クロールバジェットとは? SEOにどう関係するの? ウチでも注意すべき? などSEO記事まとめ10+3本
SEOで「クロールバジェット」という言葉を聞いたことがあるだろう。クロールバジェットとは何か、SEOにどう関係するのか、わかりやすく解説する。
ほかにも、「検索ユーザーにも検索エンジンにも高評価される最強のコンテンツの作り方」「AMP対応」「AdWords広告予算が少ないと、キーワードプランナーで月間検索ボリュームが手に入らなくなる」「リダイレクトにJavaScript」「常時HTTPSの注意」などなど、SEOの情報をお届けする。
クロールバジェットを140文字で定義せよ
日本語だと余裕? (辻正浩 on ツイッター)
「クロールバジェット」とは何か。それは、
人気度やサーバ環境等のクローラ訪問数に影響する変数がWebサイト側要件で頭打ちになり、価値あると推測される未発見URLが増えたとしてもクロール数が伸びないケースにおけるその上限数
――これは、辻氏による、コンパクトな解説だ。
グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏が、ツイッターでフォロワーに向けて次のように問いかけた。
140文字でクロールバジェット(crawl budget)を定義するとしたらどうする?
Hey how do you define "crawl budget" in 140 characters?
— Gary Illyes (@methode) 2016年8月10日
これに対して、辻氏がさっそく反応して、冒頭のような解説をしたというわけだ。
140文字以内でクロールバジェットの定義「人気度やサーバ環境等のクローラ訪問数に影響する変数がWebサイト側要件で頭打ちになり、価値あると推測される未発見URLが増えたとしてもクロール数が伸びないケースにおけるその上限数。」私の認識はこうですが90字で書ける日本語はずるいw
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2016年8月10日
もう少し平易に言い換えると、こうなるだろうか。
サイト内のページをGooglebotがクロールする能力や資源には限りがあり、状況によっては、本来クロールされるべきURLがクロールされないことがある。
そういう場合に、Googlebotがクロールできる限界のことを「クロールバジェット」と呼ぶ。
クロールバジェットは、順位付けや表示ではなく、「グーグルに適切にクロールしてインデックスしてもらう」という観点でSEOに関係するものだ。
あなたのサイトでクロールバジェットを気にかけるべきかどうかに関しては、今回の英語記事で触れているので、そちらも参照してほしい。
クロールバジェットを気にかけるべきか?
通常のサイトでは気にしなくていい (Evolving SEO)
日本語記事で紹介した"クロールバジェット"に関して、グーグルのジョン・ミューラー氏が次のようにアドバイスしている。
クロールバジェットが関わってくるのは、
- たくさんのパラメータが付いた本当に複雑なURL構造で
- URLが無尽蔵にできあがり
- Googlebotがクロールを無限に繰り返す
ような場合だ。そんな状況だと、クロール能力の限界を超えてしまう。
わかりやすく言うと、クロールバジェットなんて、ほとんどのサイトで気にする必要はない。
クロールバジェットを気にかける必要があるのは、ミューラー氏が言うように、URLが際限なく生成されるような場合だ。
もっとも、そのような場合は、Googlebotのクロールをコントロールするよりも、URLが無限にできてしまうシステムを見直すべきだと考えるべきだろう。
または、複数条件でリストを生成している場合に、その掛け合わせが膨大になる場合もあるだろう。たとえば、カテゴリが200、筆者が500人、タグが1000ある場合、その掛け合わせで1億ページが生成されるため、クロールにも影響が出る可能性がある。
もう1つクロールバジェットを気にかけるべきサイトがあるとしたら、アマゾンや楽天のような超々大規模ECサイトや、アメブロやはてなのような超々大規模CGMサイトだろう。
何百万、何千万というページがあり、さらに何百、何千というページが毎日生成されるようなサイトだ。さまざまな切り口でのカテゴリページもできあがる。
こういったサイトでは、本当に重要なページが確実にクロールされるようにクロールを制御することが必要になってくるかもしれない。
日本語で読めるSEO/SEM情報
検索ユーザーにも検索エンジンにも高評価される最強のコンテンツの作り方
松尾氏がノウハウを余すところなく公開 (ウェブライダーLab.)
検索ユーザーにものすごく喜ばれ、検索エンジンにそのすばらしさを確実に理解してもらえるコンテンツの作り方のノウハウを、松尾茂起氏が余すところなく公開した。
オリジナルのスライドともに、次のような流れのストーリー仕立てで解説は進んでいく。
- はじめに(ウェブライダーの実績など)
- 読み手(検索ユーザー)とGoogleが求めるコンテンツ
- 検索ユーザーの「意図(Intent)」を探る
- 「分かりやすい」コンテンツとはなにか?
- 相手の脳をラクにさせるコンテンツ演出
- 信頼されるコンテンツをつくるために
- まとめ
ボリューム満点だが、実際に読んで見ると、さほど時間はかからない。スライドとあわせてじっくりと読みたい。
解説されている内容が多岐にわたるため、「あまりにも大変そうで、自分には実行できそうにない」とひるんでしまうかもしれない。
だが、まずはできることから始めればいい。簡単にすべてを実行できたとしたら、松尾氏のノウハウに頼る必要など初めからないだろう。
グーグルからAMP対応を迫るメールが送られてきた
送り過ぎでは? (辻正浩 on ツイッター)
AMP対応を勧める通知をSearch Console登録サイト宛てにグーグルが送信している。通常のモバイル検索結果でAMPをサポートする開発プレビューを公開して以来、その数が増えているようだ。
すべてのサイトに送っているわけではないようで、何か基準があるようにも思う。とはいえ、該当するサイトが多いと、こんなことになってしまうようだ。
サチコさんが昨日から何通も同じメールを送ってきていて怖い。 pic.twitter.com/mWpGWB1qd2
— 辻正浩 | Masahiro Tsuji (@tsuj) 2016年8月9日
また、すでにAMP対応しているサイトにも送ってくるので、無節操に思えなくもない。
さて、この通知が届いたとしても、必ずAMP対応しなければならないということではない。ましてや、AMPに対応しなければペナルティを受けるということも絶対にないので、怯えないでほしい。管理サイトの状況に照らしあわせて、対応するかどうかを検討すればいい。
……個人的には、早めに対応しておくほうがいいとは思うが。
グーグルアナリティクスの全機能を体験できるデモアカウント、だれでも使えます
グーグルが運用するECサイトの実データで体験 (アナリティクス 日本版 公式ブログ)
グーグルは、グーグルアナリティクスのデモ用のアカウントを公開した。だれでも利用できる。
デモアカウントには、アドワーズとのリンクや目標、拡張eコマースなど、グーグルアナリティクスで一般的に使われる機能をすべて利用できる。自分の管理サイトでは、確かめることができない機能であっても、デモアカウントなら体験可能だ。
データは架空のものではなく、グーグルが運営するECサイトの実データが提供されているのも特筆すべき特徴だ。
グーグルアナリティクスのスキルを上げるために使ってみるといい。詳細はデモアカウントのヘルプ記事とブログでのアナウンスで確認してほしい。
グーグルの検索結果からレストラン予約ができる機能、登場
飲食店サイトは予約増に期待 (グーグル ジャパン ブログ)
グーグルは、検索結果からレストランを予約できる機能を公開した。
米国のレストランではすでに提供されていた機能だ。予約システムは、米国ではオープンテーブルと提携しているが、日本では、「一休」「ホットペッパーグルメ」「食べログ」も参加している。
これらのグルメ系サイトに登録している飲食店は、予約が増えることを期待したい。
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