の人のツイートで知った孫社長（@masason）は、コメントをつけて、そのURLを2回ツイートしています。

これらが投稿されたのは4月29日の夕方と深夜。4月30日深夜までの1日少しの間にこれらの発言がリツイートされた件数は、公式リツイートのみで1,500件に及びます。現在、110万人を越えるフォロワーをもつ@masasonアカウントです。相当の影響力が伺えます。逆に、孫社長が取り上げなければ、ここまでバイラルを起こすこともなかったでしょう。その後、実際にグラウンドの土を削り取る措置が実施されましたが、このことも少なからず影響があったのではないでしょうか？

ネット上で影響力の強い人をインフルエンサーと称します。インフルエンサーたちが企業ブランド、製品、サービスなどについてポジティブな意見を述べてくれれば、好ましい評判が一層高まります。逆にネガティブな発言をされれば、たちまち「炎上事件」に発展してしまいます。ソーシャルメディアが広く普及したいま、企業活動においても、インフルエンサーの存在を考慮して行動することが求められています。

とはいうものの、孫社長のような著名人であればその影響力も自明ですが、一般生活者の影響力は、直ちに判断がつきません。Twitterにおいては、フォロワー数の大小がインフルエンス力に関係があることが考えられます。しかし、単純にフォロワー数だけで測れるものでもありません。いくらフォロワーが多くても「そのアカウントが休止していたり、発言を読まないアカウントだったいるす場合」などは、インフルエンス力を高めることはありません。

ソーシャルメディアアカウントの影響力というものは、より多面的な要素を加味しなければ、測ることはできないのです。そのため、インフルエンス力を数値化して、一目で把握できるサービスが注目されています。その代表格がKloutスコアです。

自分のKloutスコアを調べてみましょう

Kloutスコアは、「ソーシャルメィア・アカウントのネット上での影響力」を定量化する手法です。ソーシャルメディアといっても現時点では、Twitterアカウントを中心に、Facebookの情報を加えて評価しています。

実際にTwitterアカウントをお持ちの方であれば、簡単に自分のKloutスコアを知ることが出来ます。現時点では画面はすべて英語ですが、特に難しいことはありません。やってみましょう。

まず、Kloutのウエブページを表示します。
- http://www.klout.com/
  ※少し前までは、βバージョンと正式バーションを選択できていましたが、現在は、βバージョンにリダイレクトされるようになっています。
青い［Use yours now］をクリックすると、次のTwitterのアプリケーション認証の画面が表示されます。
ツイッターのアプリケーション認証画面が表示されますので、ここで、Twitterにログインします。
Twitterにログインし、Klout.comがあなたのTwitterアカウントを利用するための認証を完了すると、Kloutスコアのページに戻り、あなたのKloutスコアを示す画面が表示されます。Kloutスコアは、1から100の整数で表示されます。私の場合は45となりました。ただし、これは、Twitterアカウントの影響力だけを評価したKloutスコアです。
次に、Facebookの影響力データも取り込みましょう。右上のFacebookのアイコン（グレーアウト状態）をクリックすると、Facebookのログイン画面が表示されます。
Twitterの場合と同様に、自分のFacebookアカウントにログインします。
これで、TwitterとFacebookのアカウントの影響度を示すKloutスコアが表示されます。私の場合は49となりました。

これだけの操作で、Kloutスコアは誰でも求めることが出来ます。

あなたのアカウントでKloutスコアを表示した画面の見方を説明しておきましょう。

SCORE ANALYSISメニュー
- Score Analysis ―― 総合スコア
- Network Influence、Amplification Probability、True Reach ―― それぞれの観点でのスコア（詳しくは後述）
INFLUENCERSメニュー ―― そのアカウントが影響を与えている他のアカウント情報
KLOUT STYLEメニュー ―― 数値によるスコアではなく、ソーシャル上の行動や影響のパターンによるカテゴリ分け（マッピング）
ACHIEVEMENTS ―― どれくらいソーシャル上での成果を得たことがあるか。「合計○○件リツイートされた」「リツイートした人の数が○○人」「言及した人の数が○○人」などがある

また、一度上記の手順でKloutのサイトを利用すると、他人のKloutスコアも確認できるようになります。たとえば、冒頭の3者のKloutスコアは次のURLで確認できます。

※以下のリンクはKloutにログインしなければ見られません

すでに7,500万件のアカウントがKloutスコアを利用しており、APIを利用するデベロッパーも2000を超える規模にまで広がっています。また、TwitterとFacebook以外にも、LinkedInとFoursquareが近々対応を予定しているようです。