ヤフーの地域情報「Yahoo!ロコ」4月に開始 飲食店や店舗がプレイスページを作って集客・販促

先行している「Googleプレイス」の対応サービス
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ヤフー株式会社は、地域情報サービス「Yahoo!ロコ」を2011年4月上旬から提供開始することを発表した。

グーグルには、店舗や事務所などリアルの「場所」に紐づけた情報を事業者が登録することでネット上でも正確な情報提供につなげる「Googleプレイス」があり2010年からプロモーションを強化してきているが、それに相当するYahoo! JAPANのサービスだと考えるといいだろう。

Yahoo!ロコは月間2600万ユーザー・17億PVの巨大メディアに

Yahoo! JAPANでは、これまで「Yahoo!クーポン」「Yahoo!道路交通情報」「Yahoo!地図」「Yahoo!地域情報」「Yahoo!グルメ」「Yahoo!電話帳」「Yahoo!マチモバ」など、地域に関する情報を扱うサービスが複数あり、情報も分散していたため、「正直なところ、これまでは事業者にもユーザーにも使いよいものだとは言えなかった」という。

そこで、分散していたこれらの情報・サービスを集約するとともに、店舗を運営する事業者が情報を掲載し、そこから集客・販促できるサービスとして2011年4月に開始するのが「Yahoo!ロコ」だ。

同社では、既存の各種サービスを統合することで、Yahoo!ロコは月間2600万ユーザー・17億PVの巨大メディアになるとしている。

Googleプレイスのように事業者が店舗情報を登録
ユーザーのクチコミに返信も

事業者はYahoo!ロコに店舗情報(「Yahoo!ロコ プレイスページ」と呼ばれる)を登録することで、Yahoo! JAPANを利用するユーザーに対して店舗などの情報をアピールできる。

Yahoo!ロコ プレイスページの例
①タブの切り替えで、さまざま情報を表示
②オーナーからの新着情報を表示
③動画・写真・紹介文などを表示
④投稿されたクチコミを表示
⑤店舗概要やブログリンク、QRコードなどを表示
※画面はサンプル
Yahoo!ロコ プレイス管理ツールの画面例
※画面は開発中のもの

店舗向け無料ホームページ作成・管理サービス(スマホ対応付き)

ヤフーでは、小規模な事業者や個人事業主が「Yahoo!ロコ プレイスページ」を自社ホームページとして利用することも想定している。そのため、専用の管理ツール「Yahoo!ロコ プレイス管理ツール」では、プレイスページに掲載する情報を編集したり、日々のオススメ情報を発信したり、テンプレートでプレイスページのデザインを変更したりできる。動画や写真を掲載することも可能だしQRコードも表示できるので、いわば店舗向け無料ホームページ作成・管理サービスといったところだ。

また、Yahoo!ロコ プレイスページに掲載する情報は自由に編集できるので、Twitterアカウントやぐるなびなどの外部ページや自社サイトにリンクを張ることもできる。もちろん、自社のプレイスページに対してエンドユーザーが投稿したクチコミに返信することも可能だ。

Yahoo!ロコ プレイスページで作成する店舗ホームページは標準でスマートフォン対応されている。

集客・販促サービス

登録したプレイスページは、集客・販促としても活用できる。

Yahoo!ロコを利用するエンドユーザーが気に入った店舗のプレイスページを「キープ」できる仕組みがある。これはお気に入り登録のようなもので、店舗は「キープ」してくれたユーザーに対してお得情報をメッセージとしてプッシュ配信するなどの「お得意様コミュニケーション」ができるのだ。

また、プレイスページで「割引クーポン」や「スタンプ」を発行する機能も用意されている。

効果測定

プレイスページの効果測定としては、ページへのアクセス解析が用意されている。凝った高度な解析サービスではないが、日々のPV数や、クチコミ数や「キープ」数の推移、また、よく見られているページやよく検索されるキーワードなどを分析できる。

また、クーポンやスタンプなどを提供していれば、それを利用する来店者の数をチェックすることで、そうした集客・販促の効果を測定できる。

基本は無料ですべての機能を利用可能

Yahoo!ロコの事業者向けサービスは、無料プランと有料プランが用意されているが、無料プランでも機能制限はされておらず、全機能を利用できる。

有料プランを契約すると、「上位表示」「各種制限の解除」の2つのメリットが提供される。

  • 上位表示

    Yahoo!ロコでエンドユーザーが店舗情報を検索されたときに、まず有料プランを契約されているプレイスページを上位に表示するといった優遇がなされる。

  • 各種制限の解除

    無料プランでもすべての機能を利用できるが、頻度や選択肢で制限がある。たとえば、プレイスページのデザインを変えるテンプレートは200種類以上用意されるが、無料プランではその一部しか利用できず、全テンプレートからデザインを選べるのは有料プランの利用事業者だけになる。また、プッシュによるエンドユーザーへの情報配信に関しても、無料プランでは頻度が制限されており、好きなタイミングで何度でもといった場合には有料プランの契約が必要となる(テンプレート数やプッシュ頻度の具体的な制限値に関しては未定)。

Yahoo!ロコの事業者向けプラン体系
 エントリープランスタンダードプラン
スタンダードプランスタンダードプラングルメ
コール課金タイプ
スタンダードプラングルメ
定額タイプ
対象業種全業種飲食店以外の全業種飲食店(予約業種)飲食店(非予約業種)
価格(年額)無料36,000円定額36,000円定額
+コール課金500円
60,000円定額
いずれも契約期間は1年間(自動更新)

飲食店がその他の業種と異なるプランになっているのは、Yahoo!ロコにおいて飲食店情報は重要なデータとして積極的に扱っていく(特別に枠を設けて情報を表示するなど)ことによるのだという。

Yahoo!ロコに関するその他の情報

  • Yahoo!ロコに店舗情報を登録するにはどうすればいいのか?

    代理店経由での申し込みは2011年1月20日から開始している。

    代理店を通さずにオンラインで登録できるようになるのは3月上旬から。

    登録の際には、Yahoo! JAPAN IDではなく、企業向けサービスを利用するためのYahoo! JAPANビジネスIDが必要となる。

  • 複数店舗の情報の一括で管理できるのか?

    代理店経由で申し込んだ場合のみ、複数店舗の情報を一括で管理・更新できる(オンライン申し込みの場合は不可)。

  • 利用できる業種に制限はあるのか?

    基本的にYahoo!ロコ特有の制限は設けていないため、Yahoo! JAPANの規約に準じた業種の制限となる。

  • 場所の登録は自由にできるのか、虚偽の登録でスパムだらけにならないのか?

    利用にはYahoo! JAPANビジネスIDの登録が必要なので、その登録時にまず確認がされる。またそれに加えて、各プレイス情報の登録について、すべて電話による確認が成される。

  • 店舗を「キープ」してくれたユーザーの個人情報を事業者は入手できるのか?

    事業者がエンドユーザーの個人情報を入手することはできない。「キープ」してくれたユーザーであっても、Yahoo!ロコ プレイス管理ツールのインターフェイスを通じてのやりとりとなる。

    そのため、既存のCRMシステムにYahoo!ロコの利用者の情報を統合して利用することはできない。

  • Yahoo!検索のオーガニック検索にはYahoo!ロコの情報はどのように統合されていくのか

    Yahoo!検索の検索結果ページでは、オーガニック検索の中にではなく、現在Yahoo!地図の情報が表示されているのと同様に、ブレンド検索としてYahoo!ロコの情報を表示していく。

    2010年に交わされたヤフーとグーグルの提携では、検索精度を高めるためにヤフーからグーグルに対して登録情報を(クロールによってではなくデータとして)提供することになっているが、今回スタートするYahoo!ロコの情報も、その範囲に含まれる。ただし、具体的にどのようにデータを提供していくかはまだ未定とのこと。

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