【インタビュー】コミュニケーション視点も踏まえサービスサイトをリニューアル(ストリートアカデミー)

<事例>「ストリートアカデミー」のコミュニケーション活動
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【インタビュー企画・実施】
「広報スタートアップのススメ」編集部: http://www.pr-startup.com
(運営会社:合同会社VentunicatioN http://www.ventunication.com

個人のスキルを活用するサービスが最近台頭してきていますが、今回紹介する「ストリートアカデミー」は、マッチングはWEB上で行いながらも“講座”というリアルな形式を採っているのが大きな特徴です。
そこで今回は「ストリートアカデミー」を運営する株式会社IntheStreet(インザストリート)代表の藤本崇氏に、起業に対する志やコミュニケーションに関する取り組みなど、さまざまなお話を伺いました。

誰もが気軽に教えたり学んだりできる環境をつくりたい

まずは「ストリートアカデミー」とはどんなサービスなのか教えてください。

人は誰もが何かしら他人に対して教えるスキルを持っているにも関わらず、個人で教えることは敷居が高いものだと考えられがちです。そこでもっと気軽に“教える”ことが出来る環境をつくることで、個人の “教える”を活性化するためのコミュニティ形成を目指したいと考え、教えたい人と学びたい人とをマッチングするためのスキル共有プラットフォームとして「ストリートアカデミー」を運営しています。

具体的には、まずは教えたい人は開催日時・開催場所・募集人数・講座内容・価格などの条件を明確にしたうえで 講座を開設・募集し、そして学びたい人は興味がある講座の受講予約を行います。なお単にスキルを習得するだけでなく、習得の過程での出会いや発見も“学び”の一環であると考えているので、したがって講座は1:1ではなく複数名によるグループ参加形式としています。

なぜこのようなサービスを始めようと思ったのですか?

MBA取得に際して夫婦で渡米した際に、私の妻が現地でケーキ教室を開いたところ、「日本人が作るきめ細やかなケーキ」として評判になりました。米国では肥満が社会問題化していた中で、低カロリーでスイーツを楽しめたり、親子で学ぶことで家族の絆にもつながったりすることから、彼女自身も非常にやりがいを感じていました。

そこで帰国後も都内でケーキ教室を開催しようと動いていたのですが、なかなか集客が上手くいかず、どのように集客をしているのか見かねて尋ねたところ、意外にもWEBやSNSを使わずに、街頭でビラ配りを行っているとのことだったのです。

この話を聞いたときに、主婦の方はもちろん社会人でも休日や夜間を利用して、他人に教えたいと考えている人は多くいる一方で、集客の導線をはじめ開催に至るまでにさまざまな問題を抱えている人も多いのではないかと考えました。

そこでもっと誰もが気軽に教えたり学んだりできる環境をつくることで、社会人の学びを活性化することが出来るのではないかと考えて起業に至った次第です。

前職では金融業にお勤めだったということで、相応の生活だったのではないかと想像できますが、それを捨ててまで何故起業を選ばれたのですか。

確かに前職ではそれなりの収入を得ることも出来、仕事自体も刺激に溢れていましたが、一方で何か新しい価値観を社会に提供することを自分の使命として取り組めたら良いなという想いを昔から抱いていました。

また日本では本当にやりたいことがあってもなかなか踏み切れず、リタイアしてからやるという話をよく聞きますが、アメリカでは弁護士から料理人へ転身したりするなど、全く違う分野へのキャリアチェンジも珍しい話ではありません。

そこで、今までの延長線上ではなくゼロから新しいことを始めることで、本当の意味での社会への価値提供を成し遂げたいという想いで起業に踏み切りました。

コミュニケーション視点も踏まえてサイトリニューアルを実施

そして2012年8月に「ストリートアカデミー」を開設されたわけですが、現在の利用状況はいかがですか?

開設から10か月(※6月中旬取材)で約240講座、受講者数は約1,400名に上ります。

コミュニケーション活動を展開するうえで、どんなことを意識されていますか?

「ストリートアカデミー」と一言で言っても、教える人・学びたい人、それぞれの側面がありますので、場面や状況に応じてどちら側を強調するべきかを意識しながらコミュニケーションするようにしていますが、現在は教える人に対してやや重心を置き、「誰もが先生になれる」「誰もが教えるものを持っている」というメッセージを発信するようにしています。そして教える人が増えて講座が充実してきたら、次は「何でも学べる、学びのマーケットプレイス」というメッセージにシフトしていこうと考えています。

一方で「ストリートアカデミー」のサイト自体は導線にしか過ぎず、我々がやっていることは“コミュニティづくり”ですので、サイトの機能を前面に押し出すのではなく、あくまで「みんなで教え合うコミュニティ」というコンセプトに共感してもらえる人に参加してもらうために、Facebookやtwitterを活用しながら“自発的な”つながりを広げたり、またこのコンセプトに基づくような内容でブログ投稿を行ったりしています。

5月にリニューアルされましたが、コミュニケーション的視点も随所に見られますね。

“学び”と一言で言っても、受け手側にとってその意味や趣向、また属性も異なります。

そこで今までは講座を無作為にレイアウトしていましたが、リニューアルでは講座をカテゴリー別に区分して、それぞれのカテゴリーごとにページを設けるようにしました。更に今後はこれらカテゴリーをサブブランド化して、サブブランドごとにコミュニケーションを展開していくことで、ひとくくりで “学び”と訴求するのではなく、一人ひとりが考える“学び”にフィットさせていこうと考えています。

また 「特集」コーナーを開設し、個々の講座をあるテーマや切り口に基づいてまとめる、いわゆるキュレーションのようなコンテンツを始めました。例えば「アントレプレナー」というテーマのもと、「WEBデザイン講座」「投資家へのプレゼン講座」「市場調査講座」などをまとめると言った感じです。それぞれは別々に開催されているものですが、これらをまとめることで、一連のスキルを身につけることにつながればと考えています。

サイト構成のリニューアルに加えて、講師の方のインタビューなどのコンテンツも始められましたね。

“学ぶ”と同様に“教える”ことも人それぞれ価値観が異なるため、人に教えることは格好良いことなのだと訴求していくために、講師インタビューを始めました。インタビューでは、「忙しいのにもかかわらず、なぜ教えるのか」という質問をあえてさせていただき、“喜び”とか“やりがい”とか「教える」ことの志を発信できればと考えています。

“楽しさ”を追求しながら

それでは最後に今後の抱負をお願いします。

ある意味現状のシステムは、“教える”に特化したイベント開催ツールに過ぎません。しかし我々としては単に講座を開くことが目的ではなく、“学び”を活性化させたいという想いで取り組んでいます。

したがって教えることや学ぶことは楽しいことなのだと実感してもらえるように、例えば修了証を発行できるようにしたり、開催数に応じたインセンティブを設けたりするとか、また講座自体もインドアだけでなく屋外での撮影講座やツアー型講座なども増やしていくなど、より “FUN(楽しさ)”の要素を追求しながら、社会人の学びを活性化できるように今後も取り組んでいきたいと思います。

本日はありがとうございました。

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