初代編集長ブログ―安田英久

なぜ書くの?「この物語はフィクションです」の意味や実際にあったトラブル

「この作品(話・番組・動画)はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。」この注意書きは何のためにあるのか。一見なくても当たり前のように見えるテンプレ説明だが、記載しておけばクレームなど無用のトラブルを避けることができる。法律での決まりやルールはないが自主的に入れておいて損はないだろう。
Web担のなかの人

今日は、ちょっとした小ネタを。漫画やドラマでは「この漫画(ドラマ)はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。」と注意書きされていることが多いのですが、これは何のために入れているものか、ご存じでしょうか?

Web担ではWebマーケッター瞳僕と彼女と著作権Webのコト、教えてホシイの!エレキテルLPOWeb担当者三ノ宮純二など漫画記事を多く掲載していますが、

この漫画はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。

といった注意書きはしていませんでした。他の漫画やドラマでは、なぜこの「書かなくてもそりゃ当たり前だよね」とも思える記載をしているのか気になったので、調べ(てもらい)ました。


結論としては、法律で決まっているものやルールではないが、

  • 偶然に名前などが一致した場合のトラブルを避けるため
  • おかしな勘違いをする人や常識が通用しない人への対策

という意味で自主的に入れている注意書きのようです。


というのも、こうした記載を入れる前は、(主にテレビドラマですが)次のようなことがあったということなのです。

  • ドラマに出てくる暴力団の名前が、実存する企業と同じ名前だったことから、クレームがついた

  • 不良漫画の舞台となっている学校の名前が実存する学校や生徒の名前を使っていてクレームとなった。

  • 現実と架空の区別がつかず、「勝手に自分をモデルにしている」「これは自分のことだ」と文句を言ってくる人がいた。

  • ドラマに登場する悪役と自分が同姓同名のため迷惑をうけたとクレームがついた。

  • 悪役と同じ名前がもとで子どもがいじめにあうとしてクレームがついた

    本作が放送され始めてから間もなく、神戸市に在住していた「ドルゲ」姓のドイツ人音楽講師が、「『バロム・1』 に出てくるドルゲがもとで息子がいじめられるかも知れない」として放送局に抗議、名前使用差し止めの仮処分申請をする事件が起きた。

また、刑事ドラマなどで、実際の事件をベースにしたものの、事件そのままではなくドラマ向けに変更を加えている場合などもあり、こうした記載がされているようです。


ちなみに、テレビドラマなどでは、こうしたテロップを使った、ちょっとした遊びをしている番組もあるようです。

たとえば、テレビドラマ「時効警察」では、エンディングに出てくる「このドラマはフィクションであり、登場人物、団体名等は全て架空のものです」のテロップに、「フィクション」の「ション」にかけた駄洒落が付けられていたそうです。

たとえばこんなの。

時効警察
・第一話:くしゃみはハクションですが
・第二話:マイケルはジャクソンですが

・最終回:芳本はミッチョンですが、このドラマはフィクションであり登場人物・団体名等はベートーベンとモーツァルトとサリエリとバッハとキダ・タロー以外は架空のものです。

ほかにも、「このドラマがフィクションです」が出る部分で女優が「フィクション」とくしゃみをしたり、単純に「フィクションです」とするだけでなく、「ですが、登場人物は実在するかもしれません」としたりといったシャレを入れている場合もあるようです。


いずれにせよ、何かルールがあるわけではなさそうですね。Web担では折を見て入れていくようにしようと思います。

ただ、「Webのコト、教えてホシイの!」に関しては、実際の取材をベースにしているので、調整しなきゃいけないですが。

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