【レポート】デジタルマーケターズサミット2025 Winter

GA4×A/Bテストのプロが本音で語る! Webサイトの分析&改善プロセスのリアル

Faber Companyのアクセス解析とA/Bテストの専門家2名が、サイト分析の効果的なやり方や改善プロセスでの活かし方について議論&解説する。
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サイト分析の効果的なやり方や、サイト改善につなげる解析ツールの使い方は、多くのWeb担当者が抱える悩みだ。「デジタルマーケターズサミット2025 Winter」では、Webマーケティング支援事業を手掛けるFaber Companyのアクセス解析とA/Bテストの専門家が、「どこから始めるべきか」「具体的な改善方法」まで、本音を交えて解説する。

小川卓氏、岩本庸佑氏
(左)株式会社Faber Company 執行役員 CAO 小川 卓 氏、(右)株式会社Faber Company プロフェッショナル事業部アナリティクス・SEOグループ グループ長 岩本 庸佑 氏

ユーザー行動分析の実践とデータ活用でサイトを進化させる

企業のWebマーケティング支援を行うFaber Companyは、コンテンツマーケティングやSEOだけでなく、WebアナリティクスやCRO(Conversion Rate Optimization:コンバージョン率最適化)にも強みを持つ。同社の小川氏は、Webアナリストとして多くの有名企業でのサイト分析に長年携わってきた。同じく岩本氏も、CROツールやA/Bテストツール、ヒートマップツールなどを使ったコンバージョン改善を数多く手掛けてきた専門家だ。

本セッションでは、Webサイト改善の現場に立ち続けてきた二人が、アクセス解析やA/Bテストに関するよくある質問に答え、アクセス解析ツールを使用した分析の考え方や、改善策を導き出すためのプロセスについて解説する。早速、最初の質問から見ていこう。

Question① どこから着手するか

初めの質問は「どこから着手するか」というものだ。さまざまなツールを目の前にして、とまどった経験があるWebマーケターもいるだろう。この質問に対して小川氏は、「“とにかくアクセス解析ツールにログインしてみよう”はNGだ」と語る。この時点で図星をつかれてドキッとした担当者もいたのではないか。

ここでは、Webサイトを分析して改善策を見つけて実行し、Webサイトをより良くするという観点で、アクセス解析の具体的な4ステップを小川氏が紹介した。

1. ユーザーとしてWebサイトを使ってみる

まず、まだWebサイトを使ったことがない初心者になったつもりでWebサイトを使ってみて、自分が気になったことを記録する。

  • トップページで何を見たのか
  • どのリンクをクリックしたのか
  • 何がわかりにくかったのか

作業時間は、1人あたり5分~10分程度でよい。その工程はZoomで画面録画をしておくなどの方法でもよく、難しく考える必要はない。

2. “気づき”を洗い出して仮説を立てる

1で得た“気づき”を基に、改善に向けた仮説を考える。1人だけの意見なのか、あるいは他のユーザーも同じように感じているのか、確認するポイントを明確にして書き出す。

  • 【例】私はこの事例紹介で購入意欲をかき立てられたが、他の人はどうか

3. 仮説をデータで分析・検証する

立てた仮説を基に、データを分析・検証する。仮説があれば、解析ツールのどのレポートを見ればよいかがスムーズにわかる。分析のポイントや注意点は、このあと出てくるQuestion②やQuestion④の回答が参考になるので、あわせて見てほしい。

  • 【例】お問い合わせフォームへ遷移する前のページに、事例ページが多く入っているかどうか

4. 分析結果をもとに改善項目を導き出していく

上記3の結果を踏まえて改善項目を定めていく。なお、改善項目から具体的な改善案を出す方法や考え方は、後から出てくるQuestion③の回答が参考になる。

 

これが、Webサイトをより良くするアクセス解析のための具体的な4ステップだ。岩本氏も、このようなユーザー行動を踏まえた進め方には同意し、GA4の設定状況の資料などを照らし合わせながらデータ分析に入るという。ツールにログインした時には、確認すべき項目が既に決まった状態で始められることが重要だ。

「どこから着手するか」という質問に対する小川氏、岩本氏の答え

Question② どのように深ぼっていくか

2番目の質問は、データ分析を「どのように深ぼっていくか」だ。小川氏と岩本氏が、それぞれの視点から詳しく質問に回答した。

【小川氏の視点】原因を特定し、改善策につなげるための細分化を行う

最初に小川氏は、この質問の背景を説明した。“深ぼりする”とは、データを細かくわけて見ることだ。解析ツールやヒートマップツールでデータを取れば、さまざまな切り口で分析できる。しかし、それを細かくやりすぎてしまうのも問題で、「個人的な行動にとらわれてしまい、データの意味がなくなることがある」と小川氏は指摘する。

分析を行う際のポイントは、頭の中で「これが改善案として使えるのか?」と考えながら行うことです。改善案につながらない分析は、深ぼりせずに手放すことも大事です(小川氏)

その上で、その行動の原因がユーザー属性などの違いにあるのか、そうでないのかを探る「原因を知るためのセグメンテーション」を行っていく。最初のアプローチとしてかけるセグメントの例は下記のような例がある。

  • 新規/リピート
  • 流入元
  • デバイス(ただしUIが重要なサイトのみ)
  • 訪問目的(流入元や他の行動と紐づけの上で確認)

データを見る期間は基本は1~2か月程度で、曜日や月初/月末、季節や繁忙期/閑散期などユーザー行動に差異が生じる変動要因がある場合は、そこも加味して決めていく。

判断基準の一つは、「2か月前のWebサイトの状況を覚えているか?」と自分自身に問いかけてみることです。レイアウトやデザインを思い出せないようならば、それ以前を見ても意味がありません。また、変動要因を把握するためには、月別データを並べて差分を見ることもあれば、関係者にヒアリングすることもあります(小川氏)

さらに、特定の時間帯にアクセス数やデータ量が急増するなどした場合も、その原因を特定し、次の施策に活かせそうだと判断したら深ぼりすることがあるという。ただし、再現性がなかったり対策の打ちようがなかったりするものは、改善にはつながらないので省くという点は徹底している。

【岩本氏の視点】全体最適化に向けた画面改善と高インパクトページの特定

岩本氏は最初に、「最近、クライアントからWebサイト全体におけるユーザーの流れの最適化を望まれるケースが多い」と語った。その場合、全体最適の中にあっても、各画面をまずは平均以上の水準にしていくことが最初のアプローチとして有効だという。

その後、改善インパクトが大きいページを特定するために、各ページの評価を行う。たとえば、Webサイト訪問者数上位5つのページをチェックし、そのトラフィック量やコンバージョン率を確認する。離脱率が高いなどの問題を見つけたり、コンバージョンしたユーザーとそうでないユーザーの行動の違いを分析したりして、より効果的な回遊を促す方向性を見つけていくのだ。

このとき、ページ単位ではなく、ページを構成する単位でチェックしていきます。たとえば、ECサイト内に「トップページ」「商品一覧ページ」「商品詳細ページ」「カート」があるとすると、商品詳細ページは、商品A、商品B、商品Cといったページの合算を見ます(岩本氏)

ここで小川氏が、「改善のインパクトを考える際に、たとえば、現在は少ない訪問数を増やすことで大きな効果が見込める場合もある。それらはどう測るべきか?」と質問すると、岩本氏は、「コンバージョンに対する貢献度や、コンバージョンしたユーザーの接触率、ゴールまでの距離感などもチェックし、それらをスコアリングする。平均点を出した上で、改善項目の優先順位づけを行う」と説明する。改善項目の一覧を作成したり、その優先順位を決めたりする場合の判断材料として総合評価を行うのだ。

「どのように深ぼっていくか」という質問に対する小川氏、岩本氏の答え

Question③ どうやって改善案を出している?

3番目の質問は「どうやって改善案を出している?」だ。分析結果を踏まえて導き出された改善項目を具体的な改善案にするための方法を解説する。

【小川氏の視点】自社の高評価ページや他社事例から改善案を導く

小川氏からは、以下の2つの方法が紹介された。

1. 自社Webサイト内の他ページと比較する

自社Webサイト内の比較は、同じWebサイトを見ているユーザーが評価した結果であり、自社データを使うため、高い精度が見込める。

たとえば、特集が12個、その中で良い特集が5個、悪い特集が7個あった場合、良い5個に共通する特徴があるかを探す。共通要素があれば、それを改善すべき悪いページに反映させる。

  • 文章の長さ
  • 書き方
  • お得感
  • 焦り感
  • 分量
  • 画像

2. 同業他社Webサイトと比較する

自社Webサイト内だけでは見つけられない改善案を他社事例から学ぶ方法だ。自社の課題を抽出した後で、具体的なテーマを決めて他社Webサイトを分析すると、効果的な改善案が見つかりやすい。ユーザーの気持ちを動かす施策を意識するとよい。見かけの違いに注目するのではなく、ユーザーが安心して商品をカートに入れるためには何が必要かを考えるのがポイントだ。

たとえば、お気に入り機能がコンバージョン率を高めることがわかっているがユーザーがお気に入り一覧を見ない場合などに、同業他社の事例が参考になるかもしれない。ユーザーの再訪時にポップアップを表示したり、アイコンを使ったりしているかなどを確認し、それらを自社に取り入れるのだ。

【岩本氏の視点】チェックリストと他社事例を活用し、場合によっては実行から入る

岩本氏はクライアントから、「GA4の前世代となるUAの頃からアクセス分析に着手できていない」といった相談を受けることがある。その場合、プロジェクトが止まるのを避けるために、Faber Companyが提供するチェックリストを使って簡易的に点検したり、他社の事例を参考にまずは実際に施策を展開したりしてデータを見ていくことが大切だと伝えている。

特に、業界上位の会社でない場合、ユーザーが他社Webサイトも回遊したうえで意思決定をすることがわかっていれば、ユーザーが比較検討しやすいUIや情報を提供することが重要になる。そのなかに、独自の強みを伝えるメッセージを組み込むのが大切だ。

また岩本氏は、改善施策におけるA/Bテストの強みや重視していることについて下記のように述べた。

施策を行うにあたり、A/Bテストの強みは、ユーザーとの対話を通じてデータを作っていけることです。

また、ユーザーがサイトを訪れたときに、最初にCTA(Call To Action)ボタンに接触させることを重視しています。CTAボタンは、ユーザーがストレスなく次のステップに進む手助けをし、最終的にコンバージョンにつなげる役割を果たすためです(岩本氏)

「どうやって改善案を出している?」という質問に対する小川氏、岩本氏の答え

小川氏と岩本氏、どちらの視点も重要だが、両者のアプローチの順番や思想の違いは、そもそものWebサイトの出来によると言えるだろう。

平均点以下のWebサイトであれば岩本氏の言うように、まずはチェックリストや競合Webサイトを参考にするのが有効だ。一方で、平均点以上を目指す段階では小川氏のように、ユーザーの心理の変容を図るために取り組むべきと言える。

Question④ 分析する上での注意点、気を付けているポイント

最後の質問は「分析をする上での注意点、気を付けているポイント」だ。

【小川氏の視点】分析は改善策に向けたステップ。重要なのは実行すること

小川氏は、「繰り返しになるが、分析は改善策を実行するためのものであるべき。成功するかどうかは別として、まずは試してみることが大切だ」と強調した。施策の効果はA/Bテストなどで検証しなければ、せっかくの分析が無駄になってしまう。分析はあくまでも、施策に必要な材料を提供することが目的である。

つまり、少ない材料でも施策が進むなら、詳細な分析までは不要だ。また、他の事例で明らかに効果がありそうなものがあれば、そのまま実行してもよいという。100%成功すると確信できなくても、やった結果を分析することが大切だ。

【岩本氏の視点】ユーザー行動テストとデータ蓄積のPDCAを回すこと

分析はWebサイト改善のために行う。そこで最も大切なことは、PDCAサイクルを回すことだ」と岩本氏は宣言する。課題を認識し、それをどう改善するかを考え、どのような行動をユーザーに取ってもらえば課題が解決できるかを明確にする必要がある。これを数値化して測定していくことが理想だ。

ユーザーの行動をテストし、改善策を試すことでデータが蓄積される。変化がなかった場合でも、それが新たな気づきになることもある。検証テーマを事前に設計することが重要だ。

「分析する上での注意点、気を付けているポイント」という質問に対する小川氏、岩本氏の答え
◇◇◇

4つの質問を通して、小川氏、岩本氏のWebサイト改善の考え方や手法を紐解いてきたが、自社に活かせそうな考え方は見つかっただろうか。これらを1人で実施していくのもまた骨が折れる。便利なツールやコンサルティングサービスを活用することも検討したい。セッションの最後には、サイト改善やWeb解析に役立つFaber Companyの4つのサービスが紹介された。

Faber CompanyではWebサイトの改善に関する相談会も随時実施している。Question③で岩本氏が話していたWebサイトのチェックリストが気になった人や、ツール選定や使用方法、サイト改善について悩んでいる人、上記のツールに興味がある人は、気軽に相談してみてはいかがだろうか。

用語集
CRO / CTA / EC / PDCA / SEO / UA / UI / アクセス解析 / コンテンツマーケティング / コンバージョン / コンバージョン率 / セッション / リンク / 訪問 / 訪問者 / 離脱率
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