【激動の2007年】日本のSEM市場
――2006年の総括と2007年の展望
TEXT:泉浩人(ルグラン)
第2回 検索連動型広告を使ってコストを変えずに集客を増やすための、マル秘テクニックを学ぼう。
検索連動型広告を使って賢く集客、ビジネスを一気に拡大する方法を、検索連動型広告の日本での立ち上げ時より業界最先端で活動していたプロが、管理画面を使いながら伝授する実践型のセミナー第2回を1月17日に東京で開催します。
検索連動型広告の効果を最大化するために最も大切なことは、効果検証を行うこと。このセミナーでは演習問題を使って効果検証に必要な考え方や方法を学びます。
また、検索ユーザーを効率的にサイトに誘導するためのランディングページ作り、集客を増やすために知っておくと得するマル秘テクニックなどを事例を使って説明。これから検索連動型広告を始める方は勿論、すでに検索連動型広告を使っているけど自分のやり方が正しいかどうか確認したい方も歓迎です。
セミナーで扱うテーマ例(予定)
- 効果測定でわかるキーワードのコストとリターン
- ROI分析と最適入札価格の計算方法
- 検索連動型広告の効果を最大化するためのサイト作り
- 広告掲載ガイドラインと審査対策
- ネット広告の新たな展開とは?コンテンツ連動型・モバイル広告の可能性
講師:泉 浩人氏 株式会社ルグラン 代表取締役
▼詳しい情報・お申し込み:
http://direct.ips.co.jp/book/internet/seminar070117/
グーグルがSEMの裾野を広げた2006年
日本はキーワード検索でヤフーがグーグルをリードする世界的にも稀な市場であることは周知の通りだが、ことSEMに関してみると、2006年はグーグルによる積極的な技術・サービス投入が顕著な1年であった。
従来、SEMの手法といえば、インターネットユーザーがパソコンから入力する検索キーワードに連動して自社の広告を掲出する、いわゆる「検索連動型広告」が主流であり、これが日本の検索市場で大きなシェアを持つヤフーを媒体に抱えるオーバーチュアの競争力にも直結する構造となってきた。これに対し、グーグルは、その高い技術力を背景に、「モバイル検索」や「コンテンツ連動型広告」という領域に先駆けて進出することにより、日本のSEM市場におけるシェア挽回にうって出たといえよう。
2006年はヤフー、グーグルというPC界の2大検索エンジンが、携帯キャリア各社と組んでモバイル検索の表舞台に登場したという点で、大きな転換点となる年であった。
特にグーグルは、アドワーズのモバイル対応も並行して進め、すべてのアドワーズ広告利用者が管理画面からリスティング広告や動画広告と併せて、モバイル広告も自由に出稿できるようにしたほか、携帯サイトを持たなくとも指定した番号に電話をかけさせる仕組みを提供するなど、あらゆる広告主に対してモバイルSEMという手段を提供することに成功した。
モバイル検索連動型広告市場の動向については、インプレスR&D社刊『ケータイ白書2007』p254にも拙文が掲載されているので、ご興味のある方はご一読されたい。
一方、携帯電話向けの検索連動型広告サービスの提供では先行したオーバーチュアだが、モバイルについては、まだ広告代理店を経由した出稿しか認められておらず(本稿執筆時点)、また検索トラフィックの点でも、ソフトバンク携帯のポータルサイトとなったYahoo!ケータイでの検索連動型広告掲載が見送られていることもあり(同上)、モバイル検索連動型広告の平均的な利用実績としては、これまでのところグーグルがオーバーチュアを大きく上回っている模様である。
NTTドコモ | au | ソフトバンク | |
---|---|---|---|
検索エンジン | Yahoo!モバイル グーグルなど | グーグル | Yahoo!ケータイ |
検索連動型広告 | オーバーチュア(Yahoo!モバイル) アドワーズ(グーグル) | アドワーズ | 未定 (2007年1月4日現在) |
コンテンツ連動型広告とは、検索キーワードではなく、掲載場所となるサイトやブログのコンテンツに最も関連性の高い広告が掲載される仕組みである。
検索サイトの数や検索ユーザー、あるいは1日に行われる検索の回数が有限である。それに対して、インターネット上にあるコンテンツの数は無限に近く、また日々急速な勢いで膨張を続けているため、グーグルやオーバーチュアなどの事業者にとっては、広告売上の持続的な成長を実現するための貴重な「媒体」として注目されている。
実際、アウンコンサルティング社が発表した市場予測においても、コンテンツ連動型広告が2007年以降、SEM市場拡大の牽引力になるとされている。
ここでもグーグルの対応は早く、アドワーズ広告の利用者が管理画面から、コンテンツ連動型広告(アドセンス)の掲載有無や、検索連動型広告とは異なる上限入札価格の設定などを可能にする一方、広告の掲載場所についても、気軽に副収入を稼ぐことのできるアフィリエイトプログラムとして数多くの個人サイトやブログを取込むことに成功した。
これに対し、オーバーチュアでも、早くからコンテンツ連動型広告(コンテンツマッチ)のサービスは提供してきたが、掲載場所としては当初からMSNやOKWebなどオーバーチュアのパートナーサイトに限定されているため、広告が表示・クリックされる回数はキーワードにもよるが、グーグルに比べると一般的にはかなり少ない。
ちなみに、米国のヤフーではYahoo! Publisher Network (YPN)という『ヤフー版アドセンス』ともいえるサービスのベータ提供を開始し、コンテンツ連動型広告の配信ネットワークを個人サイトやブログにも拡充しているが、同様のサービスの日本市場への導入が遅れる場合、2007年には338億円程度まで拡大すると見込まれるコンテンツ連動型広告市場(前出アウンコンサルティング社予測)の大半をグーグルが支配するといったシナリオも現実味を帯びてこよう。
2007年に広告主が取組むべき3つの課題
(1) グーグルにおけるSEM対策の強化
前述のとおり、グーグルはモバイル版検索連動型広告やコンテンツ連動型広告などを積極的に展開しており、この分野における同社の優位は2007年も続くと考えられる。
検索連動型広告においては、高いシェアを持つオーバーチュア(ヤフー)をしっかり押さえておくことが重要かつ有効な戦略であったが、SEMの領域が今後モバイルやコンテンツ連動型広告にも急速に広がっていく中、グーグルが先行するこれらのサービスについてもしっかりと使いこなしておかないと、ある日突然、ライバル他社に寝首をかかれることにもなりかねない。
(2) オーバーチュア新プラットフォームへの対応
米ヤフーでは、移行作業がまさに現在進行中だが、今年は日本でもオーバーチュアのシステムが新プラットフォームに移行される見通しである。
すでに一部の広告代理店に対しては、オーバーチュアから新プラットフォームに関する情報提供やトレーニングなどが行われている模様だが、すべての広告主に影響を与える大きな変更である以上、広告代理店を利用していない一般の広告主も十分な情報収集と準備をしておくことが肝要である。
特に新プラットフォームでは、リスティングの掲載順位がオークション方式だけではなく、入札価格やクリック率など複合的な要素に基づいて決定されるようになるため、新方式においても広告効果を維持・改善していくための方策を考えておくことが必要となろう。
また、管理画面の仕様も大幅に変更となり、米国の仕様がそのまま日本に持ち込まれる場合、たとえば、現在の「カテゴリ」が「キャンペーン」に読み替えられ、各「キャンペーン」の下には「広告グループ」が配置されることになる。しかし、1つのアカウントで管理できる「キャンペーン」の数は最大20個とされており、特に現行のシステムで多くの「カテゴリ」を設けている広告主は、今から新プラットフォームへの移行を見据えたカテゴリやリスティングの管理をしておくなど、周到な準備が求められることとなろう。
なお、オーバーチュアの新プラットフォームに関する情報については、こちらの記事も参照されたい。
【最新SEM情報】ヤフーのキーワード広告が来年ガラッと変わる! どう変わる?http://web-tan.forum.impressrd.jp/e/2006/11/22/511
(3) ROIに基づく広告管理の徹底
SEMの対象がモバイルやコンテンツ連動型広告にも広がり、また、日本における検索連動型広告の中核システムであるオーバーチュアの広告プラットフォームにも大幅な変更が加えられるなど、2007年もSEM市場は引続き大きな変化の荒波にもまれる1年となりそうだ。
だが、どのような変化が起ころうとも広告主が頼るべき唯一の指針は、広告がもたらすROIである。SEMが広告手段として他の手法よりも優れているのは、きちんと測定をすれば広告効果がガラス張りになるという点であり、これだけは今後とも変わることはない。
従って、広告主は、表層的な変化に惑わされることなく、自分にとって最適なROIをもたらす媒体やツールを、数字に基づいて客観的かつ冷静に取捨選択していくことが成功への近道となろう。
第2回 検索連動型広告を使ってコストを変えずに集客を増やすための、マル秘テクニックを学ぼう。
検索連動型広告を使って賢く集客、ビジネスを一気に拡大する方法を、検索連動型広告の日本での立ち上げ時より業界最先端で活動していたプロが、管理画面を使いながら伝授する実践型のセミナー第2回を1月17日に東京で開催します。
検索連動型広告の効果を最大化するために最も大切なことは、効果検証を行うこと。このセミナーでは演習問題を使って効果検証に必要な考え方や方法を学びます。
また、検索ユーザーを効率的にサイトに誘導するためのランディングページ作り、集客を増やすために知っておくと得するマル秘テクニックなどを事例を使って説明。これから検索連動型広告を始める方は勿論、すでに検索連動型広告を使っているけど自分のやり方が正しいかどうか確認したい方も歓迎です。
セミナーで扱うテーマ例(予定)
- 効果測定でわかるキーワードのコストとリターン
- ROI分析と最適入札価格の計算方法
- 検索連動型広告の効果を最大化するためのサイト作り
- 広告掲載ガイドラインと審査対策
- ネット広告の新たな展開とは?コンテンツ連動型・モバイル広告の可能性
講師:泉 浩人氏 株式会社ルグラン 代表取締役
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http://direct.ips.co.jp/book/internet/seminar070117/
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