LINE@経由で売上を伸ばすにはどうすればいい?【伊藤久右衛門×ネバーセイネバー×メガネスーパー対談】(導入・KPI設定編)
この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。
LINE@をネット通販にどのように活用すれば、売上アップやコンバージョンアップにつながるのでしょうか。そもそも、「LINE@ってECの販促に役立つの?」「運用の仕方がわからない」といったEC事業者も多いことでしょう。
今回、LINE@を上手に活用し、効果的に売上アップにつなげている伊藤久右衛門、ネバーセイネバー、メガネスーパーの責任者が集まり、LINE@の効果的な運用方法などを語りました。全2回にわたって掲載する対談の1回目は、LINE@導入編(導入理由 → 不安 → KPI設定まで)です。
LINE@導入の理由
司会役:LINE@事業開発部 岡崎想(以下岡崎) 中小企業向けのLINEのビジネス用アカウント「LINE@」の認証済みアカウントが30万件を突破したことを記念し、LINE@を効果的に活用しているトップレベルユーザー3人で座談会を行います。まず、LINE@導入の理由を教えてください。
伊藤久右衛門 足立容子氏(以下足立) 最初にLINE@を活用していたのは実店舗で、すごく反応がよかったんです。ずっとECで実施できないかと思っていました。
その後、ECでもアカウントを開設できるようになった(※2015年に通販サイトへのリンクを掲載することができるようになりました)ことを聞き、すぐに使ってみたというのが始まりですね。ECのリピーターへのアプローチはメルマガが中心で、開封率や集客率もだんだん落ちていました。お客さまにアプローチする新しいツールがないかなと探していたところ、課題を解決するツールとして“ピタッ”と合った感じですね。
会社の方針として、「とにかくやってみたらいいじゃない」というムード。やってみて、だめだったら閉じてしまえばいい。そんな重荷はなかったです。まだまだ小さな会社ですし、フットワークの軽さが強みでもあります。
ネバーセイネバー 朴成桓(以下朴) 当社は社長がいきなり来て、「LINE@あるらしいよ、とりあえずやってみたら」となって。どこから情報を仕入れたのかわからないのですが、うちの社長は、情報感度が高く、よく知っていましたね。
LINE@ 岡崎 社長さんはどうやって情報収集されてるんですか?
ネバーセイネバー 朴 会食が多いことと、メディアの記事をすごく読んでいるんです。そこから情報を収集していますね。今は、社内SNSがあり、社長からスタッフまで社内全体で、さまざまな情報を投稿して共有し合っています。そこから施策が始まるということも結構あるんです。LINE@はリターゲティングという意味では効果的な施策なので重宝しています。
メガネスーパー 川添隆氏(以下川添) 私の前職はいわゆるマルキュー系のアパレル会社。「リップサービス」というブランドをメインで展開していたのですが、2010年当時、店頭スタッフは仲良くなったお客さまとメルアドを交換するケースがあると聞いていました。メールのやり取りといった個別の案内を通じてお客さまとコミュニケーションを取っていたんです。それが、LINEの登場によって、やり取りがメルマガからLINEに切り替わっていると聞きました。ただし、当時は個人で利用するLINEはビジネス利用はNG。企業で利用できるアカウントはないかなと思っていました。
当時はさまざま人からLINE公式アカウントやスタンプの話を聞いていましたが、費用の大きさを考えると手を出すのは難しかった。しばらく待っていたらLINE@のプレスリリースが出て、その時点で「絶対これは開設しよう」と思い、サービスリリース後にすぐ運用をスタートしました。
当時、友だち数は1万人が上限だったのですが、1か月ですぐに到達。アパレルで最短だったそうです。
その後、僕はメガネスーパーに移りました。入社当時のメガネスーパーはデジタル推進が進んでおらず、メルマガは約3万件、SNSはユーザー参加型のキャンペーンをスタートしたところでした。コーポレートサイトは更新が追いついていない、そしてECはほぼ赤字という状態。そこで、店舗送客につながるデジタル施策として最初に手を打とうと考えたのがLINE@でした。
前職の経験上、LINE@は登録するのも簡単で年齢も選ばない。いけるんじゃないかと思っていました。友だち登録は、メルマガと比べるとはるかに簡単ですし。当時、社内は「LINEでそんなことできるんですか?」という状態。運用を始めたら売り上げが伸びていったので、その後すぐLINE公式アカウントへとアクセルを踏みました。
導入前の不安は?
LINE@ 岡崎 皆さん、勢いで開設されてますね(笑)。開始前、「運用はどうするんだ!」「費用対効果はどうなんだ!」といった声はありましたか? 例えば、「1度開設したら、後には引けないじゃないか!」のような……。
ネバーセイネバー 朴 LINE@はコストが高くないので、トライして後で決めればいいでしょ、という感じでした。
伊藤久右衛門 足立 社内に関しては特に反対もなかったです。ですが、ネバーセイネバーさん、メガネスーパーさんは問題にならなかったのか気になります。
ネバーセイネバー 朴 LINE@に関しては気にしてないですね。導入時ではなく運用時の不安はありました。メルマガも同じですが、1回の送信でたくさんの人に送信するので、「送信ボタン」を押す時の怖さはありますね。
LINE@ 岡崎 それはわかります。LINE@のお得なお店を紹介するアカウントは1000万の累計友だちがいますので、僕も送信時は毎回震えていました(笑)。
伊藤久右衛門 足立 ミスは無かったんですか?
LINE@ 岡崎 ありました。その時はきちんと謝ることが一番大事だと思っています。ミスをしないチェック体制を整備してもミスは起こります。その時どう対処するかは企業にとって非常に重要なポイントになると思っています。
LINE@ 岡崎 川添さんは、リソースの負担の懸念など含めていかがでしょうか?
メガネスーパー 川添 最初は僕がLINE@や公式アカウントの配信・ホーム投稿を行っていました。僕は基本的に新しいサービスを使う時は自分でも触ってみるのですが、LINE@の管理画面を見た瞬間に、これは使いやすいと思いました。左カラムがあるいわゆるメルマガの配信ツールなどと似ていて、誰でも使えると思いましたね。
ただ、これを実際に他のスタッフが運用するとなると話は違いますよね。最初はテキストと絵文字を使ってスタートし、徐々にPRページなども使うようにと指導していました。
目標設定・KPIはどう設定する?
LINE@ 岡崎 目標設定・KPIについて、皆さまどのように設定していますか?いつまでに何人の友だちを集めるか、LINE@経由の売り上げはどのくらいにするか、他のSNSと比べて何を指標にするかなど、どのように考えていますか?
伊藤久右衛門 足立 最初は1年で1万人の友だちを作るというのが目標でしたが、思ったよりも早い段階で達成できました。今は公式オンラインショップの売上予算の10%をLINE@で作ることを目標にしています。
ネバーセイネバー 朴 同じです。
伊藤久右衛門 足立 一緒ですか!なんかうれしい(笑)
ネバーセイネバー 朴 当社も10%程度をLINE@で作っていこうと考えています。
メガネスーパー 川添 いや、当社も同じなんですよ(笑)。僕がコンサルとして携わっているアパレル企業ではLINE@経由の売り上げは約20%。あるメンズブランドでは50%といった事例もあるんです。
LINE@ 岡崎 売上総予算の10%の考えは、皆さん同じなんですね。他に、友だち数を目標値とするケースも多いと思います。LINE@経由の売上高10%をめざすために、友だち数などを逆算して設定してるのでしょうか?
伊藤久右衛門 足立 いいえ。まずはもともとのメルマガ会員数から考え、1万人くらいだったらいけるだろうと予測を立てました。最初は深く考えていなかったです。
ネバーセイネバー 朴 当社は特にそのようなことはしていないですね。ただ、できるだけ友だちは集めたいとは思っていますので、通販サイトで「LINE@をやっています」といった告知を至るところで行っています。
「スタイルデリ」ではスマホ経由売上が90%。スマホページからLINE@にすぐ登録できるといった導線を作っているため、友だち数が増えているのかなと思っています。
メガネスーパー 川添 最初に導入した時は、スマホのメルマガの登録数を超えることを目標にしていました。大変でしたが、メガネスーパーでは数か月で突破しました。前職ではもっと早かったです。実証できるというよりも、誰でも超えることができる現実的な数字じゃないかなと思います。
ネバーセイネバー 朴 指標に関して、当社はWeb広告だけで予算管理をしていました。ただ、LINE@の運用などを始めてから、デジタルコミュニケーション・デジタルマーケティング全体でコストを管理するべきだという考えに至りました。Web広告、LINE、メルマガ、Facebook、Instagramなど、管理する人件費も踏まえて、どれが一番効果的なのかという結果を見ながら、どこに一番お金を使うべきなのか、こうした管理体制に移行しようとしています。
LINE@ 岡崎 運用の人件費も含めて考える、って感じですね。LINE@は費用は高くないですし、人件費も、HTMLメールの運用よりも工数がかからないので優位性はありそうな印象があります。
伊藤久右衛門 足立 新規向けの広告と、LINE@などのリピーター向け販促は、同じシートでは管理・分析しにくいと思いますが、ネバーセイネバーさんはトータルで管理するということですか?
ネバーセイネバー 朴 基本的には、新規向けと既存はわけています。LINE@は既存向け販促。会社としてはいま、既存顧客を対象にLINE@などリターゲティングを中心に事業を回しています。
伊藤久右衛門 足立 売上高の90%がスマホ経由で、しかも平均客単価1万円は、食品を扱う私から見ると想像しにくいですね。
ネバーセイネバー 朴 当社が扱うブランドの場合です。昔からこうした傾向があったわけではなく、徐々にスマホ比率が増えていきました。一度購入したユーザーは商品の良さを理解してくれるので、リピート客が多くなっています。
伊藤久右衛門 足立 理想的な形ですよね。
ネバーセイネバー 朴 LINE@のようにコミュニケーションを図る取り組みという意味では、当社は「Q&A Room」というお客さんからの質問を掲示板形式で受付けるページを用意し、すべての質問に対して社内スタッフが全部答えるようにしています。コンシェルジュデスクというコールセンターのような機能を持つ部署があり、「スタイルデリ」のブランドプロデューサーがQ&Aに答えます。そこから顧客の声を拾い、情報をがっちり掴んでいます。今まではそれで信頼というのを勝ち得ているという状況です。
伊藤久右衛門 足立 ファッションは他の通販サイトでもいろいろと購入するお客さんが一番多いジャンルといった印象でした。
ネバーセイネバー 朴 コミュニケーションを通じた信頼って重要なんですよね。
※後編は12月6日(水)にアップします。次回は実際の運用方法などについてのお話です。
なお、このコンテンツは、LINEから提供いただいた記事を編集部が『ネットショップ担当者フォーラム』用に編集したものです。
オリジナル記事はこちら:LINE@経由で売上を伸ばすにはどうすればいい?【伊藤久右衛門×ネバーセイネバー×メガネスーパー対談】(導入・KPI設定編)(2017/11/22)
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