Googleアナリティクス「ユーザー数」の定義・見方とは? 図解で解説
今回は「ユーザー」と、それをカウントした「ユーザー数」について説明する。ユーザー数は、ページビュー数、セッション数と並ぶGoogleアナリティクスの基本指標の1つだ。誤解されがちな部分だが、Googleアナリティクスでは、「ユーザー数」は「人数」を数えているわけではない。詳しく解説していこう。
- 「ユーザー数」の意味を理解する
- ユーザー数をレポートで確認する
「ユーザー」は利用ブラウザで識別される
前回解説した「セッション」は、ひと言でいえば「あるユーザーのある連続したWeb利用行動のまとまり」のことだった。そして「ユーザー」とは厳密にいうと、特定のブラウザとひも付くCookie(クッキー)によって判定しているということにも触れた。
つまり「ユーザー」とは1人1人のユーザーを識別するのではなく、Webサイトの閲覧に利用しているブラウザを識別しているということになる。たとえば、ある人がパソコンとスマートフォンを1台ずつ使っていて、パソコンで2つのブラウザを、スマートフォンで1つのブラウザを使って同じWebサイトを利用した場合を考えてみよう。Webサイトを利用しているのは1人だが、集計上はブラウザの延べ数である「3ユーザー」が別々に識別される(図1)。
ユーザー数は期間内に訪問した「ユーザー」を数えたもの
そして「ユーザー数」とは、指定した集計期間内に訪問した上記定義の「ユーザー」の数のことだ。同一ユーザーが何回訪問しても、同じブラウザであれば1ユーザーとカウントされる。たとえば、1か月の間に筆者が自分のパソコンの同じブラウザから毎日1回ずつ計測対象サイトを訪問しても、その集計期間においては「1ユーザー」とカウントされる。
ユーザー数は、他のアクセス解析ツールでは「重複を除く」という意味の「ユニーク」を付けて、「ユニークユーザー数(UU)」「ユニークビジター数」「ユニーク訪問者数」「ユニークブラウザ数」などと呼ばれることもある。筆者は厳密な意味が伝わる「ユニークブラウザ数」という言葉が好みだが、Googleアナリティクスでは単に「ユーザー数」と呼ばれている。
それでは、実際にどのようにカウントされるかを例で示していこう。
日次ユーザー数のカウント方法
たとえば、次のように、1週間、毎日2人ずつの訪問があったとしよう。毎日訪問している人が1人いて(Aさん)、毎日もう1人別の人が訪問していた(Bさん~Hさん)とする。
この場合、それぞれの日の日次ユーザー数は2ユーザーとなる。日別(行ごと)に単純に●の数を数えればよいので簡単だ。
週次ユーザー数のカウント方法
では、同じ状況で5/28(月)から6/3(日)までの1週間の週次ユーザー数はどうなるだろうか? この1週間で訪問があった人数をカウントすると、Aさん~Hさんの全員が該当するので、週次ユーザー数は8ユーザーということになる。該当期間に、ユーザー別(列ごと)に●が1つでもある場合のユーザーの数をカウントすればよいわけだ。強いて書くなら、次のように該当するかどうかをそれぞれカウントすればよい。
月次ユーザー数のカウント方法
次に、やはり同じ状況で5月と6月の月次ユーザー数はそれぞれどうなるのだろうか? ここでは、5月と6月の他の日にはアクセスがなかったと仮定する。考え方は週次のカウントと同じだ。該当期間に●が1つでもある列の数を数えればよい。
下記のとおり、5月の4日間(5/28~5/31)に訪問したユーザーはAさん、Bさん、Dさん、Eさん、Fさんの5ユーザー、6月の3日間(6/1~6/3)に訪問したユーザーはAさん、Cさん、Gさん、Hさんの4ユーザーとなる。
まとめると、今回の例のユーザー数は下記のとおりだ、
- 日次ユーザー数はどの日も2ユーザー
- 5/28~6/3の週次ユーザー数は8ユーザー
- 5月の月次ユーザー数は5ユーザー
- 6月の月次ユーザー数は4ユーザー
誤解されがちだが、それぞれの数値に直接的な関係性はないことに注意しよう。日次ユーザーの7日間の合計が週次ユーザー数になるわけではないし、週次ユーザー数の4倍が月次ユーザー数になるわけでもないということだ。
任意の期間のユーザー数のカウント方法
Googleアナリティクスでは、指定した任意の期間で正確にユーザー数を集計している。たとえば、3月1日から5月10日という集計期間を指定すると、この71日間(31+30+10)の重複を除く集計をしているようだ。
しかし、多くの他のアクセス解析ツールでは、ユーザー数は日次、週次、月次、四半期などの基本期間で集計されており、任意の期間では集計されないこともある。あるいは集計されたとしても、これら基本期間の組み合わせの足し算で代用される場合もあるようだ。
具体例で示すと、2016年7月1日から2016年8月5日のユーザー数の集計を、次の数値を単純に合計するという方法だ。
- 2016年7月の月次ユーザー数
- 2016年8月1日の日次ユーザー数
- 2016年8月2日の日次ユーザー数
- 2016年8月3日の日次ユーザー数
- 2016年8月4日の日次ユーザー数
- 2016年8月5日の日次ユーザー数
なぜこのような方法を採るのかというと、任意の集計期間のユーザー数はあらかじめ集計していないので、もし正確に集計するとすれば、その都度集計して算出しなければならず、その計算負荷が非常に高くなる。そのため、正確性よりも概算値で迅速に表示する方を優先するからだ。
ユーザー数を確認できる[ユーザー]>[サマリー]レポート
Googleアナリティクスのレポートでこの「ユーザー数」を確認することができるのは、ログイン後に表示される[ユーザー]>[サマリー]レポート(図2赤枠部分)だ。ここで集計対象期間のサイト全体のユーザー数(図2青枠部分)を確認することができる。
厳密にいうと、レポート内での表記は「ユーザー数」ではなく「ユーザー」だが、本記事ではわかりやすく「ユーザー数」と表現した。Googleアナリティクスでも以前の表記は「ユーザー数」だったが、現在では「ユーザー」となっている。
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