今夏のボーナス「増額」企業が3割、業績より物価高が理由でやむなく増額?【東京商工リサーチ調べ】
東京商工リサーチは、「2023年夏の賞与(ボーナス)」に関する調査結果を発表した。4,992社がアンケートに回答している。
賞与増額、大企業は36.6%・中小企業は32.0%
まず「今夏の賞与(一時金)の支給見通しは、前年夏と比較すると次のどれですか?」と選択式で聞くと、「増加」32.5%(1,627社)、「減少」12.2%(611社)、「横ばい」55.1%(2,754社)で、半数以上が前年並みだったが、減額より増額の意向を示した企業が多い。
規模別では、大企業が「増加」36.6%(617社中226社)に対し、中小企業は32.0%(4,375社中1,401社)とやや下回るが大きな差は見られない。
なお業種別で見ると、「増加」が高かったのは、「水運業」81.8%(11社中9社)、「各種商品卸売業」57.6%(26社中15社)、「宿泊業」55.5%(18社中10社)など円安の恩恵を受けたり、コロナ禍からの回復が進む業種が多い。逆に「減少」は製造業が多かった。
「増加」と回答した企業に増加率(前年比)を聞くと、最多レンジは「10%以上20%未満」の36.5%(397社)。以下「10%未満」27.2%(296社)が続く。規模別でもこの傾向は変わらない。
「増加」と回答した企業に理由を聞くと、「物価高へ対応するため」57.4%(910社)が「業績好調のため」53.8%(853社)をわずかに上回る。「人材確保のため」48.2%(765社)、「賃上げ機運が強いため」41.0%(651社)がこれに続いた。
規模別で見ると、「業績好調」は大企業のほうが多いが、「物価高への対応」は中小企業のほうが多い。大企業は好調な業績を反映した増額だが、中小企業では物価高でやむを得ず増額した形で、結果的に増額判断などに企業規模の差が少なくなったと推察される。
調査概要
- 【調査対象】資本金1億円以上を「大企業」、1億円未満(個人企業等を含む)を「中小企業」と定義
- 【調査方法】インターネットによるアンケート調査
- 【調査時期】2023年6月1日~8日
- 【有効回答数】4,992社
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