SEOは再び盛り上がりを見せている。間違いない。
この6週間、SEOmozはコンサルティングの依頼をいつもより多く受けた。同時にベンチャーキャピタルからの問い合わせもいきなり増えた。今のところ7件だ。SEO分野で検討中の投資について質問してくる(ついでに意見を求める)か、ずばり事業拡大のために増資をする気はないかと聞いてくるか(これについてはまもなくここに書くつもり)、のどっちかだ。
僕たちのところばかりじゃない。11月はMarketplaceの就職/業務委託コーナーが盛況だった。他のSEO企業ともたまたまそんな話になったんだけど、企業内業務でも外部委託でもSEOの仕事はかなり増えているみたいだ。
それから、PaypalによるとEコマースの売上高はこの1年で34%増加したらしい。これも、高い投資収益率(ROI)を求める人たちにとって、Eコマースが格好の避難所になっている証拠だ。
景気は悪いのに、どうしてSEOばかりが人気なんだろう? 確かなことは言えないが、これまで見聞きした中でも納得できそうな理由や動機を列挙してみよう。
- ウェブは他の販売チャンネルよりもパフォーマンスが良いから
企業が増収増益につながる方法を考えるとき(予算のチェックが厳しい場合はいつでも重要な検討課題だ)、ウェブに対する評価は、だいたい2つのうちの1つに絞られる。有力な販売チャンネルである(ROIの観点からはとりわけ)というものか、あるいは、成長の可能性が大きな分野と考えられるというものだ。どちらの場合も、Webマーケティングと、それに関連してSEOが中心的な位置を占める。
- 不況は業務再編の好機だから
確立した地位のある企業はしばしば、不況期を、社内に関心を向け自社を分析する機会として利用する。その結果、サイトのリニューアルが急増し、それとともにSEOの需要も高まる。
- 検索広告の伸びに伴い、SEOへの関心が高まっているから
検索広告への支出は、依然として過去最高を記録する勢いだ。企業がその費用対効果を評価するとき、「検索トラフィックの70%以上は広告以外の部分から来ている。それならSEOを使うべし」というささやきがつきまとう。
- SEOに対する見方が変わりつつあるから
グーグルはSEOガイドを公表している。マイクロソフトとヤフーには社内にSEO部門がある。そして、「SEOなんて役に立たない」と公言していた連中は、多少の面目と多くの論拠を失った。別に意外ではない。揺るぎない証拠は希望的観測に勝る。状況が厳しいときはなおさらだ。
- マーケティング部門が新たな方策を検討しているから
「新規顧客を獲得するにはどうすべきか?」とか「どういった方策にまだチャンスがまだ残っているか?」といった根本的な疑問を抱える企業の割合が高くなっている。そうなると、SEOが「要調査」リストのトップ近くに浮上するものだ。
- 検索トラフィックは市況から受ける痛手が比較的少ないから
売り上げが低迷したり、コンバージョン率がいくらか低下したりするかもしれないけど、検索トラフィックそのものに変わりはない。不景気だからといって、検索をやめる理由にはならないし、ブロードバンドの普及率、インターネットの利用者数、ユーザー1人当たりの検索件数は着実に伸びている。検索は一時の流行ではなく、長きにわたって続いている。
- ウェブ関連予算の見直しが進んでいるから
ディスプレイ広告が相当落ち込んでいるというニュースは、もう誰でも知っているよね。予算の問題にどう対処するかを管理職がきちんと話し合っていなければ、こういう事態は起こらない。インターネットマーケティングのマネージャー10人にそれぞれ部屋を用意して、部下と一緒に詰め込んでおけば、そのうち少なくとも4、5人は、SEOについて、そして、どうすれば「金のかからない」トラフィックを手に入れられるかについて検討するはずだ。
- ようやくアクセス解析に目が向けられたから
残念なことだが、これは事実だ。景気が低迷したり、恐慌が始まったりすると、誰かが、長い無関心の期間の後におそらく初めて、それでも売上をもたらしてくれているのはどこかを調べるために、アクセス解析をチェックする。意外でも何でもないが、非常にすぐれたターゲティングと検索意図とのマッチングを行っている検索エンジン経由のトラフィックは、かなり売上に貢献している
みんなの経験をぜひ聞かせてほしい。SEOの話題が盛り上がっているのを見かけたことがある? 代理店、コンサルティング業務、企業において、この話題に対する関心が復活したところはあるかな? あるとすれば、それはなぜだろう?
追伸:おもしろくて皮肉の効いたネタを一発。「ソフトウェア開発マネージャーのためのブログ100選」というこのリストをチェックしてみてほしい。SEOのブログやSEO関連のブログが皆無なことに気がついたかな。それなのに、このリストにはSEOで使用する指標が添えられているんだ! 文句を言いたいところだな。だけどやっぱり、ウェブ開発者が相変わらずSEOに関心を持たず、身につけることもないなら、コンサルタントや代理店、企業内のSEO担当者はずっと失業しなくて済むわけだね。
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