「47.183」を小数第二位で四捨五入すると?「179」を十の位で切り捨てると?|意外と忘れている四捨五入
数値をまるめてって言われても……

アユムさん、この表の数値、まるめといて。

まるめる? 関西弁で「ほかす」といえば、捨てるっていう意味ですよね! まるめるも関西弁ですか?

なんでやねん! って、まるめるは、関西弁じゃなくて、端数(はすう)を四捨五入ということだね。見積りとかだと切り捨てることが多いみたいだけど。

死者誤入とか、切り捨てごめんって、ずいぶん時代劇っぽいですね。

そのギャグ、バッサリ切り捨てたいけれども、今日は拾おう。武士の情けじゃ。四捨五入はわかるかな。

はい、なんとなく。

では、47.183を小数第二位で四捨五入すると?

47.18ですか?

違いますね。47.2です。

(四捨五入のやりかた、すっかり忘れている…。きちんと理解したい!!)
昔から、算数も数学も苦手なアユムは、希望が叶ってマーケティング部門に異動してきました。Web担で見るような「すごいマーケターになりたい!」と胸を躍らせていたが、配属後、理想と現実のギャップに苛まれることに。データ、数字、%、小数。うわぁーん、どうしたら、数字に強くなれるのでしょうか……。
そこに現れたのが、大人向け数学教室「大人塾」を運営し、数学苦手な社会人に対して指導をしているアジアゾウをこよなく愛するモリさん。

この記事を読むべき人:四捨五入の求め方がわからない方
この記事を読む必要がない人:四捨五入、切り捨て、切り上げをできる方
この記事でわかること:四捨五入と切り捨て、切り上げの方法
小数点の位の読み方を覚えている?

モリさん! 四捨五入をすっかり忘れてしまったので、基本から教えてください。シシャゴNEW↑↑な気分で学びます!

NEWタイプのテンションですね。さて、四捨五入の漢字をしっかりと見つめましょうか。

4を捨てよ、5を入れよという感じですね。

そのまんまですね。四捨五入とは、どの位で数字をそろえる(0にする)かについての考え方です。
指定された位の数値が4以下であればその位から下の数字はすべて0にする、5以上であれば1つ大きい位の数に1を足すという仕組みです。

ふむふむ。

まずは、位の読み方の基本です。以下は、数値182.732とその各位の名称になります。


小数点より左の数値は、それぞれ、一の位、十の位、百の位と大きくなっていきますね。
右の小数点以下の数値は、小数第一位、小数第二位、小数第三位と呼びます。

Cryって泣くのではなくて、クライか。呼び方、覚えました!

それでは、47.183を小数第二位で四捨五入しましょうか。

それは、先ほどの先輩から出された問題ですね。答えは47.18ではないんですよね。小数第二位を残すと思っていました。

そこがポイントなんです。指定された場所で四捨五入をする必要があります。

指定された場所ってなんかロマンチックですね。

ロマンチックな場所は、ここでは小数第二位です。

小数第二位というのは、小数点の右の2つ目の数値ですね。

はい、そこの数値です。そこの数値はなんですか?


8ですね。

ということは、5以上なので1つ大きい位の数に1を足して、繰り上げます。

だから、隣りの小数第一位の数値が+1され、47.2になるんですね。

その通りです。次は、小数第一位を四捨五入しましょうか。

小数第一位の数値は1なので、4以下ですね。その位から下の数字はすべて0にするんですね。となると、答えは47です。

いい調子です。それでは、47.183の一の位を四捨五入してください。

一の位は「7」ですね。ということは、1つ大きい位の数に1が足されて、50ですか?

その通りです!ついでに、十の位を四捨五入すると...?

え、十の位をですか。十の位はもう左に数値がないですが、四捨五入できるのですか?

はい、指定した位に数値がある限り、四捨五入ができますよ。

うーん。十の位は4ですよね。もしかして、0になりますか?

はい、その通りです。だから、49歳の人が「四捨五入したら0歳だから」といっていたりするんですね。大して面白くないですけど、ついつい笑っちゃいますよね。ふふっ。

ふふふ。

ところで、196について、一の位を四捨五入しましょう。

一の位は「6」ですね。となると、十の位が繰り上がる……。十の位は「9」ですが、どうすればいいですか?

9は繰り上がると10、つまり「0」になり、百の位も繰り上がります。

ということは、1が2になるということですか? 答えは200?

はい、その通りです。
切り捨て、切り上げは問答無用!

先輩が、「見積りとかでは『まるめる』といったら切り捨てが多い」と物騒なことを言っていたのですが、切り捨ては、四捨五入とは違うのですか?

切り捨ては、問答無用で切り捨て! つまり指定した位以下を0にします。

4とか5とか、考えなくてよいのですね。

はい、容赦せず切り捨てて、指定の値より下の位をすべて0にします。それでは、ここに 179という数字があります。一の位を切り捨ててください。


切り捨てごめん、つまり、170ですか? 9だからといって容赦しなくていいんですよね。

それでは、179を十の位を切り捨ててもらえますか。

十の位より下の位をすべて0にするんですよね。ということは、100?

その通りです。

少し大きな位を切り捨てるときって勇気がいりますね。人生と同じですね。

頑張ってください。

それでは、切り捨ての逆はどうすればいいんですか?

切り上げですね。それでは179を一の位を切り上げてみましょう。切り上げの場合は、指定された位が1以上であれば次の位の数字を繰り上げます。

ということは、180?

すばらしいですね。それでは、十の位を切り上げてください。

200?

正解です!

位を切り上げるときも勇気がいります。

強く生きてください。
Excel 関数で求めるときは?

Excelでも四捨五入とか、切り捨て、切り上げができますよね。

はい。ROUND系の関数ですね。

あれ? ROUNDって日本語だと円形や丸いという意味ですか?

「まるめる」という言葉とシンクロしますね。それぞれの関数は以下の通りです。
- 四捨五入…ROUND(数値,桁数)
- 切り捨て…ROUNDDOWN(数値,桁数)
- 切り上げ…ROUNDUP(数値,桁数)
Excelの関数では、端数を処理する位を、引数の「桁数」として数値で指定します。たとえば、小数第一位を四捨五入したいときは「0」を指定します。
そして、小数第二位を四捨五入したいときは「1」、小数第三位のときは「2」です。逆に、一の位、十の位などを指定するときは、「-1」「-2」のようにマイナスの数値で指定する必要があるので注意しましょう。


なるほど!! 一の位、十の位をマイナスで指定するんですね。小数第三位のときに「2」を指定するのも、図を見て理解できました。

それでは、ここからExcelの練習をしましょうか。実は弊社は、パソコン教室も運営しています。そこに数学が苦手な方がたくさんいたので大人向けの数学教室を始めた経緯があります。だから、Excelと数学のハイブリッド教室なんですよー。
ROUND:四捨五入する
ROUND(ラウンド)関数は、指定した桁で数値を四捨五入する関数です。
1. 以下のデータを入力します。

2. セルB2を選択して、[数式]タブの[数学/三角]をクリックし[ROUND]を選択します。

3. [関数の引数]ダイアログボックスが表示されました。
[数値]に「A2」、[桁数]に「-2」と入力して[OK]をクリックします。
※[桁数]に「-2」と設定したので十の位を四捨五入します。

4. 「1219.5121」の十の位が四捨五入されて「1200」が表示されました。

ROUNDUP:切り上げる
ROUNDUP(ラウンドアップ)関数は、指定した桁で数値を切り上げる関数です。
1. セルC2を選択して、[数式]タブの[数学/三角]をクリックし[ROUNDUP]を選択します。

2. [関数の引数]ダイアログボックスが表示されました。
[数値]に「A2」、[桁数]に「2」と入力して[OK]をクリックします。
※[桁数]に「2」と設定したので小数第三位を切り上げします。

3. 「1219.5121」の小数第三位で切り上げられました。

ROUNDDOWN:切り捨てる
ROUNDDOWN(ラウンドダウン)関数は、指定した桁数で数値を切り捨てる関数です。
1. セルD2を選択して、[数式]タブの[数学/三角]をクリックし[ROUNDDOWN]を選択します。

2. [数値]に「A2」、[桁数]に「-1」と入力して[OK]をクリックします。
※[桁数]に「-1」と設定したので一の位を切り捨てします。

3. 「1219.512」の一の位を切り捨てられ、「1210」が表示されました。

%の値を四捨五入するときは要注意!

そうだ、伝えたいことがあります。

?

百分率、いわゆる「パーセント」のときは、これらの操作に気を付けなくてはいけません。

どういうことですか?

たとえばExcelで、123.45%と入力しましょう。(Excelでは、%まで入れてくださいね)

入力しました!


これを四捨五入して123%にしたいとき、どういう式を入れますか?

小数第一位を四捨五入したいので、桁数は「0」ですね。
「=ROUND(A1,0)」では?

やってみましょう。

あっ!!! 123%になる予定が100.00%になってしまった。


そうなんです。%は、元の値に100をかけたものです。たとえば、123.45%は、1.2345に100をかけたものです。
%の値に対してROUND関数を使うと、元の値が四捨五入されてから%に戻されます。たとえば、「ROUND(A1,1)」は、1.2345を小数第二位で四捨五入して、1.2にしてから100をかけて、120%にします。
今回の場合は小数第三位で四捨五入したいので、「=ROUND(A1,2)」とすれば、123%となります。操作の際に意識するようにしましょう。

はーい!! %の値を四捨五入するときは、元の値の位を考えることが大切なんですね。
言い回しに注意しよう

説明を聞くとすごく理解できた気になるのですが、実際の業務ではまだ戸惑いそうです。なんでですかね。

四捨五入などをビジネスで使う場合の数字表現は、言い回しのゆれや企業や部署ごとの説明のクセがあったりして、理解するのにちょっと時間がかかる場合がありますね。
たとえば、四捨五入するとしても以下のように非常に多くの表現方法があります。
- 小数点以下2桁まで表示 ⇒ 小数第三位を四捨五入
- およその整数で表示 ⇒ 小数第一位を四捨五入
- 千の位までの概数で表示 ⇒ 百の位を四捨五入
どの位を四捨五入するのか、文章をよく読んで、発言をちゃんと聞いて、しっかり考えるようにしましょう。
これで四捨五入も怖くないですね!

わーい! ししゃごNEWアユムになりました!
ポイント
- 位の読み方は以下の通り

- 四捨五入、切り捨て、切り上げは、「どの位をするのか」が重要
- Excelの関数はROUND系関数で操作
- 百分率(%)のときは、桁の位を間違えないように注意
今日の問題をおさらい
Q1.47.18を次の位で四捨五入
小数第二位
答え:47.2
小数第一位
答え:47
一の位
答え:50
十の位
答え:0
Q2.196を一の位で四捨五入
答え:200
Q3.179を次の位で切り上げ・切り捨て
一の位を切り捨て
答え:170
十の位を切り捨て
答え:100
一の位を切り上げ
答え:180
十の位を切り上げ
答え:200
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