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SEOでやるべきことはわかった。ちゃんと実行に移すにはどうすりゃいいんだ?

今週のSEOmozは、SEOで必要な“実際の行動”を起こすために大切なこと。

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今週のSEOmozは、SEOで必要な“実際の行動”を起こすために大切なこと。ビデオ記事の内容から、社内SEO担当者にもSEOコンサルタントにも共通して大切なポイントをお届けする。

SEOmozファンのみんな。僕はトム・クリッチロウ。現在はここシアトルにいて、SEOmozであれこれいろんなことを手伝っている。今日はどうやってSEOを成功させるかについて話していこう。

さて、SEO業界では日常茶飯事だし、実際のところコンサルティングのあらゆる分野でもそうなんだけど、こんな不満をよく耳にする。

やるべきことは分かっている。SEOのテクニックがどんなものかも知っている。もっとリンクが必要なのかもしれないし、サイトに変更が必要なのかもしれないということも分かっている。問題点を見つけて解決法を考え出すことが難しいわけじゃない。

難しいのは、それを実行に移すことだ。

今日僕がこれから話すのは、「答えを知っている」という状態から抜け出し、「答えを実行する」ためのコツだ。では、さっそく始めよう。

立派なレポートなんて不要だ!?

第1は「レポートの量を減らす」ことだ。SEOのコンサルティングをやっていて、レポートが僕にとって最大の悩みの種だ。代理店、個人のSEO業者、社内のSEO担当者などから常にレポートがくる。長ったらしい大作で、50~100ページのレポートだ。

僕が働くDistilledでは、レポートをごくごく短くするよう懸命に努めている。Distilledで僕が指導しているみんなにも、このことを叩きこもうとしている。長いレポートを書くことと物事を実行することは違うからだ。

たとえば、レポートを送付するとしよう。それは100ページのレポートで、君は「よし、立派なレポートだ」と思う。そしてそれをクライアントに送る。でも、クライアントはたぶん読まない。レポートで物事が進むことなんてない。だから、長ったらしいレポートを送るのではなくて、僕が思うレポートの2つの主な役割を考えてみてほしい。

2つの役割とはこうだ。

  1. レポートは、誰かに何かを実行するよう説得しなければならない。

  2. レポートは、具体的にどう遂行したらいいかを伝えなければならない。

僕が見たところ、50ページ、100ページというレポートを送る人は、この2つを混同していることが非常に多い。

そんなわけで、変化したり行動したりを誰かに説得するのに、本当に必要なのは1ページだけだ。あるいは、電話をかけたり会って話をしたりする必要があるかもしれない。

たとえば、オンページSEOに大量の変更があって、すべてをやり遂げるには開発者に膨大な作業時間を割いてもらわなければならないだとしよう。マーケティングのディレクターなり責任者なり、とにかく上司のところに行って「この作業を実行してもらう必要があります」と伝えると、「なぜ?」と聞かれるだろう。この質問に答える必要はある。でも、そのために100ページものレポートは必要ない。レポートなんか忘れて、こうした変更を行う必要があるのだと、誰であれ関係者たちを説得しよう。

それから次の役割として、その変更を実行に移すことが必要になる。だが多くの場合、変更を実行に移すとは、開発者チームと協力することだったり、開発者チームの管理者と一緒にランチを食べにいくことだったり、あるいは自らサイト上で作業をすることだったりする。

それを実行に移すために必要な物が何であろうと、そのことに集中するべきだ。長大なレポートは忘れよう。もちろん、時には仕様を書き出す必要もある。出向いて「実は、これらのページ全部でこのキーワード変更が必要です」だとか、「情報アーキテクチャはこうする必要があります」などと説明しなければならない。

文書化しておくべきことは確かにあり、厳格な仕様が必要な場合は、特に開発者のために必要となる。しかしそのことと、多くのコンサルタントがやっているようなこと、つまり、理由の説明と詳細な技術的説明がどちらも入った膨大なレポートを送りつけることを混同してはいけない。理由と技術的説明を切り離すように心がければ、説得と実行を分離できる。大雑把な言い方だが、レポートを書く量を減らそう。実行あるのみだ。

「どう」実施するのかのプロセス

第2は「プロセス」だ。提出されるレポートとか、コンサルティング会社やSEO会社の提案、さらにはブログ投稿でもたびたび見かけるのが、「Xを実施すべきです」という言い方だ。だが、当の会社なりウェブサイトが実際にどういう方法でXを実施するのかについて、ほとんど説明がない。

たとえば、“ゲスト投稿でリンクを増やす”という施策について考えてみよう。君がレポートに次のようにと書くとしよう。

御社に関連する分野でリンクを構築するのに、他の関連ブログにゲストとして投稿するのは、優れた手段です。

僕はたくさんのレポートでこの手のものを見てきた。だが、これでは行動につながらない。この提案をクライアントはいかにして受け入れるのだろう? 実際のゲスト投稿へとどうつなげていくのだろう?

そう、カギはプロセスにある。コンサルティングを行うとき、何かを実行させようとするとき、企業が行うあらゆることの中心にはプロセスがある。まだ行われていないことをやらせたいなら新しいプロセスが必要だし、既存のプロセスがあるなら、SEOに適したものにしたり、思惑通りの方法で実現したりするのに修正が必要かもしれない。

プロセスの考案や改善の際に重要なのは、すでにあるプロセスを理解することだ。だから、もしもSEO会社に就職したり、Webコンサルティングをしたりする場合、あるいは企業内のSEO担当者として働く場合も、「現在は物事がどのように行われているかを」理解しよう。もし物事がどのように動いているかを理解していなければ、変更を提案したり、「これをやるべきです」「あれをやるべきです」などと助言したりできるわけがない。現状を理解していなければ、行き着く先は失敗だろう。

提案をする際には、たとえば「ゲスト投稿を実行してください」という言い方はやめよう。これは行動につながらない。そうではなく、「ゲスト投稿のためのプロセスを御社向けにアレンジしたものがこれです」という表現を心がけよう。

そのためには、誰がそれを実行するのかを理解する必要があるかもしれない。

  • スタッフはいるのか?
  • 増員の必要があるのか?
  • 既存の役割の中でその作業を担当できる人はいるのか?
  • どういう方法で実施するのか?
  • 担当する人は経験があるのか?
  • スキルはあるのか?
  • ツールはあるのか?
  • ほかのトラッキングは実施されているのか?
  • 費用はいくらかかるのか?
  • 5人が終日取り組むことになるのか?
  • 1人のスタッフが片手間でできるのか?

「誰が」「どのように」「いくら」の3つを理解することは、物事を実行する上で本当に役に立つんだ。

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