Googleアナリティクスの導入から、運用、活用まで、正式なサポートがない初めての人でもゼロから学んでいけるように、丁寧に解説していく。
Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座【速報4】待望の「新しいセグメント機能」は、「ユーザー」レベルでデータを絞り込める!(第76回)
Googleアナリティクスの多くのレポートで実行できる機能に、セグメント機能というものがある。これは特定の条件で集計データを絞り込むものだ。データ分析で非常に重要なこのセグメント機能だが、大幅なリニューアルが行われている。
2013年11月現在では、
- 古いセグメント機能である「アドバンス セグメント」のままのアカウント
- 新しいセグメント機能が使えるアカウント
の2つが併存しているが、年内にはこの新しいセグメント機能への完全移行が予定されているようだ。
「アドバンス セグメント」は「訪問」レベルで絞り込む機能だが、新しいセグメント機能は「ユーザー」レベルで条件を指定することまで可能だ。これは、アクセス解析を行う者にとっては、待ちに待った機能強化だと言える。これまで「ユーザー」レベルで集計データの絞り込みができないことが、Googleアナリティクスの大きな弱点の1つだったからだ。
そこで今回はその新しいセグメント機能について紹介していこう。すでに使えるようになっているユーザーはどのように活用できるのかを知ってほしい。まだ自分のアカウントで新しいセグメント機能を利用できないユーザーも期待して待っていてほしい。
新しいセグメント機能はどこを見ればわかるか?
自分のGoogleアナリティクスで、すでに新しいセグメント機能が使えるかどうかは、[ユーザー]>[サマリー]のレポート画面を見ればわかる。
- グローバルナビゲーションの[レポート]をクリックする
- 画面の左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする
- メニューが開くので、[サマリー]をクリックする
図1は[ユーザー]>[サマリー]レポートの左上部分だが、「チェックマーク」のようなアイコン表示(図1赤枠部分)が出ていれば、新しいセグメント機能を利用できるようになっている。ここをクリックしてみよう。
すると、図2のようなセグメント一覧リスト画面が出てくる。
標準で用意されているセグメントは22個(図2赤枠部分)で、分類すると次のとおりだ。訪問レベルのセグメントが多いが、ユーザーレベルのセグメントも多数標準で用意されたのがわかる。
種類 | セグメント | レベル |
---|---|---|
新規か リピーターか | 新規ユーザー | 訪問 |
リピーター | 訪問 | |
1回だけ訪問したユーザー | ユーザー | |
複数回訪問したユーザー | ユーザー | |
サイト内行動 によるセグメント | 直帰した訪問 | 訪問 |
直帰以外の訪問 | 訪問 | |
サイト内検索を実行したユーザー | ユーザー | |
目標達成 あるいは 購入関係の セグメント | コンバージョンに至った訪問 | 訪問 |
コンバージョンに至ったユーザー | ユーザー | |
コンバージョンに至らなかったユーザー | ユーザー | |
トランザクションが発生した訪問 | 訪問 | |
購入したユーザー | ユーザー | |
訪問時のデバイス によるセグメント | タブレット トラフィック | 訪問 |
タブレットとPCのトラフィック | 訪問 | |
モバイル トラフィック | 訪問 | |
モバイルとタブレットのトラフィック | 訪問 | |
訪問時の参照元種別 によるセグメント | ノーリファラー | 訪問 |
参照トラフィック | 訪問 | |
検索トラフィック | 訪問 | |
無料検索トラフィック | 訪問 | |
有料検索トラフィック | 訪問 |
たとえば「リピーター」と「新規ユーザー」(図2青枠部分)をクリックすると、上部のエリア(図3赤枠部分)にそのセグメントが移動し、そのセグメントが選択されていることが示される。
上部のエリア(図3赤枠部分)には4つの枠がある。これは、セグメントは最大4つまでしか選択できないということを意味している。
セグメント一覧の表示方法を変えるには?
このセグメント一覧はいくつかの表示方法が選択できる。その選択方法が図2緑枠部分だ。
- テーブルで表示する形式
- 1行ずつ表示する形式
- 組み込み
- カスタム
- スター付き
リスト表示したり、自分で新たに作成したものだけを表示させたりすることもできる。
とくに図2の表示形式だと、最初の10文字程度しか表示されずわかりにくい。そこで1行ずつ表示する形式(図3青枠部分)を選択して、図3のような表示にするとわかりやすいだろう。こちらは各セグメントの左横にあるチェックボックス(図3黒点線枠部分)をクリックすれば、そのセグメントが選択される。
ただ、図2を見ても図3を見ても、名前はABC順に並んでいるため(注:日本語は五十音順ではなく、文字コード順)、関係性の高いセグメントが近くに配置されているとは限らない。標準で用意されているセグメントは「組み込み」(図3緑枠部分)と表示されているものなので、標準のものを使いたい場合は、まずこの「組み込み」ボタン(図3緑枠部分)をクリックして、標準のセグメントだけを表示するのがよいだろう。
また、自分で作成したセグメントを多用する場合は、「カスタム」ボタン(図3黒枠部分)をクリックして、こちらだけを表示するとよいだろう。大量にセグメントを作成しているような場合は、自分で作成したセグメントの名前を、用途などに合わせて「1_1****」「1_2****」などのように、名前の先頭に数字を付けて整理しておくのもよいだろう。そうでないと、類似のセグメントなのに、あちこちに分散配置されて見つけにくい。
筆者の『ユニバーサルアナリティクス版Googleアナリティクス完全マニュアル(PDF)』が発行されました。
筆者が講義を行うGoogle アナリティクス徹底講座も、定期的に開催しています。 → Google アナリティクス ゼミナール
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