流行語大賞は「ラブライバー」「ラッスンゴレライ」などが有力 トライバルメディアハウスなどが候補語からソーシャル予想
2015年の「新語・流行語大賞」の候補50語を、ユーキャンが11月10日に発表した。これらの候補から、トップ10および大賞が12月1日に選出される。
「新語・流行語大賞」(正式名称:「現代用語の基礎知識」選 2015ユーキャン新語・流行語大賞)は、その年に発生した多種多様な「ことば」のなかから、広く大衆に親しまれた新語・流行語を選定するものだ。自由国民社が主催し、新語・流行語大賞選考委員会が実施している。
今年も「爆買い」「プロ彼女」「ラッスンゴレライ」「ましゃロス」「マイナンバー」「おにぎらず」など、芸能・政治・世相・流行・商品などに関連する幅広い言葉が候補に選ばれた。これら複数の候補から大賞が選ばれる。なお例年は1語だったが、2013年は4語、2014年は2語が大賞に選ばれている。
発表された候補語に対して、トライバルメディアハウスやアクトゼロが、ソーシャルメディアのデータを利用して大賞を予測している。
トライバルメディアハウスは、ソーシャルリスニングツール「ブームリサーチ」を使用し、Twitter上における各候補のつぶやき量から独自に流行語大賞を予想している。
調査によると、最も多くツイートされていたノミネート語は、音楽・アニメ・ゲーム「ラブライブ」のファンを示す「ラブライバー」で、約1,300万件ツイートされていた。「戦争法案」や「シールズ」など政治に関する言葉もTwitter上で多くツイートされていた。
お笑いタレントから生まれた流行語「ラッスンゴレライ」「あったかいんだからぁ♪」「安心してください」の3つに関して、ツイート件数の推移を検証したところ、「ラッスンゴレライ」と「あったかいんだからぁ♪」は2015年の1月~3月にクチコミ件数に大きな盛り上がりを見せた後は減少傾向になっている一方、「安心してください」は10月末現在でツイート件数が上昇中だった。
「安心してください」は、Twitter上での会話(メンション系のツイート)においても、10月末時点で使用件数が上昇傾向にあったという。
アクトゼロは、データセクションの解析ツール「Insight Intelligence」を使用し、Twitter上でつぶやかれた流行語のワードごとにデータを解析した。
Twitter上のツイート出現率ランキングでは、こちらも「ラブライバー」が圧倒的なトップ。2位は、不正が発覚した電気メーカーで使われた「チャレンジ」だが、一般的に使われるキーワードのため、実際はもっと少ないとみられる。3位は、お笑いの決めフレーズ「ラッスンゴレライ」がランクインした。
世代別の1位は、10代「ドラゲナイ」、20代「ラブライバー」、30代「シールズ(SEALDs)」、40代「エンブレム」、50代「戦争法案」、60代「戦争法案」だった。
また、各ワードを週ごとに計測して期間中のツイート数が多かった順(最大瞬間風速)のランキングでは、東京五輪にまつわる騒動で使われた「エンブレム」が1位。2位「ドローン」、3位「ラブライバー」が続き、ここでも「ラブライバー」が強さを見せた。
さらに、各ワードの前後のワードを抽出し、そのワードをポジティブ/ネガティブのいずれの意味合いで使ったかを分析。こちらでは、ポジティブは1位「ラブライバー」、ネガティブは1位「ドローン」だった。
アクトゼロはこれらの分析を踏まえ、最も勢いのあった「ラブライバー」、高齢層が社会的に言及した「戦争法案」、定番のお笑い部門の「ラッスンゴレライ」、瞬間風速が強かった「エンブレム」の4つが、大賞候補として有力だと推測している。
参考リンク
「現代用語の基礎知識」選 2015ユーキャン新語・流行語大賞
ニュースリリースページ(ユーキャン)
トライバルメディアハウスによる予測
アクトゼロによる予測
Web担先生と初心者君のやさしいニュース解説
うむ。同じツイッターでの発言分析でも、「推移」「メンション系のツイート」「最大瞬間風速」「ポジティブ・ネガティブ」「世代別」など、いろんなデータの分析方法があるね。
でも、データを見たら「ラブライバー」が圧倒的ですよね!
そうなんだけど、ツイッターでの発言数は、あくまでも人々の活動のごく一部だから、それだけで大賞に選ばれるかというと、そうじゃないと思うよ。
まぁ、アクトゼロさんの分析でもそう書いてますね。
なにか定量的なデータがあると、それがすごく正しい事実のように思えるけれども、実際にはそのデータには現れないさまざまなことがあるはずだ。
そりゃそうですよね。
データを見るときは、まず「そのデータはどういう調査で得られたのか」「サンプル数は適切か」「階級はどう分けられているか」など、まずデータ自体が適切なのか、代表性があるのか、有意な差があるのかなどの判断が必要なんだ。
うひゃ、流行語大賞から急に難しい統計の話になった。
そのうえで、データを元になにか判断するときは、その判断に対してそのデータがもつ重要度や、そのデータ以外に大きな影響を与える要因がないかなども、ちゃんと考えるべきだね。
言われてみれば、当然ですね。
データはすごく大切だし、どんどん重要になっていく。でも、そのデータを読み解く・解釈するという力もやはり重要だというのは、ちゃんと知っておいてほしいね。
はーい。わかりましたー。
※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました
へー、こんな分析もできるんですね。2社でそれぞれ切り口が違うのが、おもしろいですね。