ソーシャルメディアからの「予測できない流入急増」もガッツリとらえて改善する 第3回
サイト改善は何らかの目的があって行うものであり、仮説を立て、施策を実行した後に効果測定や改善を行う。しかし、場合によっては外部要因の流れに乗る「狙わない」改善もある。今回は、そういった事例を紹介しよう。
コツコツと地道にコンテンツを増やしていくと、Web担当者の想像しないタイミングでTwitterなどのソーシャルメディアで火がついて、古いコンテンツへのアクセスが急増することがある。そうした状況を逃さずに把握し、サイトの改善に役立てる方法だ。
今回の想定真似コスト 2500円、1~3時間
ソーシャルは急にやってくる
まずは事例を一つ紹介したい。筆者のサイト「実践CMS*IA」は、CMSやIAを活用したWeb最適化の実践メモを掲載しつつ、筆者のメディア活用の広報拠点として位置付けているサイトだ。ゴールは、Web担などへの寄稿記事や登壇セミナーへの送客とアフターフォローであり、既存顧客のリテンションに加えて、新規見込み客を獲得するため、話題性のある読み物コンテンツも掲載している。
なかでも人気なのが、幼児がデジタルネイティブとして成長する様子を観察することで、親も人生で大事なことを学ぶという「子どもIA日記」だ。インラインのリンクやIA、CMS系のキーワードを含めるなど、SEOを多少意識している。隠れファンは多く、反響も良いのだが、最初の1年間は被リンクが皆無、検索経由での訪問も少ないままだった。
ところが、5月頭の深夜のこと。1年前の記事「9歳の息子がDropboxの更新通知を使ってチャットしてきたぁ」へのアクセスに異変が起きた。
Twitterで分かったアクセス増加
変化に気付いたのは、5月5日の深夜、1時間ぶりにTwitterアプリを立ち上げた時だった。サイトのドメイン名「cms-ia.info」による検索結果の未読数が200を超えていた。
このドメインを含むツイートが、上記の記事へのリンクと感想で埋まっていた。どこかで取り上げられたに違いない。コメントを読む限り、炎上はしていないようだ。
Twitterを活用することで、アクセスが急増していることをいち早く察知できた。では、このアクセスを最適化するため、どこからどのページへのアクセスが増えているのか、訪問の意図は何なのか、を把握する必要がある。
リアルタイムのアクセス解析を併用する
そもそも、1年前のページへのアクセスが、なぜ急に増えているのだろうか?手元にPCが無かったため、iPhoneを使って、リアルタイムでアクセス解析できる「Clicky」にアクセスした。
図3の右側の緑・赤の数字は、前日からの変化を表す。訪問者が前日と比べて「+999%」と大きく増えていることが分かった(999は、これ以上数字が増えない上限値)。
次にリンク元(リファラ)を確認したところ、Twitter経由と、はてなブックマーク経由のアクセスが増えている。RSSリーダーからのアクセスが増えているのは、はてなブックマークのFeedを購読しているためだろう。
はてなブックマークのホットエントリーに登録されたことがきっかけとなり、それを読んだ人がツイートしているようだ。
影響の大きさを予測する
さて、アクセスが急増しつつある状況と原因は分かった。次に、てこ入れ(対策)が必要かを判断するため、今後の規模を予測したい。
そこで、前述の「Clicky」のサイトに今度はPCでアクセスし、より詳しいレポートで状況を確認してみた。
PC版のレポートでは、時間単位の増減と前日比をグラフで確認できるため、増加の加速度が分かりやすい。このグラフからは、前日と比べて深夜直前からの増加が顕著なことが分かる。この深夜の時点で「このトラフィックは大きくなるので対策すべき」と判断し、最適化を開始した。
ソーシャルもやってます!