敷居を下げる努力がますます必要に/実践! ウェブ電話ケーススタディ:アドバンスクリエイト
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[特集]ウェブ電話のすべて――ネットマーケティング最前線
“よし、買おう”への最後のひと押し!
SEO/SEM/LPOでは勝負がつかない! ネット営業の最終兵器「ウェブ電話」を活用しよう
ネット利用者の多様化に伴い
電話や対面での
アナログ窓口を強化
株式会社アドバンスクリエイト
http://www.hokende.com/
- 設立:1995年10月
- 事業内容:生命保険・損害保険の保険代理店事業
チラシからウェブへ主力媒体が変化し、電話の必要性が高まる
1995年に創業した保険の販売代理店、とりわけチラシのポスティングによる通信販売で高い実績を培ってきた、株式会社アドバンスクリエイト(以下、アドバンスクリエイト)。2002年に、保険専業代理店としては全国初の上場を果たしたことでも有名だ。現在はポスティングに加えダイレクトメールや新聞広告によるアナログ通販や店舗での対面販売、さらには日本最大級の保険比較サイト「保険市場」によるウェブ販売と、幅広いチャネルで保険商品を扱い、「手軽に自由に保険を選べる流通市場」を実現している。
ここでウェブ電話は、フリーダイヤルとの併設で、アドバンスクリエイトの比較サイト「保険市場」の問い合わせ窓口として使われている。
実は、アドバンスクリエイトがウェブ電話を導入した背景には、保険業界を取り巻く環境の変化が深く関係している。
「当社は2002年に上場するまで、ポスティングによるプロモーションで顧客を開拓する通信販売で収益をあげていました。全盛期は日本全国およそ4900万世帯のうち、3500万世帯に1ヶ月で投函する配布網を持っていたほどです。当時は、通販各社やクレジットカード会社が会員向けに保険を販売するということはありましたが、当社のように自宅にチラシを配るというビジネスモデルはなかったと思います」(ダイレクトマーケティング部 鳥居俊文氏、以下同)
今でこそ医療保険は一般的な商品になっているが、かつて日本では国内メーカーのメイン商品は死亡保険だったという。一部外資系保険会社が、がん保険など医療保険を扱っていたが、職域販売(保険外交員が企業に訪問して契約をもらう)がほとんどだったので、会社勤め以外の人はどう入っていいかわからないという状況……。だからこそアドバンスクリエイトは、多くの人が医療保険を手に取れるよう、一般家庭にポスティングするという、他にはない手法をとったのだ。
「通信販売だけではお客さまの保険に対する疑問などに応えられない、完全ではないという思いもあり、上場後に展開したのが対面の保険ショップである『保険市場』です。比較サイトと同じ名称で運営しています」
ここでは、来訪者が自分に合った保険を相談しながら買うことができる。ショッピングセンターや地下鉄の駅の構内、カフェに併設されたショップなど、全国に121店舗ある(2007年9月30日現在)。
「今でこそ保険のショップ販売は珍しくはなく、むしろブームともいえますが、当社では早くから取り組んできました」
ウェブサイトからの申し込みが全体の9割を超える時代に
ウェブへの取り組みも格段に早く、なんと1998年にはすでに自社ウェブサイトがあったという。当時は、保険メーカーのサイトもまだない頃だ。
「ファックスに代わる販売チャンネルとしてサイトをオープンしたのですが、当時はメールでお客さまのお名前やご住所をお送り頂き、資料を発送するというものでした。現在の比較サイトの形になったのは、2002年からです」
現在、ウェブ経由での資料請求が全体の9割。ほとんどが「保険市場」のサイトから。いまや、ウェブが主流で、チラシなどのアナログ通販は、都会に比べてインターネット普及率が低い地域を中心に行っている。
「ハガキだと個人情報が見えるので、都心部の女性を中心に、敬遠するお客さまも増えましたね。それよりは時間を選ばす簡単で、便利に商品を比較検討できるウェブサイトの利用が増えてきたようです」
また、以前は保険の外交員がオフィスに赴きプロモーションしていたが、最近は防犯や情報漏洩の観点から部外者の入室を禁じている企業も多く、社内で保険に触れる機会が減っている。社員の会社に対する帰属意識も低く、かつてのように先輩が後輩に保険を勧めるといった光景も見られなくなった。その結果、ウェブなどを通じて自分に合った保険をみずから探すという形が当たり前になってきたのだ。アドバンスクリエイトでは、こういった環境の変化に伴い、ウェブサイトからの問い合わせ窓口の多様化を図るという意味で、ウェブ電話を採用。現在、「保険市場」のサイトには、フリーダイヤル、ウェブ電話、問い合わせフォームの3種類の窓口が設置されている。
幅広い年齢層に対応するには、電話は必要不可欠
ウェブ電話を導入した理由は、単に問い合わせ窓口の多様化にとどまらない。インターネット利用者の多様化も無視できないのだ。
「去年くらいまでは、ウェブ経由での問い合わせはパソコンに慣れた方からというのが多かったのですが、今年に入ってからは、検索エンジンが一般化したためでしょうか、電話帳がわりに検索サイトにアクセスし、問い合わせてこられるお客さまが増えてきたのです」
インターネットの利便性が増したお陰で、利用者が急増した結果だろう。もちろんそれに伴い、年齢層も広がっている。
「また、かつては、問い合わせが寄せられるコアタイムは21時過ぎから夜中までだったのですが、今は昼間の時間帯がもっとも多くて19時前後には減り、また夜に増えるといった具合。つまり、多くの主婦の方がご覧になっているということです」
一般的に保険に関心を持つのは、35歳前後・既婚で子持ちの主婦が多いという。独身時や既婚者でも子供がいない場合は保険の必要性は低いが、子供ができるとなると話は異なる。また、子育てもひと段落した50歳前後の方々も老後のために保険を見直すことが多いという。
「35歳前後の方はインターネットに馴染みの深い世代ですが、50歳前後の方はそうではありません。ウェブ電話を導入したのは、電話という会話による窓口があれば、インターネットに慣れないお客さまにも対応しやすいからです」
事実、保険の資料を請求するのに、問い合わせフォームに必要事項を記入するのは、なかなか労力が求められる。自動車保険ともなると、保有する自動車の年式など内容は多岐に渡る。慣れないと30分以上はかかるだろう。電話による窓口が必要なのはいうまでもない。
「コールバック予約機能にも注目しています。当社の電話窓口は平日はもちろん、土日祝日も21時まで開いていますが、中にはこれでも間に合わない方だっていらっしゃるはずです。そういったお客さまにコールバック予約で都合のよい時間を指定していただければ、顧客獲得の機会が増加するのではないかという考えもあります」
幅広い年齢層に対応するために、電話というインフラが必要なのはもちろん、コールバック予約で機会損失を防ぐ。ユーザーの特性に配慮して、ウェブ電話という適切なツールを用いているわけだ。
今後はウェブと対面の二極化。電話の役割はますます高まる
アドバンスクリエイトでは現在、常時5〜6人のオペレーターが電話問い合わせの窓口を担当。ウェブ電話経由の問い合わせも増えているという。
「現在はお客さまもまだフリーダイヤルに馴染みがあるのでしょうが、クリック・トゥ・コールが浸透するにつれダイレクトコールを含め、ウェブ電話を使われるお客さまも増えていくでしょう」
今後のポイントは、アナログ媒体からいかにウェブサイトに誘導するか、だ。
「自動車保険や医療保険など内容がシンプルな保険はウェブサイトから申し込み、個人年金保険など資産形成に関わる、複雑で、ファイナンシャルプランナーのコンサルティングが必要な商品は対面販売になっていくと思います。そのためには現在の保険ショップ・比較サイト両方の『保険市場』の役割はより増すはず。お客さまが使いやすいよう、店舗スタッフのクオリティの向上やコールセンターを充実させていくことが今後の課題です」
今や、日常生活に欠かせなくなった保険。インターネットの普及により、自分に合った商品が探しやすい環境も整ってきた。さらに、ウェブ上だけではなく、電話という「人対人」のコミュニケーションができるインフラが整うことで、より身近になるに違いない。ウェブ電話を使ったアドバンスクリエイトの取り組みは、保険業界の新たなスタンダードになるだろう。
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ウェブ電話のすべて ~ネットマーケティング最前線
ウェブサイトからボタンをクリックするだけで電話がつながる
ネット営業の最終兵器を活用しよう
ウェブ電話は、企業や店舗とサイト閲覧者をダイレクトにつなぐ「ネット営業の最終兵器」となり得る技術として関心が高まりつつある新しいコミュニケーションツールだ。ウェブ電話のサービスを使えば、お客様はウェブサイトに設置したボタンをクリックするだけであなたの会社に電話をかけられる。ユーザ側には通話料がかからない無料ダイヤルなので、サイト運営者側には、お客様からの問い合わせが増える、直接話せることにより成約率がアップするなどのメリットがある。
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