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Google検索アルゴリズム更新時に対応策を調べるには? マカビーアップデートを例に解説(後編)

後編となる今回は、マカビーアップデートの詳細と考えられる対応策について見ていこう

グーグルのアルゴリズム変更で打撃を受けたときに、何を改善すれば検索トラフィックを取り戻せるのかを調べる手法を解説するこの記事は、前後編の2回に分けてお届けしている。
後編となる今回は、マカビーアップデートの詳細と考えられる対応策について見ていこう。
まず前編を読んでおく

2017年末にあったグーグルの「マカビーアップデート」を例に、トラフィック変動の原因を調べるにあたって、前編では、「基本的なサイトの健全性チェック」「インターネットで言われる見解の検証」を解説した。

次のステップは、Search Consoleを使った調査だ。

Google Search Consoleデータの調査

僕たちは以前から、すべてのSearch Consoleデータをグーグルのクラウドベースのデータ解析ツールBigQueryに保存している。

Search Consoleのデータを別のシステムで保存しておくと、1つのキーワードに対して表示される各ページの順位を長期間にわたって確認できるというメリットがある。

これにより、何かあったときには、順位が下落したすべてのキーワードを(過去と比較しながら)すぐに調べられるようになっている。

さて、今回のマカビーアップデートで特に大きな打撃を受けたキーワードの組み合わせまたはテーマはいくつかあったので、僕はそれらをさらに詳しく調べてみた。

そしてようやく、有益な結果が得られた。

黄色の線は、検索上位を獲得したいページで、最善のユーザー結果が得られるページだ(直帰率が低い、セッションあたりのページ数が多いなど)。

縦軸は順位(低いほうが良い)で、横軸は日付(右にいくほど新しい)

別の例を見ても、黄色の線はちゃんと検索上位を獲得するべきページを表している。

僕が調べたすべてのケースで、以前は一貫して検索上位にいた主要なページが、同じトピックについて僕が書いた記事やユーザー生成コンテンツのせいで低い順位に落とされていた

本当にグーグルのアップデートが原因か?

100%の確信が持てるわけではないが、僕は数か月間この部分にまったく変更を加えていないので、最近の変更に原因があるとも、変更が遅れて反映されたとも考えられない。このサイトは先ごろHTTPSに移行したが、その頃にトラフィックの変動は見られなかった。

現時点で、マカビーアップデート以外に原因は考えられない。

どのように対処すればいいのか

理想的なのは、次のようなことを達成できる対応策だ。

すべてのトラフィックを元通りに取り戻してくれること

しかし、それはちょっと虫のよすぎる話なので、ここでは、次のことを対処の目的として目指そうと思う。

正しいキーワードに対して正しいページが検索結果に表示されるようにすること

当然ながら、これから述べる内容において重要な言葉は「目指す」ということだ。僕は最近これらの変更に着手したばかりで、その1つでもうまくいくかどうかはまだわからない。

ユーザー生成コンテンツをインデックス化させない

これは悩まずとも行うべきことに思える。

こうしたページへのトラフィックはごく一部にすぎないうえに、適切なページと比べてパフォーマンスが低いのだから。

実際のところ、個人的にはこうしたコンテンツがインデックス化されるのは気に入っていた。自分では試してみたこともないキーワードの組み合わせで検索結果に表示されることもあり、そのキーワードを狙ったランディングページを作るといった動きにもつながったことがあるからだ。

しかし、実際にそうしたキーワードで表示される可能性は比較的低く、そのせいでメインページの検索順位が下がってしまうのなら、もはやインデックスしてもらう価値はない。

Schema.orgの「about」プロパティを有効活用する

僕は以前から、構造化データでこのアイデアを試してみるのに絶好の場所を待ち望んでいた。

大ざっぱに説明すると、グーグルがコンテンツをよりよく理解できるように、(Wikidata、Wikipedia、Dbpediaなど)オーソリティのある複数のソースを参照するaboutプロパティを利用するわけだ。

たとえば、ドナルド・トランプの米大統領就任式に関する記事には、次のようなJSON-LDを追加できるかもしれない。


<script type="application/ld+json">
{
  "@type": "Article",
  "name": "~~~~~",
  "description": "~~~~~",
  .
  .
  .
  "@about": [
    {
      "@type": "Person",
      "name": "ドナルド・トランプ次期大統領",
      "sameAs": [
        "https://en.wikipedia.org/wiki/Donald_Trump",
        "http://dbpedia.org/page/Donald_Trump",
        "https://www.wikidata.org/wiki/Q22686"
      ]
    },
    {
      "@type": "Thing",
      "name": "米国",
      "sameAs": [
        "https://en.wikipedia.org/wiki/United_States",
        "http://dbpedia.org/page/United_States",
        "https://www.wikidata.org/wiki/Q30"
      ]
    },
    {
      "@type": "Thing",
      "name": "大統領就任式の日",
      "sameAs": [
        "https://en.wikipedia.org/wiki/United_States_presidential_inauguration",
        "http://dbpedia.org/page/United_States_presidential_inauguration",
        "https://www.wikidata.org/wiki/Q263233"
      ]
    }
  ]
}
</script>

僕が検索上位を獲得している記事の多くは、より大きなトピックに関する具体的なサブ記事だ。そのため、こういった構造化データを明確に設定できるだろうし、グーグルにとっても構造化データの使用場所として適切だと判断してもらえる可能性がある。

僕がこのアイデアを拝借したのは、ヤルノ・ファン・ドリエル氏の記事とプレゼンテーションだ。ぜひアクセスして読んでみてほしい。

「情報探索型」と「トランザクション型」の検索意図を組み合わせる

これについては自分でもまだ判断がついていない。

これまでにたくさん見てきたが、検索キーワード(検索意図)には一般に次の2種類がある(ナビゲーション型もあるが、今回は除外)。

  • トランザクション型
  • 情報探索型

多くのサイトは、トランザクション型のページ(多くはカテゴリページ)に大規模な導線を張って、一度に両方のタイプの検索トラフィックを得ようとする。

しかし僕は以前まで、

  • トランザクション型の検索意図をターゲットとするページ
  • 情報探索型の検索意図をターゲットするページ

の2つのページを用意しておくタイプだった。

現在は、これが正しいやり方かどうかを検討し始めている。いくつかの場所で再度試して、どうなるか確認してみることになるだろう。

結論

マカビーアップデートについて現時点で僕が最も可能性が高いと思う仮説は、次のとおりだ。

  • 重み付けに何らかの変更が加わって、これまでより関連性が重視されるようになり

  • トピックに関連する可能性のあるページをより多くテストするようになった

これらの新たなテスト対象ページは重み付けが大幅に下がり、予想した通りのパフォーマンス(低下)が見られ、それがトラフィックの減少につながったと思われる。

もちろん、この分析は現時点で1件のサイトに基づいているため、仮に多くの影響があって、僕がそのうちの1つしか見ていない場合には、結論が僕のサイトにのみ当てはまるものであるか、あるいはまったく当てはまらない可能性もある。

さて、この問題に関する洞察が少しでも得られたとしたら、それはSearch Consoleのデータを保存していたおかげだ。今後この種の調査を行えるように、ぜひSearch Consoleのデータを保存することをお勧めする。

現時点では、APIをページネーションしてこのデータを取得することを推奨する。この方法は完璧ではないが、他の多くの問題を回避できる。そのためのスクリプト(上述した以前のSearch Consoleスクリプトのフォーク)はここにあるので、これを使用してBigQueryにダンプしよう。

また、さらに一歩進んでデータベースの保存も行うソリューションを提示してくれたポール・シャピロ氏J・R・オークス氏の記事もチェックしてみてほしい。

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