SEOでブランドの将来性を高める8つのステップ(後編:業界の変化への適応と分析)
SEOでブランドの将来性を高める8つのステップを、前後編の2回に分けてお届けしているこの記事。前編では最初の3つである「進化するSEO環境を理解する」「包括的なSEO監査を実施する」「強固なSEO基盤を確立する」について説明した。
後編となる今回は、残る5つのステップを見ていこう。
- 進化するSEO環境を理解する(前編)
- 包括的なSEO監査の実施(前編)
- 強固なSEO基盤を築く(前編)
- アルゴリズムのアップデートや業界の変化に適応する(この記事)
- 強力な被リンクプロファイルを構築する(この記事)
- UXを活用してSEOを成功させる(この記事)
- SEOのパフォーマンスを監視して分析する(この記事)
- 新たなSEOの機会とテクノロジーを受け入れる(この記事)
SEOを利用してブランドの将来性を高める8つのステップ(続き)
SEOでブランドの将来性を高める8つのステップ④
アルゴリズムのアップデートや業界の変化に適応する
デジタル環境で生き残るには、アルゴリズムのアップデートや業界の変化に遅れずについていかなければならない。アルゴリズムは、検索エンジンがコンテンツをクロールしてインデックス化し、検索結果に表示する方法を一変させる。そのため、ウェブサイトのオーナーはこれらの変更に適応していくしかない。
では、どうすればこうした突然の変化を乗り切れるのだろうか。
アルゴリズムのアップデートを乗り切るには、常に最新の情報を入手し、学び続け、SEOのアプローチについて柔軟に考える必要がある。それには、次の方法がある:
- SEOコミュニティに参加する
- 新しいアルゴリズムアップデートについて貴重な洞察が得られるネットワークを持つ
新しいアルゴリズムアップデートがリリースされたら、成長のチャンスととらえて、すばやく適応しよう。
アルゴリズムのペナルティは大きな打撃になることもあるが、ペナルティは軌道修正するためのチケットだと思ってほしい。つまり、ペナルティは「問題があったものを修正するチャンスが与えるもの」だと考えるのだ。ペナルティを解決するには、原因になった問題を分析し、適切に修正し、再審査のリクエストを送信する必要がある。
検索エンジンのアルゴリズムは今後も進化し続けるだろう。つまり、SEO戦略は、新たなアルゴリズムアップデートの可能性を考慮した柔軟なものにする必要がある(リンク先は日本語記事)。継続的に学習し、変化に適応し、ユーザーの行動や新しいトレンドを理解することでしか、アルゴリズムについていけないのだ。
SEOでブランドの将来性を高める8つのステップ⑤
強力な被リンクプロファイルを構築する
将来を見据えたブランドの構築を成功させるには、強力な被リンクプロファイルが不可欠だ。被リンクは他のユーザーからの信頼の証となり、その結果、検索順位を上げ、ネット上で信頼を築く助けになる。これは現在だけでなく、将来にも役立つだろう。
私は被リンクを、検索順位やドメインオーソリティに影響を与えるネット上の肯定的なレコメンドに例えたい。優れた被リンクプロファイルによって、ウェブサイトへの信用と信頼が高まる。
ただし、すべての被リンクが良いものとは限らない点には注意してほしい:
良い被リンク ―― 信頼できるソースからのもので、コンテンツと関連性があるもの
悪い被リンク ―― スパムサイトからのものや、コンテンツとは無関係のものなど、注意を払う価値のないもの
SEOの面でブランドの将来性を高めるには、関連する高品質な被リンクが必要だ。高品質な被リンクを獲得する方法には、次のようなものがある:
評判の良いサイトにゲスト投稿する
他の人が参考にしたくなるような質の高いコンテンツを書く
インフルエンサー、ブロガー、業界リーダーとつながる(コラボレーションの機会につながる可能性がある)
いろいろなウェブサイトに接触して、リンクビルディングの機会を探る
コンテンツをコミュニティで共有する(気に入ってもらえれば、それぞれのネットワークで共有してもらえるため、さらなる被リンクの獲得につながる可能性がある)
常に被リンクプロファイルを点検し、質の低い被リンクがあれば削除しよう:
MozのLink Explorerは、被リンクプロファイルの健全性を調査して追跡できる優れたツールだ。
Google Search Consoleは無料のツールで、ウェブサイトの被リンクの概要を確認するのにも役立つ。
SEOでブランドの将来性を高める8つのステップ⑥
UXを活用してSEOを成功させる
デジタルにおいてブランドの未来を確保するには、ユーザーエクスペリエンス(UX)を最適化する優れたSEO戦略が鍵を握っている。優れたUXは、検索エンジンの表示順位やユーザーによるウェブサイトの使い方に影響を及ぼす。
優れたデザインの使いやすいウェブサイトは、次のような効果をもたらす:
- 訪問者を引きつけ
- 訪問者にコンテンツの利用を促し
- 訪問者のウェブサイトでの滞在時間も長くなる
ウェブサイトのUXとSEOが調和していれば、SEOによって検索順位が上がりやすくなる。
UXを豊かなものにする秘訣は、使いやすいデザインのウェブサイトにすることだ。すっきりしたデザインで、わかりやすいナビゲーションにし、適切なフォントサイズでユーザーの満足度を高める必要がある。
また、さまざまなデバイスで閲覧するユーザーに合わせて、レスポンシブデザインにすることも検討すべきだ。これによりエンゲージメントが高まり、滞在時間が長くなる。
ウェブサイトの読み込み速度を決して過小評価してはならない。読み込みが速くモバイルでアクセスできることは、検索順位を左右する重要な条件だ。今日、読み込み速度とモバイル対応は、Googleがウェブサイトの検索順位を決める要因となっている。
読み込み速度を最適化するためには、次のことをしよう:
- 画像を最適化する
- CSSとJavaScriptのコードを減らす
- ウェブサイト上のリダイレクト回数を減らす
- CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を利用する
Googleアナリティクスを利用して直帰率や滞在時間を調べることで、ユーザーインタラクションなど多くのことを把握できる。直帰率が低くて滞在時間が長ければ、品質や関連性が高いことを示している。
SEOでブランドの将来性を高める8つのステップ⑦
SEOのパフォーマンスを監視して分析する
SEOによってビジネスの将来性を高めるプロセスは、コンテンツ戦略を策定して実行するだけにとどまらない。SEOのパフォーマンスを監視して追跡し、データドリブンな意思決定が求められる。
SEOにおける分析は数字がすべてというわけではない。SEOにおける分析は、数字からわかるストーリーがすべてなのだと理解しよう。これを成功させるには、常に進捗に注意を払おう。
GoogleアナリティクスなどのSEOツールは、次のことを監視するのに役立つ:
- トラフィック
- ユーザー行動
- コンバージョン率
Moz Proなどのツールは、次のことに役立つ:
- キーワードの追跡
- 競合分析
- 被リンクの洞察
これらのツールは、何がうまくいっていて、何がうまくいっていないかを特定する助けになる。
データドリブンな意思決定をするには、分析プラットフォームを設定する必要がある。フォームの送信やeコマース取引をパフォーマンス指標として追跡するなど、自らの目標を把握しよう。Googleアナリティクス4でカスタムレポートを作る方法についての詳細は、プリーティ・グプタ氏の記事をチェックしてほしい。
SEOの観点では、キーワードごとに次の数字を追跡しよう:
- 検索順位 ―― 君のSEOの取り組みがどれほど効果的かを示す
- オーガニック検索トラフィック ―― Googleでどれだけの人が君のウェブサイトを見つけたかを示す
- コンバージョン率 ―― どれほどの訪問者が有料顧客になったかを示す
これらの指標を理解することで、SEOの取り組みの効率を把握し、改善すべき領域を特定しやすくなる。データを必ず定期的に確認し、不要な要素が見つかったら取り除くことで、SEOの取り組みを管理しよう。
SEOでブランドの将来性を高める8つのステップ⑧
新たなSEOの機会とテクノロジーを受け入れる
自分のビジネスに影響がある最新のトレンドについて調べているだろうか。まだAIや生成テクノロジーに対応していない人は、今こそ対応すべきだ。競争力を高め、将来を見据えたブランドを構築しやすくなる。
AIは仕事の効率化に役立つ。ChatGPTなどの生成AIツールを使ってデータを分析し、関連キーワードを見つけることで、競争力を維持するなど、多くのことが可能になる。生成AIは、キーワードベースの最適化からセマンティック検索へ重点を移すのに役立つ。より関連性が高く正確な情報を訪問者に提供できれば、検索結果でウェブサイトが上位に表示されやすくなる。
音声検索も、現在注目が高まっているトレンドだ(リンク先は日本語記事)。ほとんどの人は、文字を入力するより話す方が簡単だと感じている。SiriやGoogleアシスタントなどの音声アシスタントが普及し、デバイスに話しかける操作がこれまで以上に増えている。だからこそ、ウェブサイトをモバイル対応にして、このトレンドに適応する必要がある。
音声検索に合わせてウェブサイトを最適化できなければ、大きなチャンスを逃してしまいかねない。では、どうすれば音声検索にウェブサイトを最適化できるだろうか。
まず、顧客がどのような話し方をするか学び、話すときに使うような、より自然なフレーズを使おう。コンテンツで「なぜ」「何を」「誰が」「どこで」「どのように」という疑問に答えることに重点を置こう。
「価値あるコンテンツ」も無視できないトレンドだ。コンテンツがオーディエンスの疑問に答えているか、E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)ガイドラインに準拠しているか、常に確認してほしい。
構造化データ(スキーママークアップ)も、注目すべきSEOの重要な側面だ(リンク先は日本語記事)。
構造化データとは、ウェブサイト上のコンテンツに次のような情報を含めるものだ:
- 製品レビュー
- 評価
- イベント
- FAQ
- ブログ(のメタデータ)
- ウェブページ(のメタデータ)
- ウェブサイト(のメタデータ)
これらの情報を、検索エンジンが理解できる書式でHTML内に記述するのが「構造化データ」で、付加的なコンテキスト(コンテンツの種類やその内容)を検索エンジンに提供する。これらのデータを検索エンジンが認識すれば、多くのウェブサイトが並ぶ検索結果ページで、君のページの情報を目立つ形で表示してくれる。ウェブサイトに構造化データを実装することで、トラフィックやクリック数を増やせる。
まとめ
これで以上だ。SEOによる将来を見据えたブランドの構築に一歩近づいたことになる。これらの戦略を秘密兵器として使い、SEOにおける競争で優位を維持してほしい。
常に業界の変化に注意を払い、オンラインプレゼンスを微調整することを忘れないでほしい。そうすることで、ブランドの将来性を高めるだけでなく、オンラインで永続的な地位を構築する助けになる。装備を整え、適応し、デジタルの成功を目指すプロセスを楽しもう。
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