「なんとなく」の知識にさらば! 一流マーケターが知ってる基礎知識【ビジネス動画5選】
マーケターが身につけるべきスキルや知識は拡大している。一方で、日々の業務に忙殺されて、なかなかまとまった学習の時間を得られないことに悩んでいる方も多いだろう。今回は、大手事業会社やコンサルティングファームで経営戦略やマーケティングに従事し、グロービスで戦略・マーケティング領域の講師として登壇し、自身も実務家として定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」のBtoC事業をリードする下道陽平氏に、マーケターのスキルアップに役立つ学習法についてお話を聞き、5つのおすすめ動画を紹介してもらった。
「マーケティングの全体像把握」は必須スキル
20~30代のマーケターが今後、キャリアアップをしていくには、どんな知識が必要なのだろうか。下道氏は、「まずはマーケティングの全体像を学ぶことが重要」だと話す。これは、下道氏自身の実体験にも通じている。
マーケティング・プランナーとしてキャリアをスタートした下道氏。当時、マーケティングの全体像を理解しないまま、クライアントのコンペに参加し、「おもしろくてインパクトのあるキャンペーン」を提案していたが、勝率が想定より低かったという。新卒で入社した企業に勤めていた20代後半にグロービス経営大学院に入学し、マーケティングの全体像を理解してからは、提案の質そのものが大きく変わり、勝率が上がったという。
クライアント企業の市場環境、ターゲットとしている顧客像と目指すポジショニング、それを実現するためのコミュニケーションというように、一貫したストーリーのもと、精度の高い施策を提案できるようになり、コンペの勝率が明らかに上がりました(下道氏)
20~30代の若手マーケターの場合、大企業であるほど、その会社のマーケティング活動の一部のみを担当していることが多い。そのため、担当部分の実務作業については詳しくなっても、その仕事がマーケティング戦略全体の中でどんな意義があるのか把握できていないことも多いという。
マーケティングの全体像を理解して、戦略を構築し、実施までつなげていける人の価値は高く、キャリア形成の幅も広がると下道氏は言う。
また、立てた戦略を施策に落とし込むときは、「どんなスキルを持つ人が必要なのか」「どうやって人を動かすのか」といったマネジメントスキルも必要になる。マネジメントを極めるには、マーケティングに加えてさらにリーダーシップ、説得力のあるプレゼン、人を動かすスキルも必要になる。
スキマ時間で学べる「動画学習」
このようなスキルは、会社のOJTを通じて身につけていくことが大半だろう。しかし、もっと体系立てて効率よく学びたいと思ったとき、学校に行き学び直したり、書籍で学んだりという選択肢もあるが、まとまった時間が作れないという人にとっては、動画による学びも有効な一つの選択肢となる。オンデマンドの動画であれば、学習者の都合のよい時間、場所で学ぶことができる。
マーケターにおすすめの講座をピックアップ
ここからは、グロービスが2016年から開始している定額制動画学習サービス「GLOBIS 学び放題」全4,500コンテンツ(※2022年3月現在)のなかから、下道氏のおすすめ講座を5つピックアップして紹介する。7日間無料体験ができるため、気になったものは見てみるといかがだろうか。
1. マーケティングの全体像を把握する
1本目は、マーケティングの全体像を体系的に理解するのに最適な講座だ。
「マーケティング(基本編)」
https://hodai.globis.co.jp/courses/1d85b1fc
こんな人におすすめ
- マーケティングのプロセスを身につけたい方
- 市場機会や顧客の捉え方を学びたい方
- より選ばれる商品・サービスを考えたい方
基本編では、マーケティングプロセスの中でも、市場機会を捉え、ターゲットを定め、ポジショニングを行うまでのプロセスの理解を深めていけるようになっています。目の前の仕事がマーケティング全体像の中でどう位置付けられているのかわからない、施策の精度を高めたいという方には、ぜひ見てほしいです(下道氏)
2. 相手に伝わるコミュニケーションのために論理的思考を身につける
続いては、相手に伝わるコミュニケーションのために、論理的な思考力を学ぶコースだ。
「クリティカル・シンキング(論理思考編)」
https://hodai.globis.co.jp/courses/7608976e
こんな人におすすめ
- 「何を言っているのかよくわからない」と周囲に言われることが多い方
- 自分の考えに自信が持てない方
- 仕事における抜け漏れを防ぎたい方
- 仕事の生産性、効率を高めたい方
マーケティングの全体像を理解して、マーケティング戦略を作っても、論理的に説明ができないと、相手に納得してもらうことができません。もともと人はロジカルに物事を考えるようにはできていないので、クリティカル・シンキングは意識的に学ばないと身につきません。しかし、一度学べば自転車の乗り方と同じように、忘れることはない知識となります(下道氏)
3. 人を巻き込む、人を動かすためのスキル
3つ目は、コミュニケーション能力を高めて、人を動かして自分がやりたいことを実現するためのメカニズムを学べるコースだ。
「パワーと影響力」
https://hodai.globis.co.jp/courses/a2476299
こんな人におすすめ
- 人を動かすステップや人が動くメカニズムを学びたい方
- 自身のパワーを育んでいきたい方
- コミュニケーション力を高め、うまく人を動かして、自分のやりたいことを実現させたい方
マーケティングは、一人だけでできることはそう多くはなく、他の人に戦略や施策に共感してもらって、協力してもらわないと進みません。人を動かすメカニズムとして『パワーと影響力』の理解を深めれば、人に動いてもらう時や組織を動かす際に役立ちます(下道氏)
4. 正しく知識を使って組織を動かす
マーケティングの全体像を学び、クリティカル・シンキングで論理的な考え方を身につけたら、会社が目指しているものと自分の仕事がどうつながっているのかを理解するコースに取り組んでみたい。
「心に火をつけ、やりがいを持って働くための『理念経営』」
https://hodai.globis.co.jp/courses/525a89e1
こんな人におすすめ
- 会社の方針と自分の価値観が一致していないと感じる方
- 「本業で社会貢献」に興味がある方
- 今の仕事にもっとモチベーション高く臨みたいと思う方
会社の理念やビジョンと自身の価値観をつなげて考えることができるようになるコースです。関係者を巻き込みながらマーケティングのプロジェクトを進めていく際にリーダーシップは欠かせません。その自身のリーダーシップの礎となる価値観が会社の理念やビジョンとどうつながっているのか言語化して語ることができることは、マーケティングプロジェクトをリードする上でも非常に重要です(下道氏)
5. 自分のキャリアをマーケティング視点で考える
最後は、マーケティングの全体戦略、パワーと影響力をかけあわせて、マーケティング観点から自分のキャリアを構築するためのコースで下道氏が講師として登場している。
「Marketing of Life」
https://hodai.globis.co.jp/courses/0fc6fa77
こんな人におすすめ
- マーケティングの考え方を個人のキャリアに応用したい
マーケティングの考え方を、個人のキャリア戦略に使うことができます。本コースでは、マーケティングの全体像やパワーと影響力のおさらいをしながら、キャリア戦略への応用の仕方を考えます。最終的に “自分自身のマーケティング戦略”を立て、機会をつかむために誰にどう働きかけるのか、アクションプランに落とし込んでいきます(下道氏)
その他、マーケティングのフレームワークや概念もたくさん
戦略・マーケティングカテゴリの初級編では、マーケティング・ミックス(4P)、3C分析などのフレームワークやカスタマージャーニー、ファネル分析などのマーケティングの考え方を紹介している。わからない用語や詳しく知りたい概念を学ぶのにも最適だ。マーケティング全体を学んだあと、個別に深ぼっていきたいときにおすすめだ。
学びのチャンスを生かして成長につなげよう
『GLOBIS 学び放題』は、隙間時間で学習できるように1コースのセクションを3~5分に分割しています。この長さは都内の電車の一駅間程度で視聴できることを想定しました。一つのテーマを細かく分けているので少しずつ学習しやすいですし、セクションごとにポイントを絞って情報を得られます。ビジネス書1冊程度の価格で学べるので、その感覚で学習の新しい選択肢としてとらえてもらえればと思います(下道氏)
「GLOBIS 学び放題」の動画コンテンツは、2022年3月現在で約4,500本が公開されている。現在も半期で約300本の新作動画が追加されており、最新トピックやニーズの高い内容もカバーしている。“人生100年時代” 自身のキャリアップのために継続的に学べるサービスだ。何より、スマートフォンがあればいつでもどこでも学習ができるので、忙しいマーケターでも続けやすい。
下道氏がサービス開発をするにあたって、ユーザーインタビューを行ったところ、「わからないことがあったとき、テキストで検索して調べるのではなく、動画で検索して見て解決する方が効率的」と話す人がいたという。その言葉どおり、会員数は2022年現在で20万人を突破した。多くの人が動画を使った新しい学びに挑戦している。
受講者の声
一方、受講者の反応はどうだろうか。さまざまな立場で活用していることが感じられるコメントが寄せられている。
会議を取り回す立場になったが、会議をどう進行していいかわからないという課題を抱えていた方が、ファシリテーションの動画を見て、会議の議題設定、論点の整理を学び、会議内で結論を導くことができるようになった
クライアントと交渉しないといけないが、そのやり方を教わったことがないという方が、ネゴシエーションスキル(基本編)を見て、自分の交渉をシミュレーションして、実際に成功した
また、ユーザー向けのコミュニティイベントがあり、そこで知り合った方が自主的に勉強会を開催し、会員同士で学びを高め合うこともあるという。最後に下道氏より若手のマーケターに向けてメッセージをもらった。
マーケティングは実務で役立つだけでなく、自分自身のキャリアを考える際にも応用できる経営理論です。さらに会社やチームがピンチに陥ったとき、仲間や同僚を救うことができるかもしれない非常に強力な智恵ともなります。この力を最大化すべく、マーケティングの全体像や、他の人に働きかけるための考え方やコミュニケーションを学んでほしいです(下道氏)
ソーシャルもやってます!