グーグル検索のトップが交代、新トップは収益増加よりもUX改善を優先?【SEO情報まとめ】
Google検索の責任者が交代すると発表された。もしかしたら、これでGoogle検索の方向性が少し変わり、SEOにも影響があるかもしれない。
トップ記事はGoogleの人事(と検索の方向性)だが、それ以外はいつもどおりSEOネタ満載だ。「robots.txtと503」「ソフト404対策」「理想的なコンテンツの長さ」「SEOの近道」「レスポンシブ動画」「生成AI時代のコンテンツマーケ」などなど、あなたのSEO力アップにぜひ役立ててほしい。
筆者的には「マーケとセールスにGoogleトレンドを活用」は、ぜひ全員チェックしてほしい!
- グーグル検索のトップが交代、新トップは収益増加よりもUX改善を優先?
- 長期間にわたってrobots.txtが503を返し続けるたらどうなる?
- ソフト404のベストな対処方法は?
- 理想的なコンテンツの長さを教えてほしい→そんなものはない
- 【必見】マーケとセールスにGoogleトレンドを活用。実務に役立つ4つのノウハウ
- SEOの近道は、独自の価値を提供し長期視点で取り組むこと(逆説)
- 動画をスマホ用・PC用で出し分けるレスポンシブ動画の作り方
- 生成AI時代のコンテンツマーケティング戦略
- 多言語ウェブサイト構築のための3つのTIPS
- Yahoo!検索でも生成AIが質問に回答
- Google、ブルーチェックの認証アイコンを検索結果に表示するテストを実施
- Googleがrobots.txtでサポートするフィールドは4つだけ、それ以外は無視
今週のピックアップ
グーグル検索のトップが交代、新トップは収益増加よりもUX改善を優先?
検索の改良にも影響を与えるか (The Keyword) 海外情報
グーグル検索・広告のトップが交代する。プラバッカー・ラガバン氏が退任し、ニック・フォックス氏がグーグル検索・広告のトップに就く。フォックス氏は長年にわたって検索と広告に携わってきた経歴を持つ。
検索事業トップの交代により、検索機能の発展、改良の方針に変化がひょっとしたら出てくるかもしれない。フォックス氏は、特にユーザー体験の向上を重視してきた人物だという。
アメリカ合衆国司法省での裁判でグーグルが提出した文書に、ラバガン氏の前の検索部門トップのベン・ゴメス氏からフォックス氏に当てられた内部メールがある。この中でフォックス氏は、ユーザーエクスペリエンスに重点を置いてきた検索チームの従来のスタンスと、収益創出を優先するように高まる上層部からのプレッシャーとの間の緊張を明らかにしている。そして広告チームと同様に収益を最適化するためのより体系的で焦点を絞ったアプローチを提唱すると同時に、ユーザーエクスペリエンスへの配慮とのバランスをとることの重要性も認識している。
フォックス氏がトップに就いたことで、短期的には収益を犠牲にしてでも、長期視点に立ちユーザー体験向上を優先してグーグル検索の改良に注力していく可能性も考えられる。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
グーグル検索SEO情報①
長期間にわたってrobots.txtが503を返し続けるたらどうなる?
重要ページにアクセスできるなら問題なし? (LinkedIn) 海外情報
長期間、たとえば2か月にわたってrobots.txtが503を返しているけれど、サイト内にあるrobots.txt以外のコンテンツページには正常にアクセスできる状態のサイトがあるとします。
そのサイトは検索結果から削除されるのでしょうか? それとも問題なくクロールされるのでしょうか?
こんな質問を受けたグーグルのゲイリー・イリース氏は、次のように返信した:
見落としがちなポイントの1つとして、「robots.txtにアクセスできないときに、クローラーがサイトの重要なページに一貫してアクセスできるかどうか」がある。
重要なページにはアクセスできるのであれば、サイトは大丈夫かもしれない。不安定な状態ではあるが、まだアクセスは提供されている。
重要なページにもエラーが発生する場合、運が悪かったということだ。
robots.txtのHTTPエラーが発生した場合は、できるだけ早くアクセスできるようにする必要がある。
イリース氏によると、robots.txtが503を返していてアクセスできない状態であっても、重要なページにGooglebotがアクセスできれば大きな問題にはならないということらしい。
ただし、これを正しく理解するには、robots.txtに対するGooglebotの挙動を知っておく必要がある。
robots.txtを取得しようとして503エラーだった場合のGooglebotの動きに関して、技術ドキュメントには、次のような記載がある(編集部で強調・改行・補足を追加):
robots.txt リクエストに対してサーバーから明確な応答がないため、Google は一時的な 5xx および 429 のサーバーエラーと解釈し、サイトが完全に許可されていない場合と同様に処理します※。
Google は、サーバーエラー以外の HTTP ステータス コードを取得するまで robots.txt ファイルのクロールを試行します。503 (service unavailable) エラーの場合、再試行が頻繁に行われます。
robots.txt に 30 日以上アクセスできない場合、Google は robots.txt の最後のキャッシュ コピーを使用します。
使用できない場合、Google はクロールに対する制限はないと見なします。
503を含む500番台のエラーをrobots.txtが返す場合のGooglebotの処理を簡潔にまとめると、次のとおりだ:
サイト全体のクロールを禁止されているとみなしたうえで、robots.txt取得の再試行を繰り返す(30日間)
30日以上取得できない場合は、以前にクロール成功してキャッシュしていたrobots.txtに従う:
- robots.txtのキャッシュがグーグル側にある場合は、その内容に従う
- robots.txtのキャッシュがグーグル側にない場合は、制限なくクロールする(robots.txtが存在しない場合のデフォルトの挙動)
質問者が仮定した状況は「2か月にわたってrobots.txtが503を返している」なので、2に該当する。つまり、キャッシュのrobots.txtがあればそれに従い、なければ無制限にクロールする。
もっともイリース氏が言うように、次の2点は重要だ:
robots.txtだけでなく他のページでもエラーがあれば、当然クロールしてもらえない。
robots.txtにエラーでアクセスできない状況は(4xx除く)、速やかに解決するべき。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
ソフト404のベストな対処方法は?
本当の404ページにする (John Mueller on LinkedIn) 海外情報
ソフト404※の対処方法を尋ねられたグーグルのジョン・ミューラー氏が、次のように助言した。
ソフト404ページを修正する簡単な方法は、それらのページが実際に404を返すようにすることだ。
404ページがあることは悪いことではない。技術的に正しいウェブサイトであれば、404を返すURLは当たり前のように存在するものだ。
ソフト404は「コードは200を返すが実質的には404」なので、本当に404のステータスコードを返すようにするのは至極まっとうな対処方法だ。404が存在するのは何ら問題ない。こうした観点から、ミューラー氏はごくシンプルにアドバイスしたのだろう。
ソフト404の発生原因と対処方法については、検索セントラルサイトのドキュメントに詳しい説明がある。読んだことがなければ目を通しておこう。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- 技術がわかる人に伝えましょう
理想的なコンテンツの長さを教えてほしい→そんなものはない
絶えることのない質問 (LinkedIn) 海外情報
グーグルのジョン・ミューラー氏がLinkedIn(リンクトイン)で次のように質問された。
グーグルの検索結果でより良いパフォーマンスを発揮するコンテンツの長さについて、理想的なものがあるのでしょうか?
長くて詳細な記事を作成することに焦点を当てるべきでしょうか? それとも、短くても簡潔で価値のあるコンテンツであれば、同様に上位に表示されるのでしょうか?
ミューラー氏は次のように返信した:
「理想的なコンテンツの長さ」として普遍的な基準はない。単に言葉を足したり削ったりするのではなく、ウェブ全体に独自の価値をもたらすことに焦点を当てるべきだ。
上位表示に適した文字数を気に掛ける人は絶えず存在する(このコラムでも幾度となく取り上げている)。SEOに取り組み始めたばかりだと、やはり気になってしまうのだろうか?
何度でも言うが、文字数はランキング要因ではない。検索ユーザーが求めていた情報が手に入るかどうかが重要であって、その目的達成のために必要な文量を書けばいいのだ。
「ポール・マッカートニーの生年月日」という検索に応えるならば、400文字もいらないかもしれない。
「iPhoneでスクリーンショットを撮る方法」を説明する記事には2000文字も必要ないだろう(どちらかというと画像をうまく使うほうが良さそうだ)。
「HTTPステータスコードの種類」をすべて詳しく解説するならば、数千文字~1万文字程度が適切だろう。
生成AIの仕組みや成り立ち、利用方法を網羅的に解説する記事は10万字でも足りないかもしれない。
文字数は重要ではない。重要なのは、そのコンテンツが充足しようとしているユーザーニーズを満たすために必要十分な情報量があり、さらにそのコンテンツに独自の価値があってユーザーの役に立つかどうかだ。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
【必見】マーケとセールスにGoogleトレンドを活用。実務に役立つ4つのノウハウ
実践的な内容 (Google Search Central on YouTube) 海外情報
このコラムで毎回取り上げているGoogleトレンド解説動画シリーズの、新着エピソードを紹介する。今回は実践的な内容だ。
テーマは「Googleトレンドのデータを使ってビジネスのマーケティングと販売戦略を最適化する方法」。検索アドボケイトのダニエル・ワイズバーグ氏とGoogleトレンド エンジニアリングマネージャーのオムリ・ワイズマン氏が解説する。
彼らは、架空のオンライングルメチーズストア「Cheese Nuts(チーズ・ナッツ)」を例に挙げ、次の4つの主要なテクニックを紹介した:
- 業界全体のトレンドの把握
- 競合のベンチマーク
- ブランドの認知と評判を分析
- 広告キャンペーン向けキーワード分析
実務に役立つノウハウなので、これは見逃すともったいない。視聴を強く推奨する。
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