最新事例に学ぶ、企業のソーシャルメディア活用とコンタクト管理・分析の技 | ハンモック
セミナーイベント「Web担当者Forumミーティング 2011 Autumn」(2011年11月8日開催)の講演をレポートする。他のセッションのレポートはこちらから。
TwitterやFacebookなど、急速に普及するソーシャルメディアは、Web担当者にとって無視できない存在だ。特にコンシューマ向けビジネスを展開する企業にとっては、マーケティングでの活用がテーマとなっている。しかし、あまりにも膨大なソーシャルメディアのコンテンツから価値ある情報を得ることは簡単ではない。ハンモック 営業本部 企画部 GLUEプロジェクトの鮭延(さけのべ)万里子氏の講演では、ウェブにあふれるソーシャルメディアのデータ活用事例が紹介された。
ソーシャルメディアのデータ活用に対する可能性と課題
ソーシャルメディアの普及によって、ウェブ上には以前にも増して多くのユーザーの“声”が散在するようになった。世の中で話題となっているトピック、特定の製品やサービスに対する評価や感想などさまざまだ。これらのデータは、企業がマーケティングに活用できる可能性を秘めていると注目されているが、課題もある。それは、データの量が膨大であるため、その収集や整理、分析が簡単ではないということだ。
たとえば、販促やブランディングにTwitterを利用しようとすると、膨大なツイートのなかから関連するものを抽出して分析しなければならない。さらに、直接対話によるサポート(アクティブサポート)を展開しようとすると、その履歴管理が必要になる。継続して実践するには、24時間365日活動している膨大な数のユーザーを相手にしなければならない。
企業の一方的な「やりっ放し」では炎上のリスクもあり、施策前後のユーザーの動向を把握しておかなければPDCAサイクルにおける「Check」が欠けてしまうことになる。そうなると、次の正しい「Action」につなげることもできない。このような悩みを解決し、企業のソーシャルメディア活用をサポートするツールがハンモックの「GLUE Webマイニング」だ。
鮭延氏は、企業にとって必要となるのは、「ソーシャルメディアを含む、ウェブ上に集まるテキスト情報の整理、管理、分析を一元化させること
」であるとし、GLUE Webマイニングによってそれが可能になるとし、2つの事例を紹介した。
事例1 Twitterをマーケティングとアクティブサポートに活用
1つ目に紹介されたのは、ある大手アパレルメーカーだ。EC販売がメインの同企業では、Twitterを利用したアクティブサポートのためにGLUE Webマイニングを導入した。
まず、アクティブサポートを実践するにあたり、Twitter上のツイートから自社製品に関するものをキーワード指定し収集した。ただし、この段階では雑多な情報も多数含まれており、数も膨大である。そこで、「ネガティブ/ポジティブの判定」「リツイートの除外(RTは自発的ではない)」「ボットアカウントの発言除外」「名寄せ」などのテキストマイニングによる絞り込みと整理を行った。
ここまで来るとデータはある程度整理され、内容の関連性も高くなる。クレームや質問のツイートがあればフォロー(対応)し、それをDBに蓄積して管理する。また、キーワードのヒット率(出現頻度)を分析することで、Twitter上のトレンドも把握できる。グラフの山を分析すると、なぜそこで盛り上がったのかがわかる。たとえば、自社商品の販促キャンペーンを実施した際に、どの程度の話題性があったかやその推移を調べることができる。いわゆる、マーケティングのPDCAにおける「Check」が可能となる。
事例2 海外でのEC展開に向けて市場調査に活用
2つ目に紹介されたのは、中国市場で自社製品のEC販売に乗り出す電気メーカーの事例だ。
現地での自社製品に対する評価を把握したいという要望から、GLUE Webマイニングを使って中国版のAmazonやモール大手の淘宝網(タオバオ)のサイトに掲載されている情報を収集して分析し、製品評価、競合製品の価格動向、ブランドの認知度などを抽出して調査した。それによって市場を把握できたことに加え、極端に低価格で販売している店をチェックしたところ、商品偽造が発覚するといった副次的成果もあったという。
GLUE Webマイニングは、Twitterやmixi、Facebookといった主要SNSに加えて、海外ウェブサイトの情報も収集分析の対象にできる。また、中国語をはじめ、多言語サポートも進めており、グローバル展開を考える企業のソーシャルメディア活用もサポートするという。
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