動画広告の成長率123%! 検索広告を超える新たな王者が誕生か?【電通グループ調べ:2024年インターネット広告媒体費】

2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析を実施。

電通デジタル、CCI、電通、セプテーニの電通グループ4社は、電通が2025年2月27日に発表した「2024年 日本の広告費」の調査結果のうち、インターネット広告媒体費の内訳を、広告種別、取引手法別などの切り口で分析し、さらに2025年の予測を加えた「2024年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」を発表した。

インターネット広告媒体費は、前年比110.2%の2兆9,611億円

電通が発表した「2024年 日本の広告費」によると、2024年の総広告費は前年比104.9%の7兆6,730億円となり、4年連続で成長、3年連続で過去最高を更新した。その中でも1996年から推定を開始しているインターネット広告費は、前年比109.6%の3兆6,517億円となった。総広告費に占める割合は47.6%に達し、過去最高を更新している。

また、インターネット広告費からインターネット広告制作費および物販系ECプラットフォーム広告費を除いたインターネット広告媒体費は、前年比110.2%の2兆9,611億円に達した。広告種別では、ビデオ(動画)広告は前年比123.0%の8,439億円と最も高い成長率を示し、構成比でもディスプレイ広告を上回る28.5%を占めた。検索連動型広告も2023年に1兆円を突破して以降、引き続き増加し、2024年は前年比111.2%の1兆1,931億円となった。

特にSNS上の縦型動画広告の伸長が顕著で、デジタル広告市場の成長をけん引している。

インターネット広告媒体費の広告種別構成比

インターネット広告媒体費を取引手法別で見ると、運用型広告は前年比111.1%の2兆6,095億円で、インターネット広告媒体費に占める構成比は88.1%となった。予約型広告は前年比105.4%の伸長で2,789億円となり、成果報酬型広告は前年比99.3%とわずかに減少し727億円となった。

インターネット広告媒体費の取引手法別構成比

広告種別×取引手法別では、運用型の検索連動型広告がインターネット広告媒体費全体に占める構成比が最も高い40.3%。次いで運用型のビデオ(動画)広告が運用型のディスプレイ広告を推定開始以降はじめて上回り、24.0%となった。

インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比

ビデオ(動画)広告は、前年比123.0%の8,439億円

ビデオ(動画)広告は、前年比123.0%の8,439億円と、広告種別で最も高い成長率となった。その内訳は、動画コンテンツの間に挿入されるインストリーム広告が4,260億円(構成比50.5%)、Webサイト上の広告枠や記事のコンテンツ面などで表示されるアウトストリーム広告が4,178億円(構成比49.5%)となり、ほぼ同水準であった。また、取引手法別では運用型広告が84.4%を占めた。

ビデオ(動画)広告の広告種類別・取引手法別構成比

ソーシャル広告、はじめて1兆円を超える

ソーシャルメディアのサービス上で展開されるソーシャル広告は、前年比113.1%の1兆1,008億円となり、2019年の推定開始以降はじめて1兆円を超えた。インターネット広告媒体費に占める構成比は37.2%となった。

ソーシャル広告を種類別に「SNS系」、「動画共有系」、「その他」に分類すると、SNS系が4,550億円(構成比41.3%)、動画共有系が4,054億円(構成比36.8%)、その他が2,404億円(構成比21.8%)となり、 動画共有系の割合が前年から増加した。

ソーシャル広告の構成比推移・広告種類別構成比

インターネット広告媒体費総額の推移と予測 

2025年も堅調に拡大し、前年比109.7%の3兆2,472億円になると予測する。

インターネット広告媒体費総額の推移(予測)

2025年のビデオ(動画)広告は、2025年も二桁成長を維持し、前年比114.7%の9,677億円になると予測する。アウトストリーム広告とインストリーム広告はほぼ同等の成長を見込む。

ビデオ(動画)広告市場の推移と予測

調査概要

  • 【調査主体】株式会社電通デジタル/株式会社CARTA COMMUNICATIONS(CCI)/株式会社電通/株式会社セプテーニ
  • 【調査時期】2024年12月~2025年2月
  • 【調査方法】以下の調査に基づき、推定作業を実施
    • ①インターネット広告媒体社などを対象としたアンケート調査(Web調査)「2024年(令和6年) 日本の広告費 インターネット広告媒体売上についてのお伺い」 として実施
    • ②同、追加ヒアリング調査
    • ③各種データ収集・分析
       
  • 【広告種別の定義】ビデオ(動画)広告:動画ファイル形式(映像・音声)の広告
    • ディスプレイ広告:Webサイトやアプリ上の広告枠に表示する画像、テキストなどの形式の広告
    • 検索連動型広告:検索サイトに入力した特定のワードに応じて、検索結果ページに掲載する広告
    • 成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告
    • その他のインターネット広告:上記以外のフォーマットのインターネット広告、メール広告、オーディオ(音声)広告など。タイアップ広告を含む
       
  • 【取引手法の定義】
    • 予約型広告:純広告やタイアップ広告として、代理店・メディアレップ経由もしくは直接、広告主に販売されたもの、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて非入札方式(固定価格)で取引されるもの
    • 運用型広告:検索連動型広告、およびデジタル・プラットフォーム(ツール)やアドネットワークを通じて入札方式で取引されるもの
    • 成果報酬型広告:インターネット広告を閲覧したユーザーが、あらかじめ設定されたアクションを行った場合に、メディアや閲覧ユーザーに報酬が支払われる広告
       
  • 【ビデオ(動画)広告の定義】動画ファイル形式(映像・音声)の広告。以下のようなものを含みます 
    • インストリーム広告:動画コンテンツの前、中、後に再生する動画ファイル形式の広告
    • アウトストリーム広告:ディスプレイ広告枠などの動画コンテンツ外で表示される動画ファイル形式の広告
      Web上の広告枠や記事のコンテンツ面などで表示されるインフィード広告で動画ファイル形式のものも含む
  • 【ソーシャル種別の定義】SNS系はSNSプラットフォーム(動画共有系を除く)、動画共有系はユーザー投稿型動画共有サイト、その他はブログや電子掲示板など

※本資料内グラフにおける数値は、表示単位未満を四捨五入して表示しているため、計算値が一致しない場合がある。

用語集
EC / SNS / アドネットワーク / インフィード広告 / ソーシャルメディア / タイアップ広告 / ディスプレイ広告 / メディアレップ / 検索連動型広告
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