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Googleアナリティクスとは/衣袋教授のGoogleアナリティクス入門講座モバイルの重要度はどれぐらい? モバイルからの利用規模を把握する分析方法 [第35回]
前回は、ユーザー理解の第1歩として、平日・休日別のWebサイトの利用時間帯について取り上げた。ユーザーがくつろいでいるのか、あるいは必要に迫られてWebサイトを利用しているのか、その利用時間帯からユーザー心理の一端が見え隠れする部分を把握しようという試みだったわけだ。
今回はユーザーがどういう環境でWebサイトを利用しているのかという観点の1つからユーザー理解をしていきたい。具体的には、モバイル環境から利用しているのか、PC環境から利用しているのかを把握してみようということだ。
PCユーザーとモバイルユーザーは分けて分析すべき
この1年、スマートフォンやタブレットといったモバイル端末の普及が進んできている。これらのモバイル端末では、ケータイサイトではなく、普通のWebサイトをPCと同様のインターネット環境から見ることができる。
一方で、このようなモバイル端末は閲覧画面が小さいために、ユーザーインターフェイスの問題や、ユーザビリティの問題なども指摘されている。つまりモバイル環境からのサイト利用行動の把握の重要性が増している。データを見ると、PCユーザーとモバイルユーザーでは利用行動特性が異なることが多いので、もはや分けて分析すべきだろう。
モバイル端末の利用割合を確認するには?
分析するにあたり、まずは、モバイル端末からの利用がどのくらいになっているのかを概観するのがよい。図1は標準レポートの[ユーザー]>[モバイル]>[サマリー]レポート画面だ。
- ページ上部のオレンジ色のメインメニューで[標準レポート]をクリックする。
- 画面の左側にあるメニューで、[ユーザー]をクリックする。
- メニューが開くので、[モバイル]をクリックし、開いたメニューから[サマリー]をクリックする。
モバイル端末の利用割合は?
図1の青枠部分を見ると、モバイル端末の利用割合がわかる。「モバイル(タブレットを含む)」で「No」がPCからの利用、「Yes」がモバイルからの利用を表している。
このサイトでは最近の1か月で、PCからの利用が6,416訪問、モバイル端末からの利用が420訪問あったことがわかる。モバイルからの訪問割合は420÷(6,416+420)で6.1%となり、それほど重要性が高いとは考えにくい。
モバイルとPCを分けて分析すべきかを判断するポイント
また、「訪問別ページビュー」の指標は、PCユーザーが2.78ページビュー、モバイルユーザーが2.15ページビューとなっており(図1緑枠内の左下)、サイト内の回遊に関しては、モバイルユーザーの方がPCユーザーよりも少ないが、これは想定できる差だ。
ただ、その他の「訪問時の平均滞在時間」「新規訪問の割合」「直帰率」といった指標では、モバイルでもPCでも大きな違いはない。こういった数値から見ても、このサイトではあまりモバイルに関しては、分けて深掘りする必要はなさそうだということがわかる。
図2のサイトでは、訪問数ベースのモバイル比率は9,695÷(16,753+9,695)で37%程度と高いが、各指標を見ると、「新規訪問の割合」が異なる程度の違いしかなかった。
図3のサイトでは、訪問数ベースのモバイル比率が約3割と高い。モバイルからの訪問ではPCからの訪問と比べて直帰率が高く、訪問別ページビュー数がかなり低いといった違いが顕著に見られる。
図1から図3で見たように、サイトによって、PCからの訪問とモバイルからの訪問の違いの中身も異なり、それぞれの抱える事情は異なっている。そのためモバイルからの訪問における問題点をどのように探っていくかは、サイトごとに個別のアプローチが必要となる。
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