おすすめソーシャルリスニングツール7選 徹底解析
おすすめソーシャルリスニングツール7選 徹底解析
最後に、ソーシャルリスニングを実施するうえで必要になるツールを紹介する。ツールは多数出回っているが、今回は筆者の周辺でよく利用されているものを中心に、以下7つのツールを紹介する。
7つのツールのうち、「ブームリサーチ」と「ADPLAN SM」に関しては、ホットリンクの「クチコミ@係長」をエンジンとして利用しているので、「クチコミ@係長」の姉妹版だとも捉えられる。他のツールはそれぞれ独自のエンジンを用いている。サイバー・コミュニケーションズ社の「コミュニケーションエクスプローラー」やユーザーローカル社の「Social Insight」、また欧米で実績があり日本語分析にも対応する「BuzzMetrics」と「Crimson Hexagon Forsight」を紹介していこう。
これらのツールを以下の7つの軸で比較していく。
- 分析対象メディア
分析の対象となっているメディア(ブログ、Twitter、掲示板、レビューサイトなど)
※対応メディアは青色で、非対応メディアは灰色で示す。 - Twitterの取り扱い
Twitterの分析は基本プランに含まれるか(オプションとしているサービスは多い) - センチメント分析方法
ポジネガの判定方法 - 過去データ分析
ツール利用開始時に過去にさかのぼった分析ができるか - インフルエンサー分析
キーワードについて語っているインフルエンサーをリストアップできるか - 特徴的な機能
そのツールならではの特徴的な機能 - 価格
ツール選びで気をつけたいのは、まず自分がどんなことを分析したいのか整理することだ。たとえば、広く自社ブランドに対する一般消費者の声を集めたいというのであれば、まだ分析対象の少ないFacebookよりも、Twitterやブログを優先するのがよいだろう。他にも、BtoCビジネスの企業であれば、レビューサイトのクチコミを競合も含めて調査する、といったことが考えられる。
なお、ここで紹介するのは基本的なスペックであり、対応メディアや情報ソース量が多いから優れているというわけではない。実際にツールを選定する場合は、単純なスペック比較だけで決めるのではなく、ぜひベンダーにデモ、できれば無料トライアルを依頼して、自社キーワードを入れた場合のパフォーマンスや出力レポート画面を自身の目で確認してほしい。
クチコミ@係長
他社エンジンにも採用される定番のツール
提供ホットリンク URLhttp://www.hottolink.co.jp/kakaricho/
システム開発のホットリンクが自社開発しているツールで、他社へのOEM提供にも積極的。筆者の感覚では、利用している話を一番よく耳にするツールだ。分析対象メディアが充実していること、ツールのレスポンスの早さが特徴であり、たとえばツールから出力される結果データを見ながら検索条件を変えるなど、仮説検証をまわすような使い方でツールを使いたい場合におすすめ。
1.分析対象メディア | 対応状況 (色地に太字の項目は対応、薄字の項目は非対応)
解説 ブログ(20ブログポータル)、掲示板・Q&Aサイト、2ちゃんねる、Twitter、Facebookをカバー。特にブログは国内ブログ記事の90%以上をカバー。その他にテレビ放映内容、ウェブ検索キーワードも追加オプションで検索対象にできる | ||||||||||||
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2.Twitterの取り扱い | Twitter分析は追加オプションで提供。日本語のツイートは基本100%収集している。 | ||||||||||||
3.センチメント分析方法 | 自然言語解析(係り受けの解析、ポジネガの対象物の推定、ポジネガの判定) | ||||||||||||
4.過去データ分析 | Twitterは利用開始時からデータ収集するパターンと利用開始以前から蓄積されたデータを分析できるパターンを別料金で用意。ブログ、Q&Aサイト、2ちゃんねるは2006年11月までさかのぼった分析ができる。 | ||||||||||||
5.インフルエンサー分析 | Twitterについて提供。インフルエンサーのリストだけでなく、伝播図、さらに時系列での伝播図を表示できる追加オプションがある。 | ||||||||||||
6.特徴的な機能 |
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7.価格 | 初期費用10万円、月額費用10万円から。 ※Twitter分析オプションは3キーワードまで月額2万円、1キーワード追加につき1万円。 |
ブームリサーチ
ソーシャルメディアサービスを総合的に提供
提供トライバルメディアハウス URLhttp://boomresearch.tribalmedia.co.jp/
ソーシャルメディアマーケティング事業のトライバルメディアハウスが提供するツール。クチコミ@係長のエンジンを使用しており機能も同等なので、すべて自社で分析するのではなく、トライバルメディアハウスにソーシャルメディアについて総合的なサービスを求める場合の選択肢になるだろう。
1.分析対象メディア | 対応状況 (色地に太字の項目は対応、薄字の項目は非対応)
解説 ブログ(20ブログポータル)、掲示板・Q&Aサイト、2ちゃんねる、Twitter、Facebookをカバー。特にブログは国内ブログ記事の90%以上をカバー。その他にテレビ放映内容、ウェブ検索キーワードも追加オプションで検索対象できる | ||||||||||||
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2.Twitterの取り扱い | Twitter分析は追加オプションで提供。日本語のツイートは基本100%収集している。 | ||||||||||||
3.センチメント分析方法 | 自然言語解析(係り受けの解析、ポジネガの対象物の推定、ポジネガの判定) | ||||||||||||
4.過去データ分析 | Twitterは利用開始時からデータ収集するパターンと利用開始以前から蓄積されたデータを分析できるパターンを別料金で用意。ブログ、Q&Aサイト、2ちゃんねるは2006年11月までさかのぼった分析ができる。 | ||||||||||||
5.インフルエンサー分析 | Twitterについて提供。インフルエンサーのリストだけでなく、伝播図、さらに時系列での伝播図を表示できる追加オプションがある。 | ||||||||||||
6.特徴的な機能 |
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7.価格 | 初期費用10万円、月額費用10万円から。 ※Twitter分析オプションは3キーワードまで月額2万円、1キーワード追加につき1万円。 |
ADPLAN SM(アドプラン エスエム)
Twitter分析に特化しコストを最適化
提供オプト URLhttp://www.adplan.ne.jp/product/sm/
インターネット広告代理店のオプトが提供するツール。クチコミ@係長と同じエンジンを使用していながら、Twitter分析に特化することで、より安価に提供しているのが特徴。たとえば、Twitterを含んだ分析を低コストでやりたい場合におすすめ。
1.分析対象メディア | 対応状況 (色地に太字の項目は対応、薄字の項目は非対応)
解説 Twitterのほか、ブログ(20ブログポータル)、掲示板・Q&Aサイト、2ちゃんねる、Facebookをカバー。特にブログは国内ブログ記事の90%以上をカバー | ||||||||||||
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2.Twitterの取り扱い | 基本プラン内でTwitter分析を提供。日本語のツイートは基本100%収集している。 | ||||||||||||
3.センチメント分析方法 | 自然言語解析(係り受けの解析、ポジネガの対象物の推定、ポジネガの判定) | ||||||||||||
4.過去データ分析 | Twitterのみ追加オプションで過去データを提供可能。 | ||||||||||||
5.インフルエンサー分析 | Twitterについて提供。インフルエンサーのリストだけでなく、伝播図、さらに時系列での伝播図を表示できる追加オプションがある。 | ||||||||||||
6.特徴的な機能 |
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7.価格 | 初期費用10万円、月額費用5万円から。 ※分析1キーワード追加につき1万円。 |
コミュニケーションエクスプローラー
独自のポジネガ分析で人の感性を把握
提供サイバー・コミュニケーションズ URLhttps://cocomimi.jp/
インターネット広告ソリューションのサイバー・コミュニケーションズが提供するツール。独自のエンジンによる、ポジネガの判定から一歩踏み込んだ自然言語解析が特徴。たとえば、ポジネガより踏み込んだ分析はしたいけれど、人手を使わずにできるだけツールに任せたい、という場合におすすめ。
1.分析対象メディア | 対応状況 (色地に太字の項目は対応、薄字の項目は非対応)
解説 ブログ(10ブログポータル)、掲示板、レビューサイト、Twitter、ニュースサイト | ||||||||||||
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2.Twitterの取り扱い | 基本プラン内でのサービス提供。独自の収集方法により収集率90%程度。 | ||||||||||||
3.センチメント分析方法 | 自然言語意味理解エンジンによる解析。単なるネガ・ポジだけでなく人間の感性(気持ち)を3段階48種類で分類し、ポジネガの対象物も推定。 | ||||||||||||
4.過去データ分析 | Twitterを含め2011年1月1日より蓄積を開始しており過去データ提供可能。過去のさかのぼりは最大13ヶ月間行うことが可能。 | ||||||||||||
5.インフルエンサー分析 | Twitterについて投稿者分析をオプションで提供。独自の指標である「波及力」「影響力」「跳躍力」「生起力」から「総合力」を測定し、インフルエンサーを特定。 | ||||||||||||
6.特徴的な機能 |
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7.価格 | 初期費用10万円、月額費用10万円から(ともに税抜) |
Social Insight(ソーシャルインサイト)
アカウント管理とリスニング機能を統合
提供ユーザーローカル URLhttp://social.userlocal.jp/
アクセス解析ツール開発のユーザーローカルが提供するツール。他のツールはソーシャルリスニングに特化したものだが、自社のソーシャルメディアアカウントの運用や分析を含めた総合ツールであることが特徴。たとえば、ソーシャルメディアの取り組みで使う分析と運用ツールを1つに集約したい場合におすすめ。
1.分析対象メディア | 対応状況 (色地に太字の項目は対応、薄字の項目は非対応)
解説 Twitter、Facebook、Google+、mixiページ、YouTube、Wikipedia(ブログは今後対応予定) | ||||||||||||
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2.Twitterの取り扱い | 基本プラン内でのサービス提供。収集率は国内ツイートの40%程度。 | ||||||||||||
3.センチメント分析方法 | 自然言語解析、ポジネガ分析、特徴語抽出や品詞の自動分類に対応。 | ||||||||||||
5.インフルエンサー分析 | Twitterで影響力の強い(フォロワー数が大きい)ユーザーをリストアップ、特定キーワードについて発言回数が多い順にリストアップ。Facebookページに「いいね!」したユーザーを影響力の大きい(購読者数が多い)順にリストアップ。 | ||||||||||||
6.特徴的な機能 |
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7.価格 | 初期費用5万円、月額費用5万円から(10キーワードまでの分析に対応、ブログは今後対応予定) |
BuzzMetrics(バズメトリックス)
プロのアナリストによる充実の分析レポート
提供ネットレイティングス
URLhttp://www.netratings.co.jp/solution/buzzmetrics.html
リサーチ大手のネットレイティングスが提供するツール。分析キーワードの設定で高度な条件指定ができること、多言語対応が特徴。また、ツール利用のみでなく、ネットレイティングスが行うネット視聴率調査やネットリサーチなど複数のデータソースを組み合わせたレポートも可能で、アナリストによる分析レポートが充実している。ただし、レポートサービスの値段は高め。
1.分析対象メディア | 対応状況 (色地に太字の項目は対応、薄字の項目は非対応)
解説 ブログ、Twitter、掲示板・Q&Aサイト、Facebook、ニュースサイト | ||||||||||||
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2.Twitterの取り扱い | 基本プラン内でのサービス提供。分析対象の詳細は非公開。 | ||||||||||||
3.センチメント分析方法 | 高度な条件指定が可能なBoolean(ブーリアン)検索により、ポジネガ分析に対応。高度な条件指定ができるので、ポジネガの判定をカスタマイズできたり、分析対象としたい書き込みを柔軟に絞り込めたりするメリットがある。 | ||||||||||||
4.過去データ分析 | Twitterは、分析キーワード設定以降のデータが利用可能。ただし、契約以前に登録履歴のあるキーワードについては、登録以降直近20ヶ月分の利用が可能。Twitter以外は、過去20ヶ月分のデータを契約時より利用可能。 | ||||||||||||
5.インフルエンサー分析 | Twitterに限らずすべての対象メディアで、投稿の多いユーザーのランキング機能、特定のユーザーを指定して分析する機能を提供。フォロワー数や購読者数などの指標はなし。 | ||||||||||||
6.特徴的な機能 |
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7.価格 | 初期費用0円、月額費用30万円から(ID3つ)。 分析対象キーワード数や、選択メニュー数に制限なし。レポートサービスは別途見積もり。 |
Crimson Hexagon Forsight
(クリムゾン ヘキサゴン フォーサイト)
学習機能を搭載した米国ツール
提供Crimson Hexagon URLhttp://www.crimsonhexagon.com/
米国の調査会社Crimson Hexagon社が提供するツール。米国ではCNN、Microsoftほか多数の企業が導入しており、自然言語解析に学習機能があること、多言語対応が特徴。海外ツールながら、日本語の分析にも対応している。
1.分析対象メディア | 対応状況 (色地に太字の項目は対応、薄字の項目は非対応)
解説 ブログ、掲示板、Twitter、YouTube、ニュースサイト。必要なサイトを追加することも可能 | ||||||||||||
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2.Twitterの取り扱い | 基本プラン内でのサービス提供。2009年から蓄積しているTwitterのデータを利用可能。特に2010年7月以降は100%蓄積している。 | ||||||||||||
3.センチメント分析方法 | 自動解析と手動判定を組み合わせることで言語解析を行う仕組み。言語解析エンジンの初期出力に対してツール使用者が該当の書き込みや除外すべき書き込みを10~20個例示してやることで言語解析エンジンを学習させる。 | ||||||||||||
4.過去データ分析 | 2008年から蓄積しているデータすべてを利用可能。分析対象によって異なるが、ブログ・ニュースは2008年、フォーラムは2009年、Twitterは2009年から部分的に蓄積開始し2010年から全量蓄積、2011年からYouTubeも蓄積開始している。 | ||||||||||||
5.インフルエンサー分析 | Twitterで影響力の強いユーザーをリストアップできる。影響力はフォロワーおよびフォロワーのフォロワー数、RTやメンション回数を指数化して評価。 | ||||||||||||
6.特徴的な機能 | 手動判定による学習機能を持った自然言語解析エンジンにより、言語に関係なく分析ができるのが特徴。実際に米国、日本、中国、オーストラリア、ドイツ、フランス、イギリス、ブラジル、インドネシアといった国々で利用実績あり。 | ||||||||||||
7.価格 | コストはツール利用者数とダッシュボード設定内容に応じて変動。 |
以上、7種のツールを紹介してきたが、それぞれに特徴があり、どんな場合でもこのツールが一番ということではない。繰り返しになるが、大切なのはソーシャルリスニングを行う目的を見定めたうえで検討することだ。ツールはあくまで人の手助けをするものでしかなく、コントロールするのは担当者であるあなた自身だ。自社の実施目的に沿ってツールを検討していただきたい。
ソーシャルもやってます!