アマゾンだけで米国EC市場のシェア43%、止まらない成長の理由
この記事は、姉妹サイトネットショップ担当者フォーラムで公開された記事をWeb担当者Forumに転載したものです。
消費者が受け取ったオンライン注文の電子メールを分析するSlice Intelligence社が新たに発表した調査結果によると、アメリカのオンライン小売業の成長率の半分以上はアマゾンが占めるそうです。
アマゾンは米国EC市場の成長率シェアでは53%を占める
アマゾンはオンライン小売業界でシェアを拡大し続けています。業界が注目しているアマゾンの収益報告発表(編集部追記:現地時間の2月2日に決算を発表)。その前に公表された新たな分析結果によると、2016年のアメリカにおけるオンライン購買の43%は、アマゾンのサイト内で行われたそうです(アマゾンが注文処理を行うマーケットプレイスも含まれます)。さらに、2016年の全米のEC成長率の半分以上はアマゾンが占めています。
これは、Slice Intelligence社がEC利用者440万人以上の電子メールを分析した結果です。
他の数字を例にし、詳しく見てみましょう。アメリカ商務省のデータをインターネットリテイラー社が分析した結果、アマゾンが自社で販売した製品、およびアマゾンのマーケットプレイスで販売された製品を合計すると、2015年のアマゾン経由の売上高は全米オンライン売上の33%を占めていました。
その数字は2012年の25.4%から上昇しています。アマゾンは、インターネットリテイラー社発行の「全米EC事業 トップ500社2016年版」で第1位にランクインしています。
Slice Intelligence社の分析が正しければ、アマゾンは1年間で市場シェアを1000ベーシスポイント(編集部追記:0.01%=1ベーシスポイント。1000ベーシスポイントは10%の意味)伸ばしました。これは他に類を見ない成長です。
小売業界で40%以上の市場シェアを持つ会社はほとんどありません。たとえば、世界最大の収益を誇る小売業者で、アマゾンの最大の競合でもあるウォルマートでさえ、アメリカの小売売上における市場シェアは9%強です。この数字には、オンラインで購入しにくい車や燃料などの売り上げは除外されています。ウォルマートは、「全米EC事業 トップ500社2016年版」で第4位にランクインしています。
Slice Intelligence社の調査によると、アマゾンは主に電化製品、ホーム、アパレルのカテゴリーで成長しています。首席アナリストであるケン・カッサー氏は、次のように分析します。
アマゾンの成長には、電化製品が大きく寄与しています。また、「Amazon Echo(アマゾン・エコー)」関連製品の成功も理由の1つです。興味深いのは、ホームやアパレル、食品、健康、美容といった小さなカテゴリーが、アマゾンの売上増に貢献していることです。消費財のカテゴリーが、アマゾン拡大の大きな要因になっています。
「Amazon Echo」は、アマゾンのデジタルアシスト機能「Alexa」を搭載した声に反応して動くデバイスです。「Amazon Echo」を使い、アマゾンでオーダーすることも、ウェブ検索することも可能です。
質問に答えてくれたり、音楽をかけてくれるなど、さまざまなことに対応してくれます。リサーチ会社CIRP社のデータによると、アメリカでは820万人の消費者が声で動くデジタルアシストデバイスを所有しています。その数は2016年の300万人から173%も伸びています。
4000万点もの商品が対象となっている2日以内の無料配送サービス、映画やテレビを無料で見られるプライム・ビデオ、複数の都市で展開されている同日配送サービスなどを、年間99ドルの費用で利用できるプライム会員プロラムがけん引し、アマゾンはアメリカ国内で着実に顧客を増やしています。
2016年10月のCIRP社の発表では、9月30日の時点でアメリカのプライム会員数は6500万人でした。
インターネットリテイラー社が、2016年12月に515人のアメリカ在住の成人を対象に行った調査によると、52.2%がオンラインで買い物をする際、まずはアマゾンで商品をチェックすると回答。グーブルは2番目で、38.8%という結果でした。
オリジナル記事はこちら:アマゾンだけで米国EC市場のシェア43%、止まらない成長の理由(2017/02/09)
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