有志によって世界規模で運営されているウェブサイトのディレクトリ。サイトの登録申請を出すと、エディタと呼ばれるスタッフがサイトをチェックしてから登録される仕組みのため質の良いリンク集という扱いになっており、dmozに登録されることはSEO上大切なことだと認識されている。Googleは今もディレクトリ検索にdmozのデータを使っている。「Open Directory Project」という名称から「ODP」と呼ばれることもある。
この記事は、後半の内容のために少し古い記事を日本語化しています。dmozは2006年12月から2007年1月まで、サイトの新規登録ができない状態になっていました。現在はサイトの新規登録は復活しています。
私はかなり多くの人たちから、ディレクトリサイトdmozの助太刀を頼まれた。フォーラムの投稿を見てみると、緊急に支援が必要らしい。すでに気付いてる人も多いと思うが、dmozはここ数ヶ月の間、新規登録ができない状態だ。ウェブサイトを登録しようとすると、エラーページが表われる(このリンクにはnofollowを適用。良さを示すためのリンクじゃないからね)。
dmozで、エディターのフォーラムを閲覧しようとすると、サイト登録についてや、登録サービス機能がいつ復活するかなどを訊かないよう具体的な指示がある。dmoz 2.0、その不条理の世界にようこそ。
幸いなるかな、そのことは大した問題じゃない。dmozは長い間、とてつもなくリンクを置く価値のある場所だった。その理由を並べてみよう。
- dmoz登録ページは検索エンジンの上位ランクに位置していたため、直接的なトラフィックを多くもたらした。また、Googleを使った検索が流行する前は、ウェブを見て回る人たちがdmozをよく使っていた。
- Googleは、dmozのディレクトリをそのままGoogle Directoryとして提供し、Googleのトップページにリンクがあった(今は、わざわざ膨大なサービスリストを探しまわる必要がある)。
- 新規リンクの追加や、リンクの評価および修正を行なうなど、dmozは活発な場所でリンクの関連性も高く新鮮だった。
- dmozは新規被リンクを受け付けていたので、検索エンジンから見て価値が高かった。
しかし、今やdmozはほとんど役に立たない。
- SEOmozはもちろん、私たちのクライアントたちの多くもdmozに登録されているが、1日に10件以上のトラフィックを生むリンクは皆無で、3つあるSEOmozのリンクですら、1週間でもその数に届かない(ちなみに、私たちは登録すらしたことがない)。
- Googleのdmozクローンは、ほぼ死亡状態だ。Google DirectoryからSEOmozに来たトラフィックは、dmozよりもさらに少ない。
- dmozの活動は、非常に停滞してしまった。サイトの新規登録は受け付けてもらえず、エディターたちは議論を抑えるために結束を固めてしまい、存在するリンクの多くは、まったく新鮮さがない。
- dmozの新規被リンクの比率が落ちた。時々リンクを付ける人はいるものの、もはやかつてのように一般的な情報源ではないし、Technoratiで見つけたdmozを指す新規リンクは、ほとんどがスパムブログのものばかりだ。
そんな訳で、dmozのリンクには、獲得するのに必要な労力や資金に見合う価値がほとんどないと思う(エディターたちは悪用に対して被害妄想的になっているが、お金で解決するには半端じゃない金額がかかる。1,000ドル以上払った会社の社長がいることを知っている)。
時間はもっと有効に使おう。時間とお金はもっと投資利益率の高いコンテンツやマーケティング活動に充てることができるのだから。
スパム問題でWikipediaの下した判断は正しいで解説したように、現在はWikipediaから外部へのリンクはnofollow属性が追加されているため、dmozのようにSEOとしての効果はなくなっている。
いろいろな意味で、dmozから情報源の座を奪ったのはWikipediaだ。Wikipediaの各ページに置いてある外部リンクは、ある種のディレクトリの役割を果たしており、dmozのリンク数が伸び悩む一方で、Wikipediaのリンク数は猛烈な勢いで伸びている。
それでも、新たなディレクトリ分類プロジェクトの可能性について、思いを巡らさずにはいられない。dmozは失敗したシステムで、2~3年のうちに完全に忘れ去られるだろうが、その瓦礫の中から、誰かが「Web 2.0」型の、何か凄い可能性を持ったディレクトリを創造するんじゃないかな、と思っている。
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