オーガニック検索結果からの流入とリスティング広告のクリックを区別するには? [アクセス解析Q&A]
質問:検索連動型広告(リスティング広告)を出稿しています。検索エンジンの自然検索からの流入と検索連動型広告からの流入の区別が参照元では付かないようなのですが、区別するにはどうしたらよいでしょうか?
答え参照元情報(リファラー)を利用せず、ダミーパラメータなど別の効果測定手法を用いましょう。
解説検索エンジンの検索結果一覧(自然検索)のリンクをクリックしてサイトに入ってきた場合と、検索連動型広告をクリックしてサイトに入ってきた場合、参照元情報(リファラー)はまったく同じとなります。したがって、参照元情報からだけでは、検索結果の表示リンクからサイトに訪問したのか、検索連動型広告からサイトに訪問したのか、通常区別が付きません。
あるキーワードで自分のサイトが検索結果の上位に来るような場合でも、並行して検索連動型広告を出すことは一般的に行われています。このような場合に、広告効果だけを切り出したいというのは当然だと思います。
また、ブログやメディアサイトに掲載されるコンテンツ連動型広告や興味関心連動型広告でも同様に、リファラー情報からは広告からのアクセスなのかページ内のリンクをクリックしてのアクセスなのかを判断することはできません。
アクセス解析ツールにもよりますが、「メルマガの効果測定はどうすればいい?」でもお話ししたように、このような場合はダミーパラメータを使う方法が一般的です。ダミーパラメータとは、静的なページのファイル名(「**.html」あるいは「/」など)の後に付与する「?」から始まる任意の文字列のことです。ファイルリクエストの際には、ファイル名の後の「?」以降は無視されるという性質を利用しています。
リスティング広告の出稿時に、リンク先URLにあらかじめ解析用のダミーパラメータを追加しておくと、その広告がクリックされたアクセスを区別して解析できるようになるというわけです。
ダミーパラメータはGoogle Analyticsでも使われています。Google Analyticsでは次のような複数のパラメータ(変数名と値)を「&」でつなげることで、複数の情報を分析軸にすることを可能にしています。
?utm_medium=ppc&utm_source=google_search&utm_term=kw01&utm_content=ad01b&utm_campaign=adgroup_01
パラメータ名 | 意味 | 例 | Google Analytics上の対応するレポート |
---|---|---|---|
utm_medium | 媒体の種類 | 「ppc」(リスティング広告の場合)など | [トラフィック]>[全ての参照元]の「メディア」 |
utm_source | 掲載媒体 | 「google_search」(アドワーズの検索連動型広告の場合)、「google_content」(アドワーズのコンテンツ連動型広告の場合)など媒体名を入れる | [トラフィック]>[全ての参照元]の「参照元」 |
utm_term | キーワード | 検索キーワードなどを入れる(アドワーズ広告ではキーワード挿入機能でリンク先URLにキーワードを埋め込むことも可能) | [トラフィック]>[キーワード] |
utm_content | クリエイティブの種類 | 複数の広告文でA/Bテストをする場合などに、どの広告文かの区別などを入れる。広告のタイトルそのものを入れておくとわかりやすいだろう | [トラフィック]>[広告の種類] |
utm_campaign | キャンペーン名 | リスティング広告のキャンペーンや広告グループを指定しておく | [トラフィック]>[キャンペーン] |
この例ではGoogleの検索連動型広告から流入する場合のURLに上記のパターンのパラメータを付けることで、自然検索の検索結果をクリックした場合と区別できるようになっています。ツールによって、このパラメータの付与の方法などが異なりますので、詳しい付与方法については、お使いのツールベンダーにご相談してください。
ただし、「メルマガの効果測定はどうすればいい?」でもお話ししたように、このダミーパラメータを使う方法はSEO(検索エンジン最適化)的にはリンクの分散のリスクがあります。リスティング広告からアクセスしてきた人がブログなどからトラッキング用パラメータ付きのURLでリンクすることでリンクが分散してしまうのを避けるためには、canonical属性値というものを記述するようにします。HTMLファイルのhead要素内に「<link rel="canonical" href="http://www.example.co.jp"/ >」(hrefにはパラメータなしのURLを記述)のようなタグを、ページ別に記述しておくのです。こうすると、検索エンジンは、このページへのリンクをすべて「?」以降のパラメータがないURLへのリンクとして扱ってくれるのです。
ただし、これは検索エンジンに知らせたということであって、たとえば誰かのブログに「?」付きURLをそのままコピペされてしまい、そのリンクをクリックしてやって来た場合は、該当のリスティング広告キャンペーンの効果に加算されてしまいますのでご注意ください。
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