もしも、「NTTドコモ」を解析するなら(上)[第34回]
誰もが知っている有名サイトをエキスパートレビューしながら、「もし、アクセス解析するなら」どのポイントに着目するかを第三者的な視点から解説。アクセス解析を用いてサイトの改善を行うための仮説構築力を身につけて、自社サイト、クライアントサイトをアクセス解析する際に役立ててほしい。
木曜9時は「かってに解析!」ということで、毎週木曜日連載の「有名サイト、かってに解析!」では、有名サイトを取り上げ、アクセス解析で実際に解析データを見る前に、あらかじめサイトの問題点やチェックポイントにあたりをつける方法を解説していく。
今回は「NTTドコモ」のWebサイトを取り上げる。NTTドコモがどういう会社かについては、改めて説明する必要もないだろう。携帯電話を中心とした無線通信サービス事業を営む日本国内最大手の通信企業である。NTTドコモの正式な社名表記は「株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ」だが、自社Webサイトをはじめ、対外的には「NTTドコモ」という表記を使っている(以下、本稿において、カギかっこ付きで「NTTドコモ」と書くときは、会社名ではなくサイト名を指す。他のサイト、企業も同様)。
筆者は、携帯電話業界や無線通信業界の会社やサイトが直面している課題や戦略・戦術を十分に理解しているわけでもない。あくまでもどのような点に着目したらよいのかを重視して読んでいってほしい。
「NTTドコモ」の閲覧シチュエーションを想定
さて、最初はいつものように、サイト利用シナリオを想定しよう。今回の閲覧シチュエーションは以下のとおりだ。
誰が | 既存のフィーチャーフォンを個人契約で利用している人(フィーチャーフォンとは、スマートフォンでない従来型の携帯電話機を指す。「ガラパゴスケータイ」「ガラケー」などと呼ばれることもある) |
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何の目的で | スマートフォンに機種変更するための事前調査 |
事前調査の中身だが、具体的には、
- iモードの携帯メールは、継続して利用したい
- 通話については、自分からはほとんど掛けない。おもに掛かってきた電話を取るだけの利用を想定
- インターネットもそれほど利用しないが、必要に応じてどこでも利用できるようにしておきたい
という条件で、
- 自分に適した機種を探す
- 自分に適した料金体系を探す
という2つのタスクをサイトで行う。
「NTTドコモ」をエキスパートレビュー!
まずはキーワード「NTTドコモ」で検索する
まず検索エンジンで検索して、そこから「NTTドコモ」のトップページへ行こう(図1)。検索キーワードは「ドコモ」でも「NTTドコモ」でも、「NTTドコモ」のサイトが1位に表示される(2011年9月13日現在)。
トップページの上部にあるグローバルナビゲーションだが、会社を調べている人に対しては「企業情報」、既存顧客向けには「お客様サポート」、新規顧客向けには「製品」「サービス・機能」「料金・割引」といったグローバルナビゲーションになっており、わかりやすい。
相対的には多くないと思われる法人顧客向けのリンクは、グローバルナビゲーションにはないが、ページの右側に独立して「法人のお客様へ」というリンクが配置されている(図1の赤枠で囲んだ部分)。
メインビジュアルの下の「おススメコンテンツ」の下に「目的から探す」というグルーピングのコンテンツ群がまとまっているのはよいが(図1の緑枠で囲んだ部分)、結論から言うと、今回の閲覧シチュエーションで設定した複雑なシナリオに対しては、結果的にスムーズな閲覧の流れの役に立ったかは疑問となった。
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