ある日Web担当者になって「アクセスを増やせ」といわれたら:SEO 辻正浩氏×アクセス解析 小川卓氏 [対談2]
1年ほど前に、会社のWeb担当者になったあなた。
上司から「Webのアクセスをもっと増やしてほしい」といわれているが、このままでは目標に届きそうにない。
自分なりにいろいろ考えてコンテンツを制作してるが、ユーザーに何がウケるのか確信がもてない。
アクセス解析ツールは、ページビュー数の確認に使っている程度で、分析できるほどのスキルはないし、SEOも初心者レベルだ。いったい、どうすればいいのか……。
このような悩みを持つごく普通Web担当者にお勧めしたいのが、「何をすれば集客できるか」「何をすればコンバージョンが増えるか」のヒントを教えてくれる「サチコミエルカ」というツールだ。
SEOの専門家である辻正浩氏と、解析の専門家である小川卓氏も太鼓判を押す「サチコミエルカ」の利点や魅力について、2016年のSEO動向とともに2人に語ってもらった。
SEOがそんなに大変なら、やめちゃえばいい
―― 前回の対談では、Google Search Consoleの検索アナリティクスが意外に使えるという話になりました。そうはいってもエクセルでマクロを組んでデータを処理するのは、一般の人にはハードルが高いです。いわゆる一般的な企業の社員で、ある日Web担当者になってしまったような場合は、自力でのSEOは難しいのでしょうか。
辻正浩氏(以下、辻) そういう場合は、もうSEOなんてやめちゃえばいいのです。
―― ええっ!?(一同)
辻 というのは半分冗談ですが、半分本気です。
前回もお話ししたように、検索エンジンの精度が上がったので、Webサイトをきちんと作ってさえいれば検索結果に表示されます。だから、あえてSEOだといって特別なことをする必要はないといういい方もできるのです。
また、以前は「ABC」という検索キーワードで流入してもらうためには、ページのタイトルや本文テキストにも「ABC」というワードを必ず入れなければいけないとされていました。しかし、いまの検索エンジンは、それさえも不要なほど賢くなっています。
たとえば「三宿 美容院」で検索してみてください。上位に出てくるいくつかのリンクには「三宿」というワードが入っていません。三宿は世田谷区の地名で、その近隣の美容院が表示されます。
いまの検索エンジンは、ページ内テキストに検索されるワードが含まれていなくても妥当な結果を出せるほど賢い。
タイトルに入っていないだけでなく、クリックした先のページにもリンク元にも入っていません。それでも、検索結果にきちんと載ります。検索エンジンは、テキストの意味をいかに深く解釈できるかの領域に入っているのです。
この場合は、「三宿」で検索したのに「池尻大橋」の美容院はクリックしづらいかもしれないなと思いますよね。三宿にもニーズがあるのだな、じゃあページを作ろうかなどと考えられますね。検索アナリティクスを見ると、そういう気づきがあります。
小川卓氏(以下、小川) なるほど、入力したキーワードではないところまで出てくるので、その意図まで考えなければいけないと。
辻 そうですね、本当に複雑になりました。今まではそういうキーワードをガリガリ分析して、ニーズがあるキーワードをしっかり組み込まないといけなかった。しかし、もうそれが必須ではなくなりました。ユーザーのニーズに沿った役立つ情報がちゃんと掲載されていれば、必要としたユーザーにある程度は検索されるようになってきました。
ほとんどのWebサイトでは、正しく制作しさえすればSEOを配慮しなくてもどうにかなるようになってきていると思っています。30ページくらいの静的なサイトなら、SEOにお金をかけるより、きちんとしたテキストを作ることに手間とお金をかけた方がいいです。
激しく検索流入を増やす必要がある場合とか複雑なWebサイトならSEOの専門家が必要かもしれません。そういう場合は月に数十万とか数百万かけて信頼できるプロに頼む必要があると思います。でも、普通のサイトにはそれは不要なはずです。普通ならば、UXを考えたいいサイトを制作してきちんとしたテキストで書かれた情報を掲載するだけで十分になってきていますね。
SEOに効くコンテンツ制作の強力な助っ人、サチコミエルカ
辻 コンテンツを作るしかないといっても、今度はどう作ればいいのかで悩みますよね。「明日から1日に1ページずつコンテンツを作れ」なんていわれたら、お気の毒に思います。そんなときに助けになるのが「サチコミエルカ」です。
「コンテンツのどこをどう改善すれば流入が増えるか」を教えてくれる魔法のツール
Google Search Consoleのデータを蓄積して、Googleの検索結果に表示される自社ページへのクリック率(CTR)を改善し、流入数を最大化する提案を行ってくれるツールが「サチコミエルカ」です。以下の記事で詳しく紹介しています。
- コンテンツマーケ初心者の救世主、「どこをどう改善すれば流入が増えるか」を教えてくれる魔法のツール(Web担当者Forum)
小川 コンテンツを作るためにGoogleアナリティクスやGoogle Search Consoleを使えといわれても、普段から活用している専門職の方じゃないとつらいですよね。ダッシュボードツールのような、多種多様なデータを一か所で見ることができるツールがあっても、専門家はそこから深堀りできますが、そうではないとデータにおぼれてしまい、行動できないですよね。
楽をしたいと思うのは正しいし、専門家でない人にがんばって勉強してくれというのはおかしな話です。なぜなら、時間は施策を考えるために使うべきですから。
辻 SEOのためには、社内の他の部署、サポートの人などに話を聞いてニーズを掘り起こすとかにもっと時間を使うべきだと思います。
小川 そうそう。だから難しいことをやらずに分析の時間が短縮できて、なおかつやるべきことがわかるツールがあればうれしい。さらに、安ければそれにこしたことはない。そういう思いも「Mieruca※」(ミエルカ)の開発にかかわっている理由の1つですね。
辻 私もそうですね。Google Search Consoleの検索アナリティクスがAPIに対応したので、自分でデータ取得ツールを作ろうとしていたんです。その話をFaber & Technologyの副島さんにお話ししたところ「こちらで作りましょう!」といってくれたのがサチコミエルカの始まりでした。
自分で使うツールですので無償で協力していますし、利用料も払って使っています。この対談も報酬なしですしね!(笑) それでもよいと思えるほど時間が節約できて、仕事が楽になるツールになっています。
私が出した要望のほとんどを実装してくれましたし、未実装のものも今後実装予定と聞いています。もちろん私の意見だけではなくてFaber Company(ファベルカンパニー)で実務をやられている方が要望した機能も多く加わっていますし、多くの人にとって便利なツールになっているはずです。
小川 私も、自分の分析が楽になる、すぐにわかるというのが重要です。自動化できない、なおかつ、作業そのものから気付きが得られないといった時間を、Webアナリストは皆さん経験していると思います。
辻さんのGoogle Search Consolからデータを毎日ダウンロードするというのもそうですよね。私はよく「心を無にしてやる作業」というのですが、その作業をしながら、動画を見たり、ネットラジオを聞いたりしています(笑)。
その部分をツールがやってくれるのは、精神的にもありがたいし、時間も短縮できます。バブルチャート作るだけでも、ちょっと面倒くさいじゃないですか。それがMierucaを使うことで、最初の手間が楽になりました。
どのページが良くてどのページが悪いのか、分析の当たりどころや気づきを得るスピードは速くなった。
いままでは、主要ページの流入数と直帰率とコンバージョン率のグラフを作るために、Google Search Consoleからデータをダウンロードして、自分でエクセルを使って加工して散布図を作り、それを少しいじって……とやっていたことを、Mierucaと連係するといろいろなバリエーションのレポートが出てくる。
フィルタリングもできるし、デバイスで分けることもできる。それが一瞬でできるし、同じことを2回やらなくていい。それを見て、どのページが良くてどのページが悪いのか、分析の当たりどころや気づきを得るスピードは速くなりました。
だから、コンサル依頼を受けたら、まずMierucaと連係します。集客・閲覧・誘導・成果につながっているページを一瞬で発見できるので、そこから効果が高いページと低いページを見て共通項や違いを発見する。
実際の気づきや改善案を作るのは人間の作業ですが、その一歩手前までの作業をツールがやってくれます。代わりに人間は、施策のアイデアを考えることに時間を使えます。
面倒な作業はサチコミエルカに任せて、人間は考えることに注力
辻 SEO会社の場合、コンテンツを納品するのが一番お金になります。正直な話、ずっと納品し続けられるとビジネス的にはおいしいのですが、私はコンテンツを納品することはごくまれにしかありません。
弊社にも良いコンテンツを作れる者はいますが、基本的には制作体制をお客さまに作ってもらって、それにどうSEO要件を含めるかというアドバイスをします。お客さまが自社でできるようにならないとずっとコストがかかりますので。そのときに、ここのデータを見て、このあたりを注意してやってくださいと伝えるのですが、「Google Search Consoleでギャップを見てください」といっても、それができるのは相当経験を積んだあとの話ですね。
でも、サチコミエルカならひと目でわかります。だから、お客さまに購入してもらったり、こちらで購入してコンサル料金に含める形にしたり、そういう使い方をしています。価格も安いですしね。
小川 確かに、専門家がずっと付き続けるというのは、現実的には難しいですね。お客さまの予算とか専門家側の稼働状況とか、依存が高くなることによるリスクもあります。だから、お客さま自身でできると理想的です。
その際に、専門家のやり方を見てノウハウを吸収してもらうことにも限界があるから、ゴールに近いものを出してくれるツールを活用するわけですね。
サチコミエルカは、コンテンツのリライトという部分に限定したことで理想形に近づいた。
辻 世間では「これさえ入れておけば絶対に順位が上がる」みたいなツールも存在しますが、自動でSEOをやってくれるようなツールで、まともな価値があるものは見たことがありません。ただし、サチコミエルカは、Google Search Consoleのデータをもとにして、コンテンツのリライトという部分に限定したことで、その理想形に近づいたと思います。
小川 たとえるなら、データという材料を見せて、あとは自分で一から料理しろというのが従来のツール。途中まで調理済みの市販ソースを使って料理をするのが、Mierucaやサチコミエルカのイメージでしょうか。
もちろん材料から作ったほうが、細かくチューニングできて美味しく作れることができます。サチコミエルカは、簡単に大半の人が満足できるものを作れるツール。
まずは、やるべきことをしっかりとわかりやすく示してくれるし、平均点以上にはできるという感じですかね。
辻 一般的なサイトのSEOには結局コンテンツ制作が一番ですが、その部分をサポートするのがサチコミエルカです。
もちろん完璧ではありませんが、答えに近いヒントは見せてくれます。しかもその精度は、一般的なSEOツールのなかではかなり高い。
Google Search Consoleのデータは宝の山ですが、やはり誰にでも活用できるとは言いづらいです。でもサチコミエルカでは、実際にSEOの専門家が手間をかけてデータを加工していたことを自動で加工されるようにしたり、注目している場所をわかりやすく表示したりしているわけですので、宝の山を見つけやすくなっていることは確かかと思います。そこまでは、ツールがきちんとやってくれます。その先は、人間が判断する部分です。
小川 面倒な作業は肩代わりしてくれて、知的な作業、考える部分だけに注力できるのがMierucaやサチコミエルカですね。それで、今までは敬遠されがちだったアクセス解析やSEOに興味を持つ人が増えるなら、よろこばしいことです。
―― ありがとうございました。
SEO初心者の強力助っ人「サチコミエルカ」登場!
アクセス解析で検索キーワードが見えなくなったいま、Google Search Consoleの検索アナリティクスはそれに代わる強力なツールです。しかし、SEO初心者が使いこなすにはハードルが高いことが難点です。
そんな検索アナリティクスを、誰もが簡単に有効活用できるようにするためのツール「サチコミエルカ※」が、株式会社Faber & Technologyからリリースされました。
- サチコミエルカ サービス紹介ページ(Faber & Technology)
サチコミエルカは、辻さんがプレユーザーとして開発のフォローアップをし、またMierucaのアクセス解析機能には小川さんもアドバイザーとして開発にかかわっています。
月額2800円からという導入のしやすさ、簡単にキーワードを分析したい初心者から多くのデータをもとに複雑な分析をしたい上級者まで、幅広く使えるSEOツールとして注目です。以下の記事で詳しく紹介しています。
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