既存サイトのリンク構築6か月計画【3か月目】ソーシャル・コンテンツ資産改善・リンクを取り戻すなど
この記事は、既存サイトのリンク構築を6か月間で行う計画を、4回の記事に分けて紹介している。今回は、3か月目に実施すべき作業を見ていこう。(→1か月目から読む)
- 1か月目 リンクプロファイルの吟味 | 市場動向分析(競合相手のリンクプロファイル分析、リンク機会のマッピング) | 戦略の策定
- 2か月目 リンクの削除と更新 | コンテンツ資産の仕分け | コンテンツ資産のギャップ分析 | サイト内リンクの最適化 | 古いゲスト投稿の更新 | リンクの再生
- 3か月目(この記事) ソーシャルを使いこなす | コンテンツ資産を改善する | リンクを取り戻す | ブログを開始する | 直接競合する相手のリンク機会を自分のものにする
- 4か月目 ゲストブログ | ブログを書き続ける | コンテンツ資産を高めるブロガーへの働きかけ
- 5か月目 コンテンツ資産を高めるウェブマスターへのプロモーション | ゲストブログの投稿 | ブログ投稿 | 新しいコンテンツ資産を追加する
- 6か月目 影響力のある人への新しいコンテンツ資産の案内 | ウェブマスターへの新しいコンテンツ資産の案内 | ゲストブログ:新しいコンテンツ資産用&新しいニッチ市場向け | ブログを書き続ける
3か月目
この6か月計画も中盤に入り、いよいよ本当におもしろい作業に着手する。これからの4週間は忙しくなるぞ……。
その他ソーシャルを使いこなす
規模の大きいクライアントのなかには、専任の代理店や社内部門にソーシャルメディアを担当させているところも多いため、この手は使えないかもしれない。だが、リンクビルディングとソーシャルメディアとの関係はますます密接になりつつあることから、利用できるソーシャルメディアのアカウントにアクセスできるようにしておくことは絶対に必要だ。
クライアントがメインで利用しているソーシャルメディアのアカウントを使わせてもらえる場合もあるが、それができない場合、僕らはサブアカウントを作る。たいていの場合、密接な協力関係にある業界人とつながりを持たせておくのだが、そういった人たちはこのキャンペーンで活動の「顔」になってくれるはずだ。
何らかの形のソーシャルプレゼンス(理想的なのはTwitterだ)にアクセスできるようにしておくことが重要なのは、価値の高いリンクを張ってくれそうな相手との確かなコミュニケーションが可能になるからだ。こうした相手とは、メールでアプローチする前に、ソーシャルメディアで交流してウォーミングアップしておいた方がよいのだ。
また、ソーシャルメディアは、ブログコンテンツを売り込んだりゲストによる投稿記事を宣伝したりする手段としても価値があるので、時間が経つにつれ、リンクしてくれそうな人たちの目の前に、彼らのWebサイトにソーシャルトラフィックを誘導するという形で、もう1つのニンジンをぶら下げることになるわけだ。
ソーシャルメディアを使いこなすのは決して簡単ではない。僕らはゲスト投稿をツイートできないという状況を経験したことがあるが、それは、クライアントが所有していないサイト上への投稿だったことが原因だった。
コンテンツコンテンツ資産を改善する
前回の2か月目では、「手直しの必要があるコンテンツ資産」、もっと具体的に言うと、そうしたコンテンツ資産を合格点の取れるものにするには何が必要かを特定するために、ギャップ分析を行った。
ここでは、分析のあとの、実際の作業に取り掛かる。コンテンツの改善においては、次のことをよく考えよう。
- 自分のやっていることが見込み顧客にメリットをもたらしそうか
- そうではなく平凡なコンテンツの数を増やしているだけなのか
僕が大好きなのは、リンク獲得を助けると同時に、何らかの形でセールスプロセスの支援にも役立つコンテンツを作ることだ。それはたとえば、注目を集めてターゲットとする訪問者を「じょうご」の入口まで誘い込むコンテンツだったり、プリンタを購入しようと考えているユーザーが自分にとって必要な機種を選ぶのを手伝うコンテンツだったりする。
コンテンツを増やしたいがためだけにコンテンツ資産を肥大させてはいけない。ギャップ分析の結果をしっかりと踏まえて、必ずそのコンテンツ資産が業界で揺るぎない首位に立てるようにしよう。
リンクリンクを取り戻す
君のコンテンツを「借用」したり、出典を明示せずに画像を使用したり、君にリンクせずに君のサイトやブランドに言及したりしている人たちがいる(潜在的機会の損失)。だから、担当しているサイトへ「正当に」張られるべき被リンクを獲得すべく働きかけることが、ここでの目的だ。
この作業は「画像」「テキスト」「言及」の3つの要素に分けられる。
画像
グーグルの類似画像検索や本当にクールなTinEyeを使うと、君の画像を使用している他のサイトをウェブ全体からすばく発見できる。
それは、君が対価を払って制作した企業向け写真かもしれないし、チャートやグラフかもしれない。基本的には、他のサイト運営者が君の画像を(知ってか知らずか)使用している場合、君には出典元へのリンクを要求する正当な権利がある。
サイト上で収集した画像を順番に見ていって(もちろん君が権利を持っていない写真素材は無視する)、連絡が必要なウェブマスターのリストを作成する。さらに、TinEyeでは、この作業をもっと大規模に行うための製品やサービスを数多く提供している。
僕らは、友好的な態度で次のようにと伝えるだけで、メールに良好な回答率を得ることができた。
私たちの画像を選んでくださって嬉しく思いますが、画像の出典がわかるように当方のサイトにリンクを張ってもらえると誠にありがたいです。
堅苦しい話や法的措置がらみの話は一切不要だ……彼らの大半は、見つかったことや、そうした行為が監視さえされていることに驚くようだ。ショックを受けた彼らは、思いのほか積極的に出典リンクを追加してくれる(ただし、キーワードを大量に含んだアンカーテキストを要求しないように)。
テキスト
Webサイト上のテキストについても、同様の手法を用いるといい。Copyscapeを使えば、担当しているサイトから他人が「借用」しているテキストをすばやく見つけられる。豊富なコンテンツを持つ大規模な既存サイト(たとえばナレッジベースや一連のブログ投稿など)の場合、他人が出典を明示せずに無断使用しているコンテンツがごっそり見つかるだろう。
ここではっきり言わせてもらうと、コンテンツを無断使用しているWebサイトの多くは、要は自分さえよければいいという考えで他人の成果物を盗んでいる。したがって、礼儀正しいメールでそういう連中から出典リンクを獲得するのは望み薄だ。
ただし、少数ではあるが、著作権問題を見落としていて、単に自分の書いたものの裏付けとするために君のコンテンツを参照したというコピペ君たちも存在する。リンク獲得の可能性が高いのは、このグループだ。
将来のテキスト無断使用防止を防ぐために、Tyntの導入を検討しよう。これを使うと、担当サイトからテキストの一部がコピーされて他のサイトにペーストされた場合、出典表示が自動的に追加される。
言及
ブロガーやジャーナリストに多いのだが、ブランド名やURLだけが言及されていてリンクになっていない場合がある。大手有名ブランドのサイトで仕事をしていれば、そういった「頼めばリンクを張ってもらえそうな機会」がほぼ毎日のようにたくさん見つかる。
もちろん、意図的にリンクしていない人もいるため、必ずリンクしてもらえるというものでもないが、ブランドやサイトに言及してくれたという事実だけで感謝に値するのだから、礼儀正しくすることを忘れないようにね (^^)。
このようにしてリンクを獲得すると、ユーザー体験の向上にもつながる。その言及を目にした人がさらに詳しい情報を欲しいと思ったとき、参考リンクがなければ、グーグルで検索するか、URLを手打ちしなければならないはずだから。
今後リンクなしの言及を防ぐために、大事なブランドの言及に対してグーグルのアラート機能を設定することを検討しよう。そうすれば、書かれて間もない内に見込みのありそうな言及を見つけ出し、リンクを依頼できる。
コンテンツブログを開始する
これはリンク構築計画のはずだよね!? ブログがリンク構築とどう関わってくるのかって?
僕らは、ブログをリンクビルディング戦略の核として考えている。ブログからは、次のように多くの機会がもたらされるからだ。
- しっかりしたコンテンツを持つリンクを直接獲得できる
- アウトリーチに役立つ信頼性を確立できる
- リンクしてくれそうな人たちの注目を集めるプラットフォームが得られる
この記事で説明しているリンク構築計画に限って言えば、4か月目の作業に備え、ゲストブログの投稿先に合わせてコンテンツカレンダーを調整するのが得策だ。こうすることで、投稿先になるかもしれないサイトにリンクを掲載してもらうことができるし、投稿させてくれそうな相手が君の仕事の力量を測りかねている場合、先方に披露できるような関連性の高いブログ記事を用意できる。
僕は、かなり広範な話題を扱ったビジネスのためのブログ活用ガイドを作り、定期的に更新している。企業ブログについての考え方やアドバイスをさらに詳しく知りたい場合は、一読をお勧めする。
リンク直接競合する相手のリンク機会を自分のものにする
1か月目の作業では、競合相手のリンクプロファイルの調査と分析を行ったが、ここではその調査結果を実行に移す。
調査で「直接的なリンク機会」と判定されたもの、すなわち自分でも獲得する価値のあるリンク機会は、リンク構築キャンペーンのこの時点で獲得すべきだ。
競合相手が獲得しているリンクを自分でも手に入れようと狙うのには、正当なビジネス上の理由がいろいろと存在する。単に「向こうが持っているからこっちにも欲しい」というだけではなく、競合相手がこれらのリンクを明らかに有効活用している場合、君としても参照を得る機会、さらにはセールスの機会を失うべきではないからだ。
ただし、競合相手のリンクを手に入れることを考える際には、しっかりと判断してほしい。競合相手のリンクプロファイルを模倣することは得策だと思えないし、もっと重要なのは、獲得しようとしているどのリンクも、次の3つの条件を満たす必要があるということだ。
- 現在の戦略と合致していて
- サイトの足を引っ張るのではなく
- 目標の達成に役立つものである
この記事は、6か月間にわたる計画を4回に分けて紹介している。最終回となる次回は、4~6か月目に行うべき作業を紹介する。
ソーシャルもやってます!