日本のデジタル広告の視認性、急激に悪化し過半数が“見えない”状態に【IAS調べ】
インテグラル アド サイエンス(IAS)は、「メディアクオリティレポート 最新版[2022年上半期:1月~6月]」を発表した。アドフラウド、ブランドリスク、ビューアビリティなど、デジタル広告の主要カテゴリにおけるパフォーマンスを世界的に計測したもので、年2回発行されている。
日本の広告のビューアビリティとブランドリスクが、半年で急激に悪化
今回の調査では、アドフラウド、ブランドリスク、ビューアビリティなどの指標において日本は、世界平均に比べかなり数字が悪い状況が明らかとなっている。
デスクトップ ディスプレイ広告の「ビューアビリティ(視認性)」は、世界的に過去最大となる改善傾向を見せた。そんななか日本は前年同期比6.4ポイント減の48.4%と大幅に悪化。測定対象の20国のなかで唯一50%を下回った。ビューアビリティは「広告枠の半分超が1秒間以上閲覧可能な場合」と定義されており、今回の急激な悪化で、多くの日本の広告が“見えない”“見られない”状態にあることとなる。
なおモバイルウェブでのビューアビリティは、日本も前年同期比1.7ポイント増で47.1%と改善したが、世界平均66.9%をまだまだ下回っている。
こうした悪化傾向は「ブランドリスク(ブランド毀損)」についても同様で、ポーランドなどの一部を除いた世界的な減少傾向に対し、日本は増加を示しワースト1位だ。
一方2022年上半期の「アドフラウド(広告不正)」は、ほとんどの国で増加。日本のデスクトップ ディスプレイ広告のアドフラウドも前年同期の2.6%から3.3%に増加し、シンガポール(4.9%)に続くワースト2位となった。モバイルウェブのディスプレイ広告のアドフラウドは2.3%から1.7%に改善したが、いまだ世界ワースト2位だ。
そして「タイムインビュー(ビューアブルなインプレッションが継続して表示された平均時間)」の世界平均は21.79秒。これに対し日本はわずかに下回り21.77秒で、前年同期比では1.69秒減だった。一方モバイルウェブのタイムインビューは1.33秒増加し13.79秒。なおモバイルアプリでのタイムインビューは21.15秒で、世界平均より3.40秒長かった。
調査概要
- 【調査指標】ビューアビリティ、ブランドリスク、アドフラウド、タイムインビューなど
- 【調査期間】2022年上半期(1月~6月)
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