【速報】Googleアナリティクスのセグメント機能に変更あり! 変更点と注意点をいち早く解説(第39回)
Googleアナリティクスで新規セグメントを作成する機能のユーザーインタフェースが変わった。今回はそれについて解説していく。筆者の環境では、2015年1月19日くらいから新しくなったので、多くの方にも、この更新がすでに適用されているのではないだろうか。
セグメント機能の変更点:
- セグメントの分類に「共有」と「選択済み」が追加された
- 新規作成セグメントの概要をリアルタイムで確認できるようになった
- セグメントの「保存」ボタン等の位置が変更された
- 「セグメントの可用性」を変更できるようになった
順番に説明していこう。
セグメント機能の表示画面での変更点
まずレポート画面の上部にある「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックしよう。ブラウザ表示の横幅が狭い場合は、「+セグメント」はすべてのセッション(図1青枠部分)の下に並んで表示される。
「+セグメント」(図1赤枠部分)のエリアをクリックすると、図2のようなセグメントの機能が表示される。見た目はほとんど変化はないように見えるが、この画面にも変更がある。図の緑枠の部分だ。
変更1「共有」と「選択済み」の分類が追加された
この画面の左側の分類(図2緑枠部分)をクリックすると、それぞれ表示するセグメントのグループを切り替えられるのは今までと変わらないが、この分類に、昔はなかった「共有」や「選択済み」という分類が新しく追加されている(「共有」については、後でも詳しく述べることにする)。
分類 | 表示するセグメントのグループ |
---|---|
すべて | すべてのセグメント |
システム | 標準に用意されているセグメント |
カスタム | 自分で新規作成したり、他のアカウントから取り込んだりしたセグメント |
共有 | 該当ビューの「編集」権限を持つユーザー全員でセグメントを編集したり削除したりできるセグメント |
スター付き | セグメント名の左側にある☆印(図1黒枠部分)をクリックして一時的に選択したセグメント |
選択済み | 適用しようと現在選択しているセグメント |
新規セグメント作成画面での変更点
続いて左上にある「+新しいセグメント」(図2赤枠部分)をクリックして新規セグメント作成画面(図3)に移動しよう。
変更2セグメントの概要をリアルタイムで確認できるようになった
この画面の右端部分(図3赤枠部分)も、新しく追加された機能だ。この部分は、セグメントの設定内容に応じて変化し、その設定で作られたセグメント対象が全体に占める割合をリアルタイムに確認できる。
昔は下にまとめられていた各種機能のボタンの1つに「テスト」があり、全体に占める割合を確認するにはいちいちボタンをクリックする必要があったのだが、今回のリニューアルで、セグメントに設定を追加すると、そのセグメントを掛けた場合の全体に占める割合をすぐに見ることができるようになったのだ。
試しに、「ノーリファラーのセッション」をセグメントする指定をしてみよう。「トラフィック」(図4赤枠部分)をクリックして、表示される画面で「セッションのフィルタ」をクリックし、さらに参照元を「完全一致」「(direct)」と指定してみよう。設定した状態が図4だ。
画面右手に「ユーザーベースの割合」(図4青枠部分)と「セッションベースの割合」(図4緑枠部分)の2種類の数値を表示してくれる。
変更3セグメントの「保存」ボタンなどの位置が変更された
また、各種ボタンの位置にも変化があった。セグメントを新規保存するための「保存」ボタンや、今表示しているレポートにこのセグメントを適用してみる「プレビュー」ボタンなどが上部に移動(図3青枠部分)している(昔はこの画面の下部にあった)。
変更4「セグメントの可用性」を変更できるようになった
さらに右上にある「変更」ボタン(図3緑枠部分)をクリックすると、「セグメントの可用性」(セグメントの適用範囲)の指定画面(図5)がポップアップする。
この「セグメントの可用性」という表現は、今回の変更に伴って新しく導入された。「セグメントの可用性」(図5)の3区分の意味は以下のとおりだ。
すべてのビューで自分がセグメントを適用 / 編集できる(図5赤枠部分)
→ Google アナリティクスにログインしているGoogleアカウントで閲覧している「すべてのビュー」にこのセグメントを利用できるようにしたいときに選択する。標準ではこれが選択されている。
このビューで自分がセグメントを適用 / 編集できる
→ 今見ているビューだけにこのセグメントを利用できるようにしたい場合に選択する。
このビューで自分と共同編集者がセグメントを適用 / 編集できる(図5青枠部分)
今回新しく導入された区分。このビューの閲覧権限があるすべての人がこのセグメントを利用できるようになり、かつ、その人が編集権限を持っていれば、このセグメントの名前や設定内容の変更もできる。これで作成したセグメントは、図2のセグメント機能の「共有」(図2上の緑枠部分の中の1つ)に分類される。
この3つのどれを選択して新規セグメントを作成しても、アナリティクス設定のセグメント(図6赤枠部分)の一覧に追加される(図6青枠部分)。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[アナリティクス設定]をクリックする
- 画面右端の[ビュー]配下の[セグメント]をクリックする
ここでは、それぞれのセグメントについて、次のアクションが可能だ(図6緑枠部分)。
- コピー ―― 該当セグメントをベースに新しいセグメントを作成する
- 共有 ―― 該当セグメントの設定内容を別の人のビューにも適用する
- 削除 ―― 該当セグメントを削除する
この3つのうち、もっとも注意すべきは「削除」である。今回の変更によって、きめ細かくセグメントの共有範囲を設定できるようになった反面、不用意にセグメントを削除すると、その影響が思いも寄らない範囲にまで及ぶ可能性が出てきたからだ。
その点について、パターンごとに詳しく説明する。
セグメントを削除する際に注意すべきポイント
[ビュー]>[セグメント]画面でセグメントを削除する場合
気を付けたいのは、「すべてビューで自分がセグメントを適用 / 編集できる」(図5赤枠部分)で作成したセグメントで「削除」を実行する場合だ。「削除」を実行してしまうと、該当ビューのセグメントのみならず、自分が閲覧可能なGoogle アナリティクスすべてのアカウントのビュー全部の該当セグメントを同時に削除することになる。
さらに「このビューで自分と共同編集者がセグメントを適用 / 編集できる」(図5青枠部分)で作成したセグメントの「削除」を実行してしまうと、自分の該当ビューのセグメントのみならず、閲覧権限のある人のセグメントを勝手に消し去ることになる。この選択肢は、非常に危険なのでお薦めしたくない。
[ビュー]>[アセットの共有]画面でセグメントを削除する場合
アナリティクス設定の「アセットの共有」(図7赤枠部分)でも、新規作成したセグメントの一覧(図7青枠部分)を確認できる。
- 画面上部グローバルナビゲーションの[アナリティクス設定]をクリックする
- 画面右端の[ビュー]配下の[アセットの共有]をクリックする
こちらでも、自分が作成時に指定したセグメントの適用範囲の分類はわからない。セグメントを選択(図8赤枠部分)すれば削除(図8青枠部分)が簡単にできてしまう。
「セグメント」と「アセットの共有」の削除は、いきなり削除処理が実行されずに、どちらもいったん確認画面が表示される(表示内容は異なる)が、影響の重大性がわかるような表現はしてくれないので、削除処理は注意する必要がある。
セグメントを削除する前に、「共有」分類から確認しよう
「セグメントの可用性」を「このビューで自分と共同編集者がセグメントを適用 / 編集できる」(図5青枠部分)に指定して作成したセグメントは、セグメント機能の画面の「共有」(図9赤枠部分)とその上の「カスタム」の2 つのセグメント分類に登録される。
少なくともほかの人とセグメントを共有しているセグメントを作成した記憶がある場合は、そのセグメントを削除することでほかの人に影響を与えないために、まずはセグメント機能の画面で「共有」分類(図9赤枠部分)をクリックして、自分以外の人に影響がないセグメントに該当するかどうかを確認してほしい。
「共有」分類を選択した画面(図9)では、該当するセグメントが一覧表示部に追加されているはずなので、確認しよう(図9青枠部分)。そして関係者全員の合意が得られている場合のみ、共有されているセグメントの削除(図9緑枠部分)を行うようにしよう。
「カスタム」「共有」セグメントを共有した場合も削除に注意しよう
「カスタム」と「共有」に分類されたセグメントの設定内容を他の人と共有する(図9黒枠部分)場合、相手方はそのセグメントを自分のビューに取り込むときに、図10のように取り込む方法を選択できる。
任意のビュー ―― 「任意のビュー」(図10赤枠部分)を選択すると、自分のGoogle アナリティクス アカウント配下のすべてのビューに取り込むことになる。
ビューを選択 ――「ビューを選択」(図10青枠部分)を選択すると、プルダウンから1つのビューを選択し、そのビューだけに該当のセグメントの設定を取り込むことになる。標準ではこれが選択されている。
このように、よそから設定内容を移植する場合も、取り込んだ後は、どちらを選択して取り込んだか見た目にはわからない。そのため、やはりセグメント削除時には、一括で削除されることがあるかもしれないことに注意しよう。
このようなこともあるので、自分が多数のGoogle アナリティクス アカウントの閲覧権限を持っている場合は、新規セグメントを作成するにしても取り込むにしても、そのセグメントが本当に必要なビューだけに適用するようにするなど、きめ細かく指定するのがよいだろう。
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