Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

小さな複数のニッチサイトよりも人の集まる大規模サイトが好ましい5つの理由

今日(米国時間10月1日)、SEOmoz史上初のトレーニングセミナーが無事終了した。取り上げたのは、キーワード調査から技術的な問題点、検索アルゴリズムとソーシャルメディアに至るまで、さまざまな話題だ。7時間ぶっ続けで講演してきたけど、気分はかなりいい。参加してくれた人たちには有意義な時間を過ごしてもらえたようだったし、セミナー後のパーティも、僕が1時間前に抜けてくるときには、まだ盛況だった。

セミナーで最もよく訊かれた質問の1つは、マイクロサイトの構築あるいはマイクロサイトをSEOに利用する戦略に関するものだった。Cameron Olthuis氏がマイクロサイトの是非に関する記事をSearchEngineLandに書いたのは知っている。でも僕個人としては、マイクロサイト(あるいはそれに類する二次的なサイト)はほぼ例外なく間違いだと考えているんだ。今夜は、その理由について、簡単に説明しようと思う。

なぜ多数のマイクロサイトに分割するのが好ましくないのか

  1. 検索アルゴリズムは信用度の高い大規模ドメイン名がお好き
    あるトピックについてすばらしいコンテンツを作成し、それを個人で運営している小規模なウェブサイトに掲載したとしよう。そのサイトへの外部リンクをいくつか張り、ページとサイトをターゲットとするキーワードに合わせて最適化し、インデックスしてもらう。次に、それとまったく同じコンテンツをWikipediaやCNN.comに投稿してみよう。あるいはSEOmozでもいいよ。この場合、ほぼ間違いなく、信用度の高い大規模ドメイン名に置いたコンテンツの方が、小さなニッチサイトに置いたコンテンツよりも高い順位を獲得できる。検索エンジンが現在使用しているアルゴリズムは、信用とオーソリティを持ち、一貫した歴史のあるサイトの味方をするんだ。

  2. リンクの恩恵は複数のサイトで分かち合える
    僕はよく下の図を使って説明するんだけど、あるドメイン名上のページに飛んでくる優れた外部リンクが1件あれば、ドメイン名全体に、そしてそのドメイン名上のすべてのページに好ましい影響を及ぼすんだ。

    The Rising Tide Lifts All Ships

    このような現象が起こるため、獲得できそうなリンクはすべて同一ドメイン名に飛ばすようにして、そのドメイン名上にあるページのランクと価値を押し上げてもらえるようにするほうが、はるかに有益だ。中核ドメイン名で獲得している外部リンクからの恩恵が及ばない他のドメイン名上に、コンテンツやキーワードでターゲティングしたページを置いても、仕事の量が増えるだけだ。

  3. ドメイン名Aに対する100件のリンク ≠ ドメイン名Bに対する100のリンク + ドメイン名Aに対する(ドメイン名Bからの)1件のリンク

    Comparing Links to Domains

    上図を見れば、別ドメイン名上のページ「G」にたくさんのリンクを獲得しても、中核ドメイン名上のページにそれと同じだけのリンクを集めた場合に比べて、いかに価値が低いかがわかるだろう。こうした現象が起こるせいで、マイクロサイトや君が作った複数のドメイン名すべてを相互リンクさせたとしても、外部リンクを直接中核ドメイン名に飛ばしたときに得られる価値には遠く及ばないんだ。

  4. 信用度の高い大規模なドメイン名は取り扱うコンテンツの種類を大きく広げられる
    ニッチなウェブサイトでは、トピックやコンテンツの種類を限定していることが多いが、より規模の大きなサイトになると、扱う話題の幅がそれだけ広げられる。このことは、検索のロングテールを狙ってブランド構築およびリーチの可能性を高めたい場合だけではなく、バイラルコンテンツを扱う場合にも価値が高い。幅広いトピックを扱う方が、ニッチな話題に的を絞ったサイトよりはるかに口コミで広まりやすいからだ。

  5. 対象は1つに絞ったほうが時間と労力を効率よく使える
    ウェブ開発やデザイン、ユーザビリティ、ユーザー体験、サイトアーキテクチャ、SEO、広報活動、ブランド構築などに心血を注げば、それに対して最大限の見返りが欲しくなるものだ。意識や時間やリソースを複数のドメイン名に分割して注ぎこむと、それだけその価値は薄まり、単一ドメイン名で収めた成果を足場にするという自然なやり方ができなくなる。

マイクロサイトが有効なシチュエーション

では、僕がニッチサイトやマイクロサイトの利用を提案するとしたら、それはどんな場合だろうか?

  • 今、特定のキーワード検索用クエリをそのまま使ったドメイン名(たとえば「usedtoyotatrucks.com」など)を持っているなら、マイクロサイトでも「used toyota trucks(トヨタの中古トラック)」という特定の検索語については検索トラフィックをうまく引き出せるかもしれない。

  • もし、ドメイン名の販売を計画しているとして、再販市場でドメイン名を大量に売買するつもりなら、その戦略は理解できる。フォルダを売るのは非常に困難だし、サブドメイン名だってなかなか売れやしないからね。

  • Ciaran がコメントで指摘した通り、もし大手のブランドが「秘密の」あるいは話題を呼ぶに足るマイクロサイトを構築するなら、別個のドメイン名を使うことに価値があるかもしれない(ただし、リンクジュースが長期的な価値をもたらし続けるため、キャンペーンが終了次第、必ずメインサイトに301リダイレクトすべきだ。ちょうどオフラインの世界におけるマインドシェアやブランド化がそうであるように)。

検索マーケティングやインターネットマーケティングの業界には、まったく違う考え方を持つ人がいることは知っているし、それはすばらしいことだと思う。けれども、僕個人の経験では、1つのドメイン名にしがみついてるほうが、長い目で見ればうまくいくと感じている(あるいは、ドメイン名を50個所有しているなら、301コードでそれらをすべて中核ドメイン名にリダイレクトしてしまうといい)。

君はどう思う? 同一業界で複数のドメイン名を運営しているのかな? その戦略は、全体のリーチや売上、そして成功にどのように貢献した?

用語集
SEO / インデックス / オーソリティ / キャンペーン / セグメント / ソーシャルメディア / ドメイン名 / バイラル / マイクロサイト / ユーザビリティ / リンク / 外部リンク / 検索エンジン
この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

リテンション
既存顧客との良好な関係を保つこと。それを目的とした施策を、リテンションマーケティ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]