自分の「資質」を「強み」に変えるには? 花王のデジタルマーケターが意識している3つのポイント
こんにちは。花王株式会社の辻本と申します。入社5年目、現在メディア企画部にて、「ピュオーラ」や「バブ」、「めぐりズム」といったヘルスケアブランドのデジタル施策を担当しています。
5年という時間は子供の成長を考えると大きな変化が起こるわけですが、さて、社会人になっての私の5年はどうなのかと、今回の執筆をきっかけに考えている今日この頃です。
初回のコラムは自己紹介を兼ねて、私のこれまでのキャリアと仕事観についてお伝えしたいと思います。
トリプルメディアの活用でキャリアを積んだ最初の4年間
花王に入社してからの仕事は、「適切な相手に、適切なコンテンツを、適切なタイミングで届けて態度変容を起こし、弊社の商品に振り向いてもらう」ことを繰り返し考え、実践することが中心です。
最初に配属されたファブリック&ホームケア事業企画部では、以下の業務を担当しました。
各ブランドの事業状況のレポーティング
各ブランドが実行する施策が売り上げやシェアに反映されているか、1つのブランドではなく複数ブランドを横断的に見つめることは、私にとってさまざまな戦略を学ぶきっかけになりました。
オウンドメディア「マイカジ by Kao」の企画立案と分析
「マイカジ by Kao」というオウンドメディアで、家事にまつわるお役立ちコンテンツを作成。新商品や期間限定品の紹介や、既存商品の機能理解を促進しロイヤリティを高める企画を実施しました。また、記事の閲覧状況や、EC遷移率などを解析して、サイト運用方針をチームで決めていきました。
TV番組の企画立案
当時提供していた5分程度の情報番組では、季節に合ったコンテンツを作り、コンテンツに合ったCMを選定しオンエアしました。私は前述のとおり、オウンドメディアの運営で「どの時期にどの記事のPVが上がるか」把握していたため、その知見を番組に生かすことができたのです。
事業企画部に2年弱在籍した後、デジタルマーケティングセンター/コミュニケーション企画室(現メディア企画部3室)に異動しました。
担当する事業領域もヒューマンヘルスケアに変わり、ブランドのデジタル施策プランニングとバイイングが主な業務となりました。メディアの広告メニューや、最新のアドテクノロジー、施策の効果検証方法などさまざまな情報を吸収しながら、ブランド戦略に基づいた戦術を練るという地道な部分もありますが、実行した施策が数字となって返ってくる面白さもあり、やりがいを感じています。
また、「ヘルシア」のTwitterアカウント運用を担当し、アカウントを成長させていく方法を模索していく中で、他企業とのコラボレーション企画を実施するノウハウを得ました。現在ではそのノウハウを社内の他のブランドにも共有していくことに注力しています。
このように私の現在までの仕事を振り返ると、「ペイド(paid)メディア」「オウンド(owned)メディア」「アーンド(earned)メディア」のトリプルメディアを活用しながらキャリアを積み重ねたといえるでしょう。
デジタル部署異動で意識した3つのポイント
これまでの業務から、人から「大学でマーケティングの勉強をしていたのか?」「情報系の学部だったのか?」などと聞かれることがあります。しかし私は国際金融のゼミに在籍して、ユーロ危機についての共同論文や、「日本人の国民性とクラウドファンディングが合うのか」というテーマの卒業論文を書く経済学部の学生でした。TwitterやFacebook、LINEは、友人とのコミュニケーションツールとして活用していたくらいです。現在の部署に異動した当初は、デジタルマーケティングについて何もわからない状況だったため、右往左往しながら知識を吸収し実践を積み重ねてきました。
その過程で意識した点は大きく3つあり、今も私の仕事観として定着しています。
1つ目は「好奇心」を忘れないこと。
新しいプラットフォームやサービスは実際に使ってみて感じ取ることはもちろん、どういう特徴があり、どのような投稿が多いのか。話題のメディアはどのようなことを発信し、UIはどうなっているのか。1つ1つ気になったことがあれば時間をかけて確認します。そうすることで、施策を考える際のアイデアの種が増えていくからです。
2つ目は社内外問わず、周囲の意見や考えを「聞く」こと。
好奇心をもって自分から情報を掴みに行こうとしても、時間には制約があるため、1人で膨大な情報を取り込むことは到底できません。意識して自分の考えを周囲に確認したり、専門家の話を聞いたりして、視点を増やすことで、バランスよく足りない情報を補うことができるのです。
3つ目は得た知見を「実践」すること。
アイデアが浮かんでも、ブランド戦略との整合性を検討する必要があり、実施が難しい場合はもちろんあります。しかし、アイデアだけでは何も生み出していないことと等しいので、社外の方々の協力もいただきながらプランニングして提案につなげます。成功した施策は、準備段階での苦労から留意点も整理した上で、他のブランドへ有効活用できるよう心がけています。
仕事観=キャリア+資質
ちなみに、社外の方に勧められて読んだ『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』(トム・ラス著、古屋博子訳、日本経済新聞出版社、2017年)によると、私の資質と仕事観で通じるものがありました。
仕事観とは、これまでのキャリアとその人がもつ資質が組み合わさってできるものだと思います。ですからデータに基づいた診断結果が、自分の中で、自然と重視してきた仕事観とマッチした事実を知ったときは面白いなと思いました。
このリレーコラムではさまざまな方が初回に仕事観について書いていますが、「果たして自分の仕事観とは?」と興味をもった方は、一度ご自身の資質もチェックしてみてはいかがでしょうか。
次回以降は、私の業務である「デジタル広告プランニング」「Twitter運用」について思っていることを中心に、「これってどうなんだろう」と、ふと思ったことなども書いていこうと思います。よろしくお願いします。
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