25歳~35歳の社会人、人を巻き込んで学ぶ「ソーシャル・ラーニング」で幸せに活躍できる?【パーソル総研ほか調べ】

“学びの個人化”が進む現代、若い人ほど学びに前向きで社会性も重視。

パーソル総合研究所、ベネッセコーポレーションの車内シンクタンクであるベネッセ教育総合研究所、立教大学中原淳教授は、「若年就業者のウェルビーイングと学びに関する定量調査」の結果を発表した。若年社会人(25歳~35歳)の“ウェルビーイング(心身の幸福)”と“学び”について調査を実施している(サンプル数2000人)。

仕事やキャリアに関する志向性でわかれる7タイプ

それによると、若年社会人は、仕事やキャリアに関する志向性(はたらく志向性) によって、以下の7つのタイプに分かれるという。

  • 社会課題解決タイプ: 社会の問題や困りごとを解決する仕事で、社会の持続的発展に貢献したいという想いが強い。
  • 働き方重視タイプ: 仕事のやりがいよりも働く時間や場所を自分で選びたいという想いが強い。
  • はたらく仲間重視タイプ: 職場内の人間関係を重視。雰囲気の良い職場で尊敬できる上司・先輩の下で周囲の人と信頼関係を築きながら働きたい。
  • スキル蓄積タイプ: どこでも通用する技術が身につく仕事がしたい、専門的なテーマを追求したい。汎用的な知識・経験を蓄積したい。
  • 安定重視タイプ: 変化の少ない、安定した環境で働きたい。
  • 承認重視タイプ: 周囲からの直接的な感謝や、世間からの高い評価・尊敬といった他者からの承認を求めている。
  • 縁の下の力持ちタイプ: 縁の下の力持ちとして、あまり目立つことなく、人をサポートすることで貢献したい。

この調査では、「はたらくことを通して、幸せを感じている」などの7項目を「個人の主観的な幸せ」、「顧客や関係者に任された役割をはたしている」などの5項目を「個人のジョブ・パフォーマンス」として測定し、ともに高い層を「幸せな活躍層」と定義し、全体と比較している。

まず、「学びや学習に前向きにとりくんでいるか」を聞くと、全体では32.1%だったが、「幸せな活躍をしている」と考えている層では57.1%に達した。具体的な学習の内容では、社内勉強会への参加や主催、勤務時間外の研修参加、読書などがあるがいずれも「幸せな活躍をしている」と考えている層のほうが高い。

次に、人を巻き込んで学ぶ「ソーシャル・ラーニング」が高い層(平均以上)と低い層(平均未満)における幸せな活躍層の割合を見ると、高い層では57.1%、低い層では14.4%とかなりの差異が観測された。またその具体的な行動についても、ほぼ倍近い差を見せている。

同様に、社会課題解決への関心の強さを示す「ソーシャル・エンゲージメント」について見ると、幸せな活躍層での割合は53.5%と全体平均12.0%の4.5倍を示した。自社での仕事が社会課題解決につながっている実感である「ソーシャル・レリバンス」も同様に、3.2倍と高かった。

調査概要

  • 【調査対象】有期雇用を除く25~35歳の就労者(全国、大卒・院卒)
  • 【調査方法】調査会社モニターを用いたインターネット定量調査
  • 【調査時期】2021年11月5日~.8日
  • 【有効回答数】2000名(25~29歳男性25.1% / 30~35歳男性35.1% / 25~29歳女性17.9% / 30~35歳女性21.3% / 性別不明0.8%)
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