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理想のSEOができる立場はインハウス? それともコンサル?【SEO情報まとめ】

SEOをバリバリやりたい人は、事業会社の社内SEO担当者がいいのだろうか、SEO会社でコンサルをするのがいいのだろうか? ―― そんな疑問に、どちらの立場も経験しているJADEの伊東氏が「インハウスの真実」「本当に必要なスキル」などを解説する

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SEOをバリバリやりたい人は、事業会社の社内SEO担当者がいいのだろうか、SEO会社でコンサルをするのがいいのだろうか? ―― そんな疑問に、両方を経験しているJADEの伊東氏が「インハウスの真実」「本当に必要なスキル」などを解説する。

今週はほかにも、SEOのトピックは技術的なものを中心に、そして後半のウェブ関係のトピックではUX・EFO・次世代画像フォーマットなど幅広い情報をまとめてお届けする。

  • コア ウェブ バイタルは主要なランキング要因にはならない
  • グーグルSEOで301と302はどちらでもいい ―― ではなくリダイレクトは使い分けが大事
  • 「SEO誤解を解く」シリーズ日本語版、続いてます(#4~#6が公開済み)
  • site:検索とSearch Consoleのデータの乖離、Web Vitalsの指標計測ツールなど9月のオフィスアワー
  • 混在フォームにChromeが警告を出す
  • フォーム完了率アップ⬆間違いなし! 今すぐできるEFO
  • Webコンテンツの表示をスピードUPする3つの最新技術
  • リンク先ページに移動する前に高速かどうかを知る機能をChromeが実験
  • 次世代画像フォーマットのAVIFへ変換するエンコーダ
  • Google画像検索の画像ライセンスが正式版に。「ライセンス可能」バッヂを表示
  • パンくずリスト構造化データに「名前のないアイテム」が出る理由とその対処方法

今週のピックアップ

理想のSEOができる立場はインハウス? それともコンサル?
両方体験した視点でのアドバイス (株式会社JADE) 国内情報

理想のSEOをやるにはインハウスが良いか、コンサルが良いか

こうした問いは、

  • Webサイト制作
  • 広告
  • コンテンツ制作
  • 情報システム

などなど、さまざまな業種でよく出てくる。

これに対してJADEの伊東周晃氏が、自身の体験を踏まえて考察した。

SEOを軸にしたウェブマーケティングのコンサルティングをJADEは主業務にしている。伊東氏は、JADEに入る以前は、ぐるなびでインハウスSEOの主力として活躍していた(正確にはSEOだけではなく、コンテンツマーケティングやソーシャルメディア、広告運用、ウェブ解析など多岐にわたって取り組んでいた)。

「自分が思い描くSEOをコンサルティングでは実現できない」という思いでインハウスSEOに転職する人もいる。ところが、インハウスになったからといって実際には思いどおりのSEOができるとは限らない。

インハウスで成功するために必要な要素として伊東氏は次の4つを挙げている:

  • まず、信頼を得ること
  • 自社の強みやアセットを心底理解して、地に足のついた提案をする
  • 継続力と変化対応力
  • 経営層とは経営の言葉で話す

これら4つを挙げたうえで、伊東氏はさらにこう続ける。

楽しくやりがいをもってSEOの仕事をやるために大事なポイントは、「事業会社か、コンサルか」という立ち位置の違いではなく、実は「経営(意思決定者)との近さ」の中で仕事ができるかどうかということなんじゃないか

インハウスは基本的に、自分の会社のサイトにしか関われない。一方、SEOコンサルタントであれば多種多様なサイトに関わる機会がある。対応できるSEOの領域が広いという点ではSEOコンサルタントに軍配が上がるかもしれない。

「インハウス vs. コンサルタント」のような対立軸で考えるべきではないのだろう。どちらの立場でSEOに関わろうか考えている人にとって、伊東氏の見解はおおいに参考になりそうだ。

★★★★★
  • すべてのWeb担当者 必見!

グーグル検索SEO情報

コア ウェブ バイタルは主要なランキング要因にはならない
品質と関連性がもっとずっと重要 (Reddit) 海外情報

グーグルはコア ウェブ バイタル(Core Web Vitals、CWV)ランキング要因に組み込む予定だ。すでに改善に取り組んでいる人も多いかもしれないが、この指標はランキングでどれぐらいの重要度になるのだろうか。

結論は、「まだわからないが、唯一の重要な指標といった非常に強い扱いになることは、少なくともなさそうだ」というものだ。

Reddit(レディット)のSEO掲示板で、あるサイト管理者が次のような質問を投稿した:

コア ウェブ バイタル(CWV)の影響で順位がいろいろと変動しているように思える。

CWVはまだ「改善しておくといい」程度だが、今後「改善しないとヤバい」程度になっていく、つまりグーグルの主要なランキング要因になるということを聞く。これは本当なのだろうか?

コア ウェブ バイタルがランキング要因となるのは、どんなに早くても2021年(の3月よりも先)の予定である点に注意。

グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏がこのスレッドに登場し、こんなふうに回答した:

グーグルは、ユーザーのクエリに対して最も高品質で最も関連性がある結果を上位表示しようと、必死に取り組んでいる。

しかしコア ウェブ バイタルは、品質とも関連性とも関係がない。「コア ウェブ バイタルがオーガニック検索の唯一の主要な要因になる」なんてことは、まったくありえない。

と言っても、コア ウェブ バイタルを無視していいということではないけれど。

これに対して、元の投稿者は次のように反論している:

ぼくの業界では、コンテンツなんて9割が同じだ。だからCWVがより重要になるんじゃないかな。

しかしイリェーシュ氏はこれに対して次のようにコメントしている:

コア ウェブ バイタルは少なくともまだランキング要因ではない。きみが何を見たにせよ、その変動がコア ウェブ バイタルと関係がある可能性は極めて低いね。

コア ウェブ バイタルを含むユーザー体験の要素をランキング要因に使っていることを説明する検索ガイドラインには次のように書かれている。

ページ エクスペリエンスは重要ですが、それでも Google は、ページ エクスペリエンスが劣っていても、全体的に価値の高い情報を含むページを上位にランキングするようにしています。つまり、いくらページ エクスペリエンスが優れていても、コンテンツが優れたページを上回ることはありません。ただし、関連性が同程度のページが多数存在する場合の検索ランキングにおいては、このページ エクスペリエンスが一段と重要になります。

イリェーシュ氏のコメントと一致しているのがわかる。

また、レディットでの質問に関連してイリェーシュ氏はツイッターで次のようにも発言している。

コア ウェブ バイタルがランキング要因の1つになると僕らは発表していて、これは知られていることだ。(レディットでの投稿では)コア ウェブ バイタルが唯一の主要なランキング要因になる可能性を除外したに過ぎない。

最終的にどの程度の影響力になるかはわからないし推測するつもりもない。

イリェーシュ氏のコメントは、英語で「the primary ranking factor」と「a ranking factor」の違いを強調している。公式に発表しているのはCWVが「ランキング要因の1つ」になることだ。

どの程度の重み付けになるかは示されていないが、少なくとも「唯一の主要なランキング要因」ではないということだ。もしかしたら、「ページスピードの扱いよりも多少は強くなるかも」程度でしかない可能性もある。

念のために確認しておこう。あなたがコア ウェブ バイタルを意識しているのは、次のどちらが目的だろうか?

  • ランキング要因になるから
  • ユーザー体験をより良くするために

前者の思考に陥っていなければ、ここで触れたような疑問で悩むことはないはずだ。

★★★★☆
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グーグルSEOで301と302はどちらでもいい ―― ではなくリダイレクトは使い分けが大事
最終的に同じ扱いになるとしても目的に応じて使い分ける (Ahrefs Blog) 海外情報

サイト運営を続けていると避けられないものに、「URL変更」や「ドメイン名変更」と、事後対応としてのリダイレクト設定がある。リダイレクトには主な種類として

  • 301(恒久的にリダイレクト)
  • 302(一時的にリダイレクト)

の2種類があるが、グーグルSEOの観点でどう使い分けるのだろうか。

「301リダイレクト」と「302リダイレクト」は、技術的には異なるものだ。だがグーグルに関していえば、最終的には302リダイレクトを301リダイレクトと同じように扱う ―― というのも、301リダイレクトを使うべき状況なのに302リダイレクトを使っているサイトがあまりにも多いからだ。

とはいえ、どのような条件を満たすと302が301相当になるのかははっきりしない。こちらの記事では、301と302のグーグルの処理に関して分析している。詳細は元記事を読んでいただくとして、重要な点は次のとおりだ。

  • グーグルが302リダイレクトを最終的に301リダイレクトのように扱うことは、確かにある
  • しかし、どのようなプロセスをへて302リダイレクトが301リダイレクト扱いになるかは不明
  • 301リダイレクトと302リダイレクトは目的に応じて使い分けることが望ましい

301リダイレクトは、URLを「恒久的に移動した」(Moved Permanently)際に用いる。たとえば、次のようなケースで、元に戻す予定がない場合だ:

  • URLを完全に変更する
  • 新しいドメイン名にサイトを移転する
  • 「HTTP」から「HTTPS」へ移行する
  • 「wwwなし」を「wwwあり」に正規化する
  • 複数のサイトを1つのサイトに統合する
  • サイトのURL構造を変更する

302リダイレクトは「(ほかの場所にコンテンツを)発見した」(Found)を意味し、リクエストしたリソースが一時的に利用できない場合に用いる。たとえば、次のようなケースだ:

  • アクセスする国や言語に応じて適切なページへユーザーを転送する(※強制的に転送する仕様を筆者は推奨しない。ユーザーに選択を委ねるべき)
  • A/Bテストで異なるデザインのページもユーザーに見せる
  • 元のページのインデックスやランキングに影響を与えずに、リニューアルしたページに対するユーザーの反応を探る
  • 特別なプロモーションのために別のページへ一時的に転送する

グーグルが同様に扱うからといって、301と302のどちらでも好きな方を使っていいというわけではないのだ。SEOやWebサイトに携わる身である限りは適切に使い分けたい。

しかし、こう考える人もいるかもしれない

どうせグーグルが同様に扱うなら、どちらでもいいや。

そういう人にぜひ知ってほしい事例がある。ドメイン名を統合して、当初はトップページを302リダイレクトしていたのだが、301リダイレクトに修正したら検索トラフィックが回復したというものだ。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
  • 技術がわかる人に伝えましょう

「SEO誤解を解く」シリーズ日本語版、続いてます(#4~#6が公開済み)
エピソード4〜6を紹介 (アユダンテ コラム) 国内情報

グーグルのマーティン・スプリット氏は、SEOスペシャリストをゲストに招いてSEOの誤解を解く『SEO Mythbusting』シリーズをYouTube動画で配信している。

アユダンテのコガン・ポリーナ氏が毎回日本語に書き起こして記事公開してくれている。エピソード4~6をまとめてここで紹介する。トピックは次のとおりだ。

SEOのスキルアップのためにはどれも役立つ内容だ。読んでほしい。

★★★★☆
  • SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)

site:検索とSearch Consoleのデータの乖離、Web Vitalsの指標計測ツールなど9月のオフィスアワー
気になるQ&Aだけでもチェック (ウェブマスター オフィスアワー on YouTube) 国内情報

9月のオフィスアワーが開催された。金谷氏とあんな氏が回答したのは次の質問だ。

  • URL 公開後インデックス登録されない(00:02:16
  • site: 検索と Search Console のデータの乖離(00:05:22
  • AMP ページを終了する際の手順(00:08:09
  • スパマーのウェブサイトハッキングの解釈(00:09:22
  • Web Vitals の指標計測ツールの違い(00:11:08
  • 大きなサムネイル画像が準備できない(00:14:38
  • フィッシング詐欺に誘導するサイト対応予定(00:17:00
  • ライブテストへの機能追加要望(00:22:46
  • Search Console を活用したい(00:26:52
  • 「名前のないアイテム」とは(00:29:17
  • Search Console カバレッジレポート表示(00:32:26
  • サイトマップのベストプラクティス(00:34:44
  • WebP のフォールバック方法(00:41:04
  • 外部リンク施策の提案を受けた際の報告先(00:43:18
  • 記事の構造化データの通常ページでの使われ方(00:47:31
  • 「セキュリティの問題」を解決するには(00:48:53
  • Google Site のサイトがインデックスされない(00:50:16
  • 記事ページがクロール・インデックスされない(00:51:00
  • Search Console への登録方法(00:53:15
  • 検索結果で同一サイトのページが多数表示(00:53:55

各Q&Aをすぐに再生できるようにリンクしてある。気になる質問の回答だけでもチェックしておこう。

★★★★☆
  • すべてのWeb担当者 必見!
用語集
CSS / EFO / HTML / JavaScript / SEO / SERPs / インデックス / オーガニック検索 / クロール / コンバージョン / コンバージョン率 / ソーシャルメディア / ドメイン名 / リンク / 外部リンク / 構造化データ / 訪問

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